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自殺志願者に与えられた事
日時: 2011/10/23 06:20
名前: 星空 (ID: RIMOjgnX)

始めまして、クリックありがとうございます。
あまり上手く書けないですけど、多めに見てください。



〜目次〜


序章

第1章『私に生きる意味をください』>>2プロローグ
>>3 >>4
第2章

第3章


〜登場人物〜

女子

神野 紫音   (かんの しおん)

杉山 瑠華   (すぎやま るか)

文月 紗江李  (ふづき さえり)


男子

月島 蓮    (つきしま れん)

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Re: 自殺志願者に与えられた事 ( No.1 )
日時: 2011/10/16 17:56
名前: 星空 (ID: RIMOjgnX)

 序章    『ゴミ以下の存在』



 この世界に生きる意味は無い。生まれてきた意味も無い。必要とする者も居ない。簡単に言えば、存在理由が無いのだ。

 人が一人前になるのに一億円はかかるとどこかで聞いた。私がいなくなれば親も私に金をかけずに済むし、この世界の二酸化炭素も少しは減るだろう。

 酸素を取り込んで、二酸化炭素を出すだけで存在理由の無い私は、タダのゴミ。いや、ゴミはリサイクルできるけど、私は出来ない。つまり、ゴミ以下の存在。

 毎日、毎日、辛い思いをしてまで生きようとは思わない。死んだところで誰も悲しみはしない。

 それならここから落ちて死んでしまおうか。



 グッバイ。しーゆーあげいん、この世界。もう会いたくは無いけれど。

 フェンスを乗り越え、コンクリートから足を離す。強く、冷たい風が吹きぬける。大地が迫ってくる。ああ、やっぱり—————















 死ぬのは、恐いよ……。

Re: 自殺志願者に与えられた事 ( No.2 )
日時: 2011/10/22 11:34
名前: 星空 (ID: RIMOjgnX)

第1章 『私に生きる意味をください』 プロローグ


 太陽の光で暖められた床に寝転ぶ。 うろこ雲が、空全体を包んでいる。

 空全体をうろこ雲が覆っていると、地震が起こると聞いたことがある。

 まあ、そんなこと後数時間で私には、関係なくなるけれど。

 今日が、私の世界の終わり。

Re: 自殺志願者に与えられた事 ( No.3 )
日時: 2011/10/22 11:38
名前: 星空 (ID: RIMOjgnX)

第1章  『私に生きる意味をください』


 私、神野紫音が、テレビのニュースを眺めていたら、既に学校へ行くべき時間だった。

 ニュースでは、『妖怪』が人を襲う事件が多発しているそうな。全く、陰陽師は何をして遊んでるんだか。

 ああ、学校なんて行きたくない。面倒くさいや。



 教室の壊れかけてちょっと重い戸を開く。

「ゴツッ」と、何かが頭に強く当たる音が教室に響く。
「あっははは」と、生徒達の笑い声が教室に響く。
「ぱらぱら」と、紙ごみが降ってくる。

 さっき頭に強く当たったのは、ゴミ箱。

 さっき聞こえた笑い声は、もう、聞き飽きた。

 さっき振ってきた紙ごみは、日常の風景。

「また来たのぉ? そんなにあそんでほしいのねぇ?」
「あははは! 紫音、ドMだったんだー! ウケルー」なぜそうなるか。

 自分の机には、いつも通りステキなあーと(落書きとも言う)が描かれている。ついでにイスにも。

「紫音が喜ぶように、机を綺麗にしてあげたよぉ。ステキでしょう?」
「うわー。きれー。すてきー。…私なんかの机を綺麗にしちゃって。暇なんだね」

 さっさと荷物を置いて、机を綺麗にする。

 なにやら『バカ』とか『死ね』とか『学校来るな』と、芸術的に書かれてる。私が学校に来なかったら暇で暇で仕方ないくせに。

 突然、わき腹を勢いよく蹴られ、教室の床に叩きつけられる。

 ……冷たくて、無愛想な床だ。ぬくもりの「ぬ」の字も無い。

「うちが暇ぁ? 本気でそう思ってんのぉ?」

 私がいじめられ始めた原因の人、杉山瑠華が私の髪の毛を引っ張りながら問い詰める。

「私の机にアートを施すなんて、暇人のすることじゃない?」
「そんな訳でしょぉ。あんたがうちと遊びたいって言うから、遊んであげてるのぉ。大切な時間まで割いて」

 さらに強く髪を引っ張る。やめて、ハゲる。…後、遊んで欲しいなんていってない。

「じゃあ、今日は何する?」と、文月紗江李。

 クラスの男子全員は、その自体にシカト。ついでに瑠華と紗江李以外の女子も。

 最近の子供は目の前で起こるいじめを止めようとはしないらしい。係わりたくないし、何よりも自分が大切だから。

 きっと私も目の前で起こるいじめを止めようとはしなかっただろう。

「じゃあ、今日はプールに落とす遊びをしてあげるぅ」11月のプールで遊ぶなんて、危険な行為だ。

 私は逃亡を図った。足の速さだったら、おそらく陸上部級だ。ちなみに私はバレーボール部だけど。短距離は得意だ。

 10秒くらいで私の2年4組のクラスから離れ、2年7組の前の階段から2階へ上がる事ができた。



 素早くと4階へ上がり、屋上へ行った。

 屋上の床は見事な秋晴れで、太陽の光を浴び、暖かくなっていた。無愛想な教室の床とは大違い。

 このまま授業も受けずのんびりくつろぐのもいいかもしれない。

 そして、生徒が下校する時間帯に屋上から飛び降りれば——



 全てが終わりを告げるはずだ。


Re: 自殺志願者に与えられた事 ( No.4 )
日時: 2011/10/23 06:17
名前: 夜空 (ID: RIMOjgnX)


 どれくらいのときが経ったのだろう。いつの間にか寝ていたようだ。

 ケータイを開くと4時半過ぎだった。生徒の下校時刻は5時くらいだったな。

 私の世界が終わるまで、残り僅かとなった時間。さて、なにをするか。

「空が綺麗だなぁ」空の観賞。動きの小さい雲と少し筒色の変わっていく空なんて見てもつまらない。

 昔のことでも思い出すか。そう、私がいじめを受け始めたあの日のこと。

 確か、今とは比べ物名なら無いほど暑かった6月。あの日、あの時、私の世界に終わりが始まっていたんだっけ。



『紫音ー。ちょっと聞いてよぉ』

 一人が好きだった私にも友達は居た。

『なに、瑠華。早めに済ませてよ』

 そう、杉山瑠華だ。なぜ、いつ、どこで、どうして、どの様な理由で友達になったかは不明。記憶に無い。

『……紫音、つめたい。何でそんなにつめたいのぉ?』
『別に。わたしは一人で居るのが好きだから』
『酷い! そんな理由なのぉ!? もしかしてうちのこと嫌いなの!?』

 あの頃の瑠華に言えたら言いたいこと。「嫌いではないけど、しゃべり方、何とかならない?」

『そんなって。立派な理由でし『紫音はうちと友達のふりをしていただけなんだ!』

 ああ、確かにそれはあるけど。でも…いや、否定は出来ない。

『紫音の裏切り者ぉ!』

 その次の日から、いじめを受けるようになった。机に落書き、下駄箱に腐ったパン、ロッカーに妖怪の死体。など。



 妖怪は殺してしまっても誰にも怒られない。ただ、人を襲う獣なのだから。むしろ殺すべき存在なんだ。

 わたしは、そんな妖怪以下の存在だ。学校へ行く意味も無いし、生きる意味も無い。存在価値すらない生き物。

 今、部活も終了して家に急ぐあの生き物達には、生きる意味が存在するのか?

 誰かが必要とするならば、それは『生きる意味』なんだ。誰かの為に生きる、と言う。

 それにあいつらには自ら生きる気力があるのだろう。わたしには無いけど。

 生きる気力、生きる意味、生まれた意味、全てが無いわたしに存在価値など無い。

 妖怪みたいに死んだ方が社会に貢献できる。だから、わたしは命を捨てる。

「サヨナラ、世界…」

 屋上のフェンスを越えて、空を眺めた。雲が紫がかって、綺麗。

 ついでに、今から行く大地を眺めた。空とは比べ物にならないほどにぎやか。

 午後5時、わたしの世界は終わる。風は私を送り出す事を喜んでるしてるみたいに強くなった。

 風にすら嫌われてるなんて、ね。

 そっとコンクリートから両足を離した。重力の力で、わたしの身体は落ちていく。



 はずだった。



 誰かがフェンスから身体を乗り出し、わたしの腕を掴んでいた。

「………………………………………」

 腕の付根に全体重が掛かって痛い。放して欲しいのに、腕を掴んでるやつは放そうとしない。それどころか引き上げようとしている。

「……女性の腕をいきなり掴むなんて、セクシャルハラスメントって言うのよ。放しなさい」
「セクハラって、略せよ。放したら落ちるだろ、馬鹿」
「…セクハラな上に毒舌家? 人として最低、お前も死ね」

 私の体が重力に逆らって、屋上のコンクリートの床に着地した。

「人のこといえないだろ、自殺女」
「自殺志願者の邪魔はしないほうがいいわ、セクハラ・お節介男」

 フェンス越しの会話。この男、いつまで私の腕、握ってるつもりだ。

 男子にしては少し長い気のする髪型。征服を見るところ、この学校の物で、名札の色は中2のものだ。でも、こんな奴同級生に居ない。



Re: 自殺志願者に与えられた事 ( No.5 )
日時: 2011/10/23 17:47
名前: 夜空 (ID: RIMOjgnX)



「ところであなた、ここの学校の生徒じゃないでしょう?」
「お、何故わかった? さてはお前、俺のストーカー「質問な答えなさい」

 けたけたと笑いながら答える、謎のセクハラ男。

「実は俺、陰陽師なんだ」
「ははは。『実は私、人殺しなんだ』て言うくらい軽いわね」

 さっきであったばかりの友達に「覚せい剤やら無いか?」と誘ったら「むりむり。俺、警察なんだよな」といわれるくらいの衝撃。わかりにくいか。

「で、陰陽師が何でここに?」
「自殺志願者の肉体と魂を救いに…」
「ヒーローゴッコは小学生までにしなさい」

 小6、小5あたりでもアウトだけど。

「あなたがどんなに必死に止めても、私は死ぬつもりよ。じゃあ、死体の回収は頼んだわ」
「ちょい待ち。死ぬにしてもこのままだと俺が殺したみたいになるだろ」
「あら、それでいいじゃない。刑務所で喚いてな」
「あのなぁ……」

 無理やり腕を引っ張り私は、フェンスの内側へ戻された。そして後頭部と背中を強打。

「痛……」
「陰陽師って言うのは、命を捨てるやつがやる仕事なんだ。だから俺もそんな感じで陰陽師になったんだ。もし、お前が命を捨てようと思うなら、飛び降り以外の方法で命を捨てないか? 俺みたいに……」

 最期の7文字の台詞が気になるがこうして自殺志願者を陰陽師にさせて命の有効活用をしようという話だろうか。

 生きる気力、生きる意味、生まれた意味の3つが揃わなかった私だったけど今私は、必要とされている。生きる意味はあるんだ。

 一番大切なの生きる気力は無いけれど。

 


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