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- ×黒紳士×
- 日時: 2011/11/12 22:38
- 名前: ×ティアラ× (ID: vcreLc9n)
男がシャワーをひねるおとがした。
今だ・・・
私は男のかばんから
財布を抜き出した。
「2万か・・・」
アノ男、
私に5万払うといってた。
けれど、
騙しあっているのはお互い様なんだ。
私だって体を売る気はない。
私は2万をポケットにつめて
その場を後にした。
つい、一ヶ月くらい前に
私はエリカに目をつけられた。
エリカは大企業の社長で
クラスの女子に自分の自慢ばっかする。
それでも孤立しないのは
クラスに暗黙の了解があったからだ。
「エリカの言うことは絶対。」
だからみんな何も言わない。
私みたいに目をつけられても
従っていればそのまま飽きられる。
ルーレットのように、
無造作にエリカのおもちゃは次々生まれた。
そしてみんな飽きられた。
今度は私。
「遊びたいなー。でもパパにねだるとママがうっさいんだよねー。
お金貸して。」
ー従わなければどうなるかわかってるよね?
その目はそう訴えていた。
お金はこうやって
援助交際する男を騙して稼いだ。
最初はこうやって
エリカの機嫌をとっていたけど、
そろそろ限界だった。
最近はほとんどクラスの見せ物だ。
エリカがわざと私に大きい声で命令する。
自分の権力を見せ付けているのだ。
私を利用して。
そんなときだった。
ー黒紳士の噂を聞いたのは
それは帰りの電車に
乗っていたときだった。
その日もエリカに振り回されて
くたくただった。
他校の女子高生が担任の話で
盛り上がっていた。
その中の一人が突然こういった。
「うざいよねー!黒紳士に頼んじゃう??」
「なにそれ?」
「知らないのー!?最近はやってんじゃーん!!」
「先輩も言ってたような気がする。
彼氏に浮気されたから黒紳士に頼んでみるって。」
「そうそう!でも浮気くらいで動くかなー?w」
そこまでで女子高生は私の視線に気づき、
きまづそうな顔をした。
—きになる。
家に帰った私はすぐにパソコンを立ち上げた。
「黒紳士」
ワードを打つと
たくさんのページがでてきた。
:黒紳士は実在しない
:黒紳士ありがとう
:黒紳士はオンナ
:黒紳士は超かっこいい
:黒紳士ってなに?wikipedia
:黒紳士に会いました
:黒紳士信者作らないか?
どれもこれもガセっぽい。
でも気になった私はwikipediaの
ページを開いた。
「黒紳士というのは復讐屋。」
・・・復讐屋?
「男と思われているが、
実際にあった人物は
女の子だったと言っている証言者も
複数いることから同一人物の可能性は低い。
女子中高生から始まって
最近は中年代の男性にも有名。」
そこからはだらだらと
体験者の話が並んでいるだけだった。
ふと、エリカの顔が思い浮かぶ。
—復讐してほしい
wikiの最後の行にこう書いてあった。
「復讐心が強い人はこのページに飛んでください。」
URLがチカチカと赤く点滅していた。
「黒紳士があなたの復讐果たします。」
—私は無意識にソコをクリックしていた—
..。・*・。..。・続く*・。..。・*・。..
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