ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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死神の駒
日時: 2011/09/29 22:05
名前: Maifa (ID: JAJsF.Xg)


  どんどん、時が流れていく—————







     そして、今日も私たちは・・・・・・

















                 駒  となる————————









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Re: 死神の駒 ( No.2 )
日時: 2011/09/29 22:38
名前: Maifa (ID: JAJsF.Xg)

人間のほとんどが、死神や悪魔、神や天使を信じない。


けどね、私は知っている。



            ————————『死神』が存在することを。





  2018年2月13日午後9時42分



「・・・・・・相変わらずね。」


そう言った私は 西島 姫羅(さいとう きら)

私は、ある所では『ファエル』と呼ばれている。

そう呼ばれている由来はまた後に。

「お前も変わってないな。」

そう笑いながら青い目で言うこの男 東雲 零(しののめ れい)

零は、私の親友。こいつは『ミカエル』と呼ばれている。

綺羅「まぁ、あいさつはこれだけでいいでしょ。
   そろそろ行きましょう。
   “あの御方”が待ってるわ。」

零「だな。」


 月明かりが照らす道を、2人は静かに進んだ。

Re: 死神の駒 ( No.3 )
日時: 2011/09/30 17:34
名前: Maifa (ID: JAJsF.Xg)



「時間通りだね。」

月明かりが差し込む広い部屋に、少し高くて透き通った声が響いた。

綺羅「はい。3か月ぶりのご命令、ありがとうございます。」

零「ありがとうございます。」

私たちはある人物に頭を下げた。

「こっちもありがとう。
 いつもいつも俺のために働いてくれて。」

その人物は、少し申し訳ない様な顔をして言った。

綺羅「貴方が謝る事はありませんよ。
   私たちは、貴方のためなら何でもします。」

「ありがとう。ファエル。」

零「それで、今回はどのような件で?」

零…ミカエルがそう聞いたら、その人物は不気味に笑った。

「君たちの得意分野だ。よろしくね。」

綺羅「承知いたしました。“アレン様”」







———東京都練馬区

零「ホントに物好きだね、アレン様は。」

綺羅「本当ね。」

アレン様。さっき私たちと話していた人だ。

アレン様は、一言で表すとしたら『死神』だ。
でも、肩に着くぐらいある綺麗な漆黒の髪に透き通った青い目を持った美しい容姿のアレン様を、死神とは呼びづらい。

だが、人は見かけで判断できないとはこの事。
アレン様は、[容姿]が、死神なのではない。
アレン様の持つ[チカラ]が死神なのだ。

Re: 死神の駒 ( No.4 )
日時: 2011/09/30 21:31
名前: Maifa (ID: JAJsF.Xg)


アレン様は、人間の寿命を知ることができる。
たったそれだけの事。

零「でも、さすが死神って感じかな。」

綺羅「それ、アレン様の前で言ったらあんた確実にあの世逝きよ。」
 
零「大丈夫。アレン様は人を殺したりしないさ。
  殺せないんだから。」

綺羅「あぁ。そうだったわね。」

そう。死神は人を自分から殺せない。
死神は死んで逝く者の手伝いをするだけ。
死神は、死の中で生きる神。
『死の中で生きる』という事は、二度と死ぬ事は無いという事。
これぞまさに【不死身の象徴】。

綺羅「アレン様は絶対に死なない。」

零「そりゃあそうさ。死神なんだから。」

あの人は、本物の死神。

零「着いたよ。ここだね。
  今回はまだよかったね。また廃ビルかと思った。
  もうあんな所で 殺りたくないし 。」

綺羅「確かにね。じゃあ、行こうか。」

私たちは殺し屋だ。
頼まれた依頼はしっかり殺る。もちろん証拠も残さない。
何で殺し屋をやってるのか・・・。
それにはちゃんと理由がある。

Re: 死神の駒 ( No.5 )
日時: 2011/10/28 20:49
名前: POPO (ID: JAJsF.Xg)

私たちは、10年前からアレン様と一緒に居た。
私たちが8才の時、親に捨てられたのをアレン様が拾ってくれた。

零「そういや、来月の13日でちょうどあの時から10年経つな。」

綺羅「そうだね。
   って言うか、来月の13日って金曜日じゃなかった?」

私の記憶が正しければそうだったはずだけど・・・。

零「正解。不吉だよな〜、あの時も金曜だったし。」

綺羅「そうだったっけ?」

廃ビルの中を、そんな会話をしながら歩いた。
すると、どんどん寒くなってきて私は鞄に入れていたコートを着た。
零も寒かったのか、私と同じコートを羽織った。



  ガチャ

キーー

今にも壊れそうな重いビルの屋上のドアを開けたら、美しい星空が目に入った。
私はゆっくり屋上から下を見た。

綺羅「結構高いな・・・。」

下の道路には、車が走っている。。
だが私には、蟻が細い道を通っている様に見える。

零「おい。ターゲットが居たぞ。」

零に言われ零の見ている方向に視線を移すと、私たちの探している人物が居た。

  
  高垣 このみ(18)

アレン様が狙う人物。
高垣は明日のバレンタインデーのためのチョコを選んでいるのか、デパートのチョコレートコーナーをウロウロしていた。

何でそんな事がこんなとこから分かるのかと言えば、高垣のいるデパートはガラス張りと言う事もあるが、
この廃ビルからは、この町全体がほとんど見渡せるからだ。
だからよく私たちはここで仕事をしている。

私はあらかじめ屋上に用意してあったボルトアクション・ライフルを持って準備をする。

Re: 死神の駒 ( No.6 )
日時: 2011/10/28 21:05
名前: POPO (ID: JAJsF.Xg)

零「おいおい、早くねぇか殺るの。
  せめてチョコぐらいは買わせてあげろよ。」

綺羅「大丈夫よ、心配しなくて。まだ撃たないから。
   ほら、デパートの外でずっと待ってる男の人。
   ターゲットの彼氏じゃないの?」

零「え、何で分かったの?」

綺羅「だってさっき、あの子が電話してる時あの男も電話してたから。」

それだけで分かる私はある意味すごいのかもね。

綺羅「・・・・・何か、殺したくなくなるわね。あの二人見てると。」

零「・・・俺も。何か可哀そうだし・・・」

これはたまにあるパターンだ。
本人には言えないが、こう言う時だけアレン様は本当に悪魔だと思う。

そう言えば、私は8才の時からこうして殺人を繰り返してきた。
最初は慣れなかったけど、どんどん怖くもなくなって。
11歳くらいの時かな・・・自分の事が怖いと思った。
事件のニュースを見る度思う。「私は、何をしているんだ」と。
自分が人間でない様な気がしてならない。

この10年、アレン様にはもちろん感謝してる。
でも、私の中にある何かが、悲鳴を上げている。
何に対する悲鳴かは分からない。

いつか、私は、無くしてしまうんだろうか・・・


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