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そして僕は、恋をする。 〜哀しい恋の物語〜【完】
日時: 2011/11/13 23:57
名前: 刹那 (ID: 7cAswSvJ)

禁断の恋とは、どんな物だろうか。

親との恋。

兄妹との恋。

..................先生との恋。




届かないとわかっている。

でも、好きで、好きで、好きで...........................



中学3年生の春。

僕は先生に恋をする。



>>1 プロローグ

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Re: そして僕は、恋をする。 ( No.1 )
日時: 2011/11/05 15:51
名前: 刹那 (ID: 7cAswSvJ)

「ハイ。罰ゲームね」

一人の生徒の声が、教室に響く。

「.....マジかよ」

このクラスでは、冗談以上、イジメ以下の罰ゲームがある。


僕は、桜道の中を走り回った。




『パシリゲーム』


いつの間にか、そう言う名がついていた。

クラスで一番、テストの点が悪かったものが、クラス皆の昼ごはんを買ってくるというゲーム。


......簡単に言うと、パシリ。




3年最初の抜き打ちテスト。

僕は、6点と言う点を取ってしまった。




「新学期早々、最悪だ....................」


皆の分を買いまわっていると(勿論自腹)、頭に桜の花びらが積もる。




.......春だな。



そんな当たり前の事を、しみじみと思う。





................僕って、特別頭が悪いのかな。

Re: そして僕は、恋をする。 ( No.2 )
日時: 2011/11/06 00:01
名前: 刹那 (ID: 7cAswSvJ)

「センセー」

「何?」

「死にそう」

そう言って、僕は保健室のベットにダイブした。



「何かあったの?」


笑顔が可愛い、僕の好きな人。

保険の先生..................藤本結衣。


「また、パシリ」


そう言うと、先生は苦笑した。


「ねぇ............センセ?」


「ん〜?」


「先生にとって、僕はどんな存在?」


僕にとっては、その言葉は告白ととっても良かった。




「...............友達...........かな」


「...............正直ですね」



その言葉で、僕の心にポッカリ穴が開いた。





「私ね..............」

先生は、重い空気を察知して、口を開いた。




「結婚するんだ」

Re: そして僕は、恋をする。 ( No.3 )
日時: 2011/11/06 19:57
名前: 刹那 (ID: 7cAswSvJ)

「どうしてそれを.............僕に言うんですか?」


「あ...........ごめん」



わかってるよ。

年の差とかじゃなくて、

生徒と教師、と言う立場自体が......................






「...............駄目なんですよね」




生徒と教師。

時にはその実話が、小説や漫画を生み出す。

でも、現実は甘くない。





言いたくなくても、言わなきゃいけない言葉だってある。






「................結婚おめでとう」




........早く大人になりたいと思う。



大好きな人に、

心からおめでとうと言えるような、



大きな大人になりたいと思う。




「..............本当に..........おめでとう」

Re: そして僕は、恋をする。 〜哀しい恋の物語〜 ( No.4 )
日時: 2011/11/08 21:31
名前: 刹那 (ID: 7cAswSvJ)

時計が13時を示す。



「藤本先生、結婚するらしいよ」

授業中、隣の席の、横山雪が言った。

「.........知ってるよ」



僕が先生の事好きなの、知ってるくせに。


....嫌な奴だ。


「告白したの?」


...出来る訳無いだろ。



「先生にとって、俺は友達らしいよ」


「....それ、言われたの?」

「直接ね」


キツイなぁ....と、言わんばかりに、僕を見つめて苦笑する横山。



「ねぇねぇ」

「ん〜?」



「...........あって」


「ん?」


「だぁかぁらぁ」






「.....付き合ってください」





..........ん?







「........付き合って」

Re: そして僕は、恋をする。 〜哀しい恋の物語〜 ( No.5 )
日時: 2011/11/10 21:33
名前: 刹那 (ID: 7cAswSvJ)

「............そんな、嫌そうな顔しないでくれる?」


あ..........いや................



「............冗談だから」


「だっ...............だよな」



少しホッとする、自分がいる。


少し喜ぶ、自分がいる。



「..............応援してるよ。先生の事」


..........少し後悔する、自分がいる。


この人と付き合っていたら、悲しまずに済んだのかもしれない。



「..........ありがとう」




..............後悔なんて、存在しなければいいのに。


迷いなんて....................



無ければいいのに。




「.................ばいばい」


悲しく笑う彼女。


あの彼女を追いかけていれば..................









僕は幸せになれていたのかもしれない。



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