ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- −PSYCHOTIC CITY−
- 日時: 2011/11/17 16:34
- 名前: 屑 (ID: yAL.k7HO)
俺は君に「好きだよ」と言った
僕は君に「好きだよ」と言った
君はかぶりを振った
それでも俺は毎日毎日「好きだよ」と言い続けた
それでも僕は毎日毎日「好きだよ」と言い続けた
それから一ヶ月俺は君に言った
それから一ヶ月僕は君に言った
「「これで最後だ、君が好きだよ」」
君はまたかぶりをふった
君はすぐに俺の異常に気づいた
君はすぐに僕の異常に気づいた
君は俺から逃げようとした
君は僕から逃げようとした
でももう遅い
俺は君を刺した
僕は君を捕まえた
俺は君に「食べたいぐらい愛してる」とささやいた
僕は君に「苛めたいぐらい愛してる」とささやいた
俺は君の傷口から絶えず流れる血を舐めた
僕は君の爪を全てその場で剥がした
俺は君に優しくキスをしてやり
僕は君に優しくキスをしてやり
ぐったりした君をゴロリと捨てて呟いた
「やっぱり君なんかじゃ全然俺を満足させられない」
「やっぱり君なんかじゃ全然僕を満足させられない」
俺は満足なんかしてないのに笑っていた
僕は満足なんてしてないのに笑っていた
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- Re: −PSYCHOTIC CITY− ( No.1 )
- 日時: 2011/11/17 17:14
- 名前: 屑 (ID: yAL.k7HO)
「…う…がっ…やめて…っ…
やめっ…ヒッ…あああああああああ!!!!」
少女の絶叫が響く薄暗い地下室の中
パキパキと何かを折る音
やがて少女はガックリと首を落とし
口を震わせ涎を垂らし
大粒の涙が頬をつたって
地面に落ちる
「大丈夫?もう叫ばないのかぃ?」
落ち着いた声でそう言った
綺麗な黒髪の青年は
手に持っていたペンチをガチャンと落とし
少女の表情を伺う
少女は青年と目があった瞬間
大きく体が震えだし
目も大きく見開いて
小声で助けてと何度も言っている
そんな事お構いなしの青年は
少女の手をとった
少女の手は、先程ほとんどの爪を剥がしたせいで
真っ赤な血を流しており
肌色の部分が少ない
青年は、手を離し少女をまた見つめる
少女は恐怖と貧血で顔が真っ青になっていた
「たす…ああ…たすけ…おねが…い
痛い…の…助けて…出して…
お願い…」
独り言のようにブツブツとつぶやく少女
それを不機嫌な顔で見ている青年
「なんで叫ばないの?そんなさぁ
言葉なんて聞きたくないんだよ
ほら、喚けよ
うなってみろよ
苦しい表情をもっと僕に見せてくれよ」
そしてペンチを拾い上げ
少女の残り少ない爪をまた剥がし始める
「…っ!?あああっ!!!!
あがっ…や…あああああああああっ!!!!
…………」
全て剥がし終わる頃には
もう少女の意識は飛んでいた
視点が合ってないのか
眼球が上下左右を急がしそうにグルグル回っている
青年は、真っ赤に染まった両手をうっとりとした顔で見終わると
地下室を出て5分ほどで戻ってきた
その手にはノコギリがあった
でもそれを確認する気力すらない少女は
ただ絶えず血が湧き出る自分の両手を眺めていた
青年がノコギリを少女の指に押しつけた瞬間
少女は青年が今から何をするのか全て悟った
「…ゃ…ぃ…ゃ…っ」
でもうまく喋れない
口が思うように動いてくれない
声が出ない
これから起ころうとする恐ろしい現実をただ待つ事しかできない
青年は、少女の涙でびしょびしょにぬれた頬にキスをしてやり
ノコギリを強く握って
まず人差し指をゆっくりとゆっくりと切り始めた
思いっきり切られると予想していた少女は
ジワジワとくる
爪の痛みと指の痛みに
体が異常なくらい震えた
真っ赤な手から新たな血が滲み出してきて
地面にポトリポトリと落ちる
「—っ!!—っ!!」
叫びたいのに声が出ない
手が熱い
苦しい
出して
助けて
お願い
痛い
やめて
熱い痛い熱い痛い
助けて
お願い
そう叫びたいのに声が出ない
さっきまでわずかに出ていた声も出ない
体が動かない
手の痛みしか感じない
青年はただガタガタ震えている少女を見て
呆れ顔で言い放つ
「なんだ、こうすれば君は
叫んでくれると思ったのに
残念だな
前の人は指が全て無くなるまで
叫んだよ?
まぁ次の段階に行くまでには
もう失神してたけどね」
それを聞いて少女は初めてこう思った
死にたい
殺してと願った
どうせもうこの手なら
助かったって意味なんてない
殺してよ ねぇ? 殺してよ
死なせてよ 楽にしてよ
でもそんな願いを叶えてくれるほど
青年は優しくない
- Re: −PSYCHOTIC CITY− ( No.2 )
- 日時: 2011/11/18 15:19
- 名前: 菜恵 (ID: xJkvVriN)
こんにちは、菜恵と言います。
とてもグロイ小説ですね・・・・・・。
でも、描写が細かくて情景が浮かんで来ました。
これからもがんばってください。
- Re: −PSYCHOTIC CITY− ( No.3 )
- 日時: 2011/12/06 15:48
- 名前: 屑 (ID: UxRM.rFT)
菜恵様、コメントありがとうございます
更新は、色々と忙しいので遅くなりますが
よかったら、これからも覗いてくれると嬉しいです
- Re: −PSYCHOTIC CITY− ( No.4 )
- 日時: 2011/12/07 16:58
- 名前: 屑 (ID: UxRM.rFT)
「—…—…」
ついには痛みも感じなくなった
青年は相変わらず無表情でジワジワと少女の指を切っている
少女は、ボーっとそれをただ見つめているだけだった
もう骨が見える所まで切った時
突然大きな破壊音と同時に部屋がねずみ色一色で染まった
すごい勢いの煙が少女と青年をつつみこむ
少女は、ゆっくりと頭を上げ音のしたほうを見る
煙で何も見えない
気づくと青年もいなくなっていた
「…?」
フラフラと頭を左右に動かしてみる
バラバラと何かが破壊されてる音と
足音だけ
足音からすると青年を入れて2人いると考えた
そして煙から一瞬だけ見えたものに少女は身震いする
それは血がこびりついた斧だった
かなり前の血と新しい血がついている
「…ぅ…ぁ…」
声を出してみようと試みるが
出ない、出せない
しばらく経ってから煙もだいぶ消えていき
どんどん部屋の有様が見えてきた
所々破壊されていて
滅茶苦茶に荒らされている
血も少し床に落ちていた
少女は、青年を探そうと
辺りをじっくり見てみる
青年は、部屋の隅っこでうずくまっていた
息をするのがやっとの状態のようだ
頭からは少し血が出ていた
少女と目が合うとニコッと笑ってみせ
懐からナイフを取り出した
「…!?」
次の瞬間ナイフを少女に向かって投げた
…と思ったのだが
青年が狙ったのはどうやら少女の後ろにいた相手らしい
少女の後ろで舌打ちが聞こえた
少女は後ろを向けないので誰がいるのかまったくわからない
「…あ…っぶないな
まだ元気?」
声の主が少女の横を通り過ぎた
声の主はどことなく青年に似た少年だった
手にはさっき見えた斧が握られている
「…ハッ…こんなかすり傷で
死ぬわけないだろ…?」
と青年は、言ってるが
どう見ても重傷でとてもしゃべっていい状況ではない
「でも、もう武器持ってないよな?
このナイフで終わりだろ?
俺はまだ武器があるけど」
少年は、クルクルと青年が投げたナイフを手で弄んでいる
「本当に…そうだと思うかい?
例えば君の隣…にいる女の子の体の中にさぁー
爆弾が仕掛けていたとした…らどうするかな?」
痛みを堪えながらもいやらしい笑みを浮かべる青年
チラッと少年は少女を見たが
興味ないとでも言うかのように
また青年の方に向き直る
少女は、意識が飛びそうになりながらも
懸命に2人の会話を聞いていた
よく見てみると少年の顔も
若干青ざめている
どうやら青年と同じくらい怪我をしているらしい
所々の皮膚がひどく青くなっている
「爆弾?…笑わせるな
お前の嘘なんてすぐわかるんだよ
もうちょっと考えてから言ったらどうだ?」
すると青年は、一瞬ピクッと表情を崩してから
こう言った
「ざーんねん♪
お前の負けだよ」
「あ?」
それから約2秒後
少女は跡形もなく消し飛んだ
最後に聞こえたのは
自分のおなかから聞こえる爆発音
爆弾が仕掛けられていると言ったのは
本当だったようだ
青年は、にんまり笑ってよろめきながら
地下室をあとにした
- Re: −PSYCHOTIC CITY− ( No.5 )
- 日時: 2011/12/08 16:56
- 名前: 屑 (ID: AyMnBqmb)
数日後
青年にある一通の手紙が届いた
開けてみると
中には薄い肌色の皮みたいなのと
『ごちそうさま』と書かれたカードが入っていた
それを見て青年は、にやぁと笑みを浮かべた
「ホント…君の体ってどうなってるの
ハハッ、爆弾までしかけたのにねぇ」
パタンと手紙を閉じて
部屋に戻ろうとしたとき
違和感を感じ足を止める
後ろに誰かいる
ただの通行人ではないことに気づいた青年は、
耳をすましてみた
すると一瞬だけ鎖の音がしたと同時に
勢いよくこちらに近づいてくる気配がして
くるっと振り向いた
相手は、何故か首に鎖を巻きつけていて
左手がなかった
右手にはウォーハンマーが握られている
青年が、振り向いた瞬間
相手はピタッと動きを止める
その相手とは青年が知ってる人だった
名前は、ぺド
異常な児童愛者だ
「やぁ、久しぶり
どうしたんだぃ?
そんな殺気立って」
青年に、ニコッと愛想よく笑いかけられたぺドは
ウォーハンマーをコツンと地面に突かせながら口を開く
「どうしただと?
ハッ、もう忘れたのか?
俺はまだ忘れてないぞ
あの日の事
もうすぐだったのに…
お前の…お前の兄貴がっ…」
あの日の事とは、ぺドがある少女を拉致しようとした所を
青年のお兄さんが殺してしまった事だ
「だから、何度も言ってるじゃん
俺の兄貴がやったんだから
俺関係ないって
まだわかんないの?
…あー、なるほど
兄貴にその左手やられたもんねぇ
だから怖くなっちゃったんだ」
それを聞いてぺドはカッとなって言い返す
「…っなわけないだろ!
弟のお前を殺せば
少しはあの事を後悔するだろうと思って
先にここに来たわけさ」
「つまり怖いってことなんですか、そうですか」
「…っ」
「ってゆうか、俺を殺しても
兄貴何も思わないと思うけどねー
この前も殺し合いしたばっかだし
兄弟が必ずしも仲がいいとは限らないんだよ」
「殺し合い?嘘をつくんならつくで
もうちょっとマシな嘘をついたらどうだ?」
すると青年は、ため息をついて
両手を大げさに広げて見せた
「なんで兄さんも君も
信じてくれないかな?
そんなに嘘をついてるように見える?
ってか、今更だけど俺を殺すって
そう簡単にできるとでも?」
「今までは話し合いで
終わったけど
もう決心がついたし
本気で殺しに来たから」
「ふーん…」
ぺドは、ウォーハンマーを強く握り返して
青年に構える
目は殺気立って殺す気満々らしい
だがそんな強気な体制は、
青年の一瞬の行動で崩れた
さっきまで目の前にいた青年が
いつの間にか消え
背後から青年の落ち着いた声が聞こえた
「兄貴って言っても
双子だから同じくらいの力はあるって
覚えといて」
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