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入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 狂気な精神。
- 日時: 2011/11/12 18:51
- 名前: 散雲 (ID: nQ72gOzB)
とある場所には恋人が静かな町の中を歩いている。
その時突然彼女は強い目眩と精神を襲う吐き気に倒れた。
彼は何の間も無く彼女を病院まで一人で運んで行った。
彼女は重い瞼を開けると、
「大丈夫か?」
と彼に言われたが暫くは返事が返って来なかった。
然し!!。
微かな声で彼女は喘ぎだした。
聴いているだけでも彼は殺されそうになった。
そして急に彼女の口には赤い液体が溢れ出した。
彼は彼女の口を塞ざ、強く出し絞めた。
夜が来ると、彼女は気を失ったまま何もしなかった。青白き光が窓を移した。
「…今日は満月だな。」
彼は彼女を何時までも見詰めていた。
「君のこの美しき肌を切り裂きたくなる。君は本当に美しい病人だ…。」
青白い月光に照らされて行く彼女の白き肌。
細く白き首には赤い鎖が巻き付かれている。
漆黒な黒い長い手袋、袖無しのブラウス、長いジーンズ、ローファー。
彼女の服装は全て闇の色だった。
彼は彼女の首元と胸の境目の肌にそっと手を当てた。
彼女は生きている。
(トクン…トクン…)
「君の鼓動が聞こえて来る…。」
そして彼女は目が覚めた。
「あ…あぁぁぁ…此処は…ぁぁぁ…。」
「此処は病室。大丈夫だ。君は必ず帰れる。」
「私の身体が…助けて…。」
「心配するな。君を病から救い出してやる。」
彼は彼女を優しく抱きしめて少々上下に振るった。
そして彼は家へ帰って行った。彼女を残して。
彼が去ると彼女は…
「フフフ…何綺麗な夜なのだろう…!!。」
彼がいなくなると彼女は壊れ、まるで月に招かれる様に月へと近付いて行く。
「何もかもが壊れて行く、永遠に明けないこの月夜…
白き肌の様に闇に…朝は死になれ…!!。」
彼女はそう囁きながら自分の首をぐっと上げ暗黒へと向かって行った。
何時間か経つと再び彼は来た。
「安心しろ…もう夜は明ける事は無い。永遠に君の白き肌は美しい儘でいて欲しい…いつまでも暗黒に照らされて欲しいから…。君の肌はずっと暗黒に優しく守られているんだ。そして何時か君の首の鎖が取れて、美しき首が見たい…。」
「フフフ…。」
彼を、彼女を襲ったのは鬱病だった。
もう朝は来ない。
何故なら彼は彼女の美しい白き肌を照らす月光…永遠に輝いて欲しい、永遠に彼女の肌が美しく照らされて欲しいから。
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