ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- ウィークブロークン
- 日時: 2011/10/23 09:51
- 名前: 律 (ID: 9fVRfUiI)
「あたしねえ、今度の日曜死ぬかもしれないから。」
親友の里沙は腕につけていた色ゴムをいじりながら言った。
彼女は今なんて言ったのだろう。死ぬって・・・。
「はいっ?」
「聞いてたでしょう、春。二度も言いたくない。でも本当の話。冗談なんかじゃない。」
確かに冗談にしては重すぎる。
「じゃ、病気なの?余命一週間とか。」
「これを言っても信じないだろうけど・・・あんたは鬼の存在って信じる?」
鬼・・・
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- Re: ウィークブロークン ( No.1 )
- 日時: 2011/10/24 19:34
- 名前: 律 (ID: 9fVRfUiI)
信じるとか、そういう以前に・・・
「なんで?」
「これ言ったらあんたはあたしを避けたりする?」
激しく首を振る。里沙は真顔で口を開く。
「鬼をね、斬るんだ。」
背筋がぞくっとした。またあの記憶がよみがえる。もう忘れていたはずなのに・・・。
「信じなくて良いよ。ごめんね、なんか・・・」
「信じてるよ。」
「えっ」
「鬼とかいないなんて思ったことないし。それにわたしね、」
小さい時、わたしは庭でおばあちゃんとお話をしていた。幼稚園であった出来事とか、おばあちゃんは楽しそうにしゃべるわたしを温かい目で見つめていた。
お母さんがわたしを呼ぶ。急いで台所へ駆けつけるわたし。用が終わって庭に戻るとおばあちゃんはいなかった。トイレに行ったのかもしれない。しかし数分待っていても彼女は来なかった。代わりに来たのは・・・
—鬼—
「小さいころの話だからうっすらとしか覚えていないけど・・・」
「あたしもその話、信じるよ。鬼を見たことも斬ったこともある。でもこの仕事は命令なの。」
「誰からの?」
彼女は深く息を吐く。
「これも信じてくれる?」
「うん、もちろん。」
「神から。」
「えっ」
「神託によってあたしは鬼を斬らなければいけないの。」
- Re: ウィークブロークン ( No.2 )
- 日時: 2011/10/25 19:44
- 名前: 律 (ID: 9fVRfUiI)
「えっ、神!?かみって・・・あの神?」
「ほかにどの神があるって言うの・・・。」
里沙を信じてないわけではない。でもそういうなんていうか・・・目に見えないものを信じろというのが難しい。さらりと流せるものではない。ましてや親友の言っていることなんて。
「もういいって。無理して同意は求めていないし。」
「ごめん、でもなかなか頭の整理ができなくて・・・。えっとお、つまり・・・。」
「これは簡単にできません、って投げ出せるものじゃないの。」
彼女いわく、神は直接現れたわけではない。
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