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12本の手 
日時: 2012/01/20 19:32
名前: 島沢琥珀 (ID: wPOt.fn5)
参照: http://kohalu

学園祭のあの日私は1組の皆と明日の打ち上げの話で盛り上がっていた。
「琥珀ッ!! ・・  が・・ッ  が・・・」
突然私達の話に入ってきた3組の千佳があの子の名前をしきりに叫んだ。
でも私はあの子の名前を忘れてしまった。なんでだろう。あんなに悲しかったのに・・・

私は1組の学級委員だった。もう一人は佐籐充。私の幼馴染。2組の学級委員は千佳と今が反抗期の時期(ちょっと遅いかな??高2なのに)
の安西誠人。3組の学級委員は・・・あの子。死んじゃった。自殺。まさかあんな日に死ぬなんてだれも予想できなかったんじゃないかな?
あの日の事は鮮明に覚えてる。サイレンが喧しく鳴って、コンクリートに飛び散った血液。私すぐ分かった。



—飛び降りたんだ・・・
    。なんで?

クラスメイトの声がする。
え!?マジ?!   飛び降りた!?嘘・・・・
何でだよ・・・・    がなんで・・・
    ちゃん・・   ちゃんッ
お願い助かって!!

皆階段を降りて行った。
でも私は降りれなかった。怖かった。いや・・・

そう。私   ってた。

私が窓から下を見ていると、充が上機嫌でやって来た。
「琥珀♪お疲れッ!!ほらオレンジジュースって・・
あれ?どした?」
充が顔を覗き込む。
「あれ・・」
私は泣きながら言った。
「・・・・誰か降りたのか?」
私は頷いた。
「   が降りた。っ・・さっき千佳が・・おしえてくれた・・」
充はぼやいた。
「なんであいつが降りんだよ・・」


************************


私はこの志水丘高校に推薦で入った。皆より上にいる感じがした。嫌だった。お母さんは嬉しそうだった。
「琥珀は凄いのよ。将来きっと世界にはばたけるから。あ、悪いお友達とはつるんじゃだめよ。成績が悪い子なんて琥珀の地位が下がるだけなんだから。」
散々だった。中学では友達が出来ない。仲良くなってもお母さんに
「あんな子と遊んじゃだめ!!!」
と言われた。でもお母さんは充と遊ぶのだけは許してくれた。充いわく、お母さんと充のママは長い友達関係だった。しかし、充のママは充が3歳のときに交通事故で死んでしまった。だからお母さんは充には甘かった。
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「お取り込み中ですか??フフッ」
クルリと後ろを見る。
「なんだ・・・誠人かぁ・・・」
充が誠人に背を向ける。
「なんだとはなんだ!!!失礼な!!」
「うっせーな。今重要な事話してんだよ!!」
「—・・・飛び降りの事かよ・・・   が降り立って言う・・・」
「ああ」
「ったくよーー!!いいわかんねぇっ!!   に俺たちが何した!?べつにあいつトモダチいなかったわけじゃないしさ。あ この前の模試がヤバかったとか?でも   って馬鹿じゃねーよな。おい琥珀。」
琥珀は肩をピクリと動かした。
「    はうん。いつも2位だったの・・・かな」
充が口を開く
「はぁぁ。俺は琥珀の方が心配だけどね☆」
にっこり作り笑いをしながら琥珀にデコピンする。
「おお〜〜!!ラブラブゥ〜」
誠人が手でハートを作っている。
 

—トモダチ・・・




私と充はトモダチ?
誠人も千佳も3組のもう一人の学級委員、篠原君もトモダチ?
トモダチって何だろう。


***********************


起きるとなんだか妙だった制服を着たまま。そして下は布団じゃなくてコンクリート。目の前には・・・

充と誠人、千佳に篠原君。

「起きたな。島沢さん。」
「ここは?」
篠原の奥に地下階段らしきものが2つ見える。
「わかんねぇ。でも現実ではねぇってことは事実だ。」
誠人が腕を組み、はあ と息を吐く。
「???」
琥珀の顔に携帯の液晶が映る。
「4時57分?」
「ああ。実はさ、この時間死んだあいつの飛び降りた時間なんだ。」
充が言う。
「でもおかしいの。死んだあの子。昨日うちあんなに叫んだのに名前が出てこないの。」
「そんな馬鹿な・・」

死んだのは3組の・・あ、あれ?わかんない・・・
なんで?

「ここは死んだ僕のクラスの学級委員のアイツの造りだした世界だ。」
篠原が言った。
「私たちがなにをしたんだろう・・」

************************

目の前には地下に続く階段が2つあって、私達は2手に分かれ、階段を下った。

「気味悪ッ!!」
そう言ったのは誠人。
Ateamは琥珀・充・誠人の3人。
「うるせえよ」と充。
「だってさあ〜。いつになったら出口なんだよお。」
「あと少しだろ。」
「あ。あそこ」
「出口だ!!」


出るとそこは見た事もない町だった。
シャッターが下りている花屋、錆びた看板のスナック、開きっぱなしの魚屋・・・

「何だここ・・」
「誰かいないのかな?」

「すいませぇぇん」
と誠人が言う。

沈黙・・・


すると空の上から
ブゥゥゥゥゥゥンという凄まじい音が・・
「なんだ!!?」
充が空を見上げた瞬間・・
「きゃぁぁ!!」
「琥珀!!」

爆発。

ねちょっ・・・

「ぎゃあ」

なにこれ・・・
血?血?血だぁぁ


「みみ充?」



「大丈夫か?琥珀」

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Re: 12本の手  ( No.1 )
日時: 2011/12/01 15:43
名前: 島沢琥珀 (ID: wPOt.fn5)
参照: http://kohalu

こんにちは
島沢琥珀です。
1人2ほん手はありますね?
その手が6人集まると12。
しかし10本しかない・・・
そう。
自殺したあの子の手が足りない。



このお話はわたしの夢がそのままお話になっています。

どうぞごゆっくり。


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