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仮面と偽面と嘘面と
日時: 2011/09/27 17:14
名前: おもちゃ箱 (ID: UxRM.rFT)


−…顔を隠しているのはだぁれ?だぁれ?

−…偽りを隠しているのはだぁれ?だぁれ?

−…嘘を隠しているのはだぁれ?だぁれ?

−…それは僕、僕なんだ

−…恥ずかしいからなんだ、壊れるのが怖いからなんだ
  全て僕の物にしたいからなんだ

−…一人怖い怖いよ二人なんて足りないよ
  そうだね、僕が満足するまでこのお話は続けよう

−…だぁれも知らない所に行こうよ
  そう、そこが僕達の国

−…きっと寂しくないよね
  皆一緒一緒さぁ僕の楽しい玩具になってよ

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Re: 仮面と偽面と嘘面と ( No.1 )
日時: 2011/09/27 17:40
名前: おもちゃ箱 (ID: AyMnBqmb)

・。・Ⅰ・。・

「せんせーい、またフレン君がお歌ばっか歌って遊んでくれないよー」

「あら…フレン君には先生がちゃんと言っときますから
 他の子と遊んでおいで」

「やぁだぁ!マリ、フレン君とがいーいーのー!」

「まぁまぁ、そんなにフレン君がいいの?
 マリちゃん最近様子がおかしいわよ
 目のクマもひどいし…ちゃんと寝てるの?」

「ううん!夜はねーお家抜け出してフレン君と毎日遊んでるのー
 赤いのがねー綺麗なのー」

「ダッ…ダメでしょ!お家抜け出したら!
 …赤いの?」

「うん!赤いの!えっとねー
 フレン君がねー毎日悪い大人…あっ!フレン君が呼んでるから
 もう行くね!」

「あっ…ちょっとマリちゃん!」

−…

「…マリちゃん、誰としゃべってたの?」

「えっとね先生と喋ってたの!」

「そう…夜のこと何も言ってないよね?」

「言ってないよ!」

「本当に?」

「うん!」

「…なんで嘘つくの?」

「…え?」

「僕はマリちゃんの事信じてるのに
 信じてるのになんで嘘つくの?
 僕を信じてないの?なんで?素直に言ってたら怒らないのに
 僕を怒らしたいの?ねぇ?なんでそんな顔してるの?
 ねぇ、本当に僕を信じてるの?」

「…っごめんなさいごめんなさい!マリね、怒られるのが怖くて
 嘘ついたの、ごめんなさい!フレン君の事ちゃんと信じてるのに…
 ごめんなさい!!」

「…僕の事信じてるんだね?じゃあ証拠見せてよ」

「え…証拠?」

「うん、あそこの道路に出てね僕が合図するまで
 突っ立っててよ 簡単だろ?」

「でも…車が多いから先生が危ないって…」

「…やっぱり僕を信じてないんだね?」

「っ!!信じてるよ!わかった。フレン君がいいよ言うまで
 立っとけばいいんだね!」

「そうだよ、ほら早く」

「うっ…うん!」

−…

マリは道路のど真ん中に立った

「ねぇ、フレン君もういい?」

「まだ、僕が合図するまで」

「でもでも…前から車が来てるよぉ…
 早く…」

「…僕を信じてないの?」

「…っうぅ…」

「なんで泣いてるの?おかしいよね?」

車は後5mまでに迫っていた

「フッ…フレン君フレン君!!」

「まぁだまだ」

よく見るとフレンは微笑を浮かべてこちらを見ている

「せっ…せんせぇぇぇぇっ!!」

一瞬だった、そう全てが一瞬だった
マリが叫んだと同時に車が勢いよく激突した

マリは目を大きく開いたまま地面にぐったりと倒れこんだ

「がっ…ふっ…う…フレ…ン君…」

微かに息は合ったがすでに手遅れ

フレンはマリの前に立ちそっと耳打ちした

「…信じてるんじゃなかったのかい?
 そこで先生を呼ぶのはおかしいよね?
 あーあ、おしいなぁもうちょっと我慢してたら
 助かったのに、でも僕を信じてなかったんだから
 これは当たり前の仕打ちだよね?
 ねぇ?聞いてるの?どうしたの?
 なんか言ってよ、面白くないじゃないか
 …動かない玩具なんかに興味はないよ
 じゃあね」

そう言ってフレンは、何もなかったような顔をして幼稚園に戻った
マリの亡骸は5分後に先生達に発見され大騒ぎとなった


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