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- 息ができないよ。
- 日時: 2011/10/23 16:36
- 名前: はすみ (ID: ZZuF3m5i)
気分はどうだ?
───うまく息ができないよ。
▼
こんにちは、初めまして
はすみ、と申します。
更新速度は本当に亀ですが、
読んでいただけると嬉しいです。
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- Re: 息ができないよ。 ( No.1 )
- 日時: 2011/10/23 16:52
- 名前: クリスタル (ID: RIMOjgnX)
はじめましてー。題名に興味があってきましたー。
「息が出来ないよ」て、ずっと水中とか?
もしくは釣り上げられて、さばかれる魚の話!?
- Re: 息ができないよ。 ( No.2 )
- 日時: 2011/10/23 16:56
- 名前: はすみ (ID: ZZuF3m5i)
▼ 登場人物
水無月 祈里/みなづき いのり
桜花女子高校の一年生、演劇部。
言葉遣いが少々悪い。
佐々 真広/ささ まひろ
西高校の一年生、野球部。
理数系で、英語が大の苦手。
芳山 天音/ほうやま あまね
桜花女子高校の一年生、吹奏楽部。
怪力で運動神経抜群。
二宮 ユイ/にのみや ゆい
北高校の一年生、野球部のマネージャー。
桜井 光輝/さくらい こうき
星稜高校の一年生、バスケットボール部。
- Re: 息ができないよ。 ( No.3 )
- 日時: 2011/10/23 16:59
- 名前: はすみ (ID: ZZuF3m5i)
>>クリスタルさん
コメントありがとうございます(^O^)
水中ではなく別のものです^^
魚は出てこないですね(笑)
- Re: 息ができないよ。 ( No.4 )
- 日時: 2011/10/23 17:24
- 名前: はすみ (ID: ZZuF3m5i)
■001 二酸化炭素
「うん、やっぱり間違っていたと思うんだよね」
真新しい制服に身を包んだ高校一年生、水無月祈里は真顔で言った。
スカートなんて気にせず、どっかりとベンチに座る。
そんな彼女の目の前に座っているのは、同じ中学校の男子、佐々真広。
入学式を明後日に控えた彼は、まだ制服を着ていなかった。
「いや、でも、お前が選んだ学校なんだろ? 入学初日からそんな、」
「やっぱり女子校って神聖なお嬢様が行く学校だったんだよっ!」
祈里は身を乗り出して、真広に訴えた。
水無月祈里は、去年の秋、進路についてすごく悩んでいた。
地元の西高校に行くか、すこし通学が大変だけど自分のやりたいことが出来る桜花女子高校。
桜花女子高校は留学生などの国際交流が盛んで、将来外国で働きたい祈里にとって魅力的な学校だった。
結局、祈里は桜花女子高校に決定。
女子校、ということで「お嬢様」「いじめ」など様々なイメージを持ちながら……。
「今日の入学式! もう、なんか、まわりの人の雰囲気が、さ……!」
祈里は身振り手振りでイメージを伝えようとしている。
「でも、お前が行きたくて入学した学校だろ?」
真広が祈里の動きを止めて、聞きなおした。
彼は地元の西高校へ進学したのである。
「……うん」
「まだ始まったばかりだろ、何も分からねえだろ?」
「………うん」
祈里は静かに座りなおして、顔を上げた。
「よし、真広! ウチ頑張るよ、頑張ってやるからな!」
ビシッと人差し指を真広に向ける。
「え、お前、切り替えはやくね?!」
「ウチが行きたかった学校だもんね、絶対将来、外国で働いてやるよ!」
二人は小さな公園にいた。
もう夕方で、太陽が沈みかけている。
この公園は二人の場所だった。
でも本当は、三人。
一人は水無月祈里。
一人は佐々真広。
そしてもう一人は、桜井光輝という遠い学校へ行ってしまった人。
三人は小学生の頃から仲良しで、むかしからこの公園で遊んだり、喋ったりしていた。
「お互いのことをちゃんと分かっている」、そんな仲だった。
今までは「一緒にいることが当たり前」だと思っていた。
でも、三人の進路は別々だった。
桜井光輝は遠い学校の寮に入ることになり、夏休みや冬休みしか帰って来ない。
だから三人が揃うのは夏休みと冬休みだけ。
もう「一緒にいることが当たり前」ではなくなった。
こんなにも大事な存在だったなんて、知らなかった。
こんなに会いたい、と思ったのは初めてだった。
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