ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 偽装失態
- 日時: 2011/12/10 17:55
- 名前: 緋紗 ◆svMdfnlanc (ID: X9/tG6Az)
小説を書くのになれていませんがよろしくお願いします〓
*あらすじ*→>>8
登場人物>>1
サブキャラ>>2
<序章>
序章1>>3 序章2>>4 序章3>>5 序章4>>6
<第一章>
*1>>7
Page:1 2
- Re: 偽装失態 ( No.5 )
- 日時: 2011/12/09 18:52
- 名前: 緋紗 ◆svMdfnlanc (ID: X9/tG6Az)
<序章3>
埼玉の連続殺人犯
『夏目 正志』は刑務所に入れられたから7年経ちようやく釈放された。
とりあえず釈放された後は金が必要だ。
また罪を犯すか?
それとも…。
考えた果てに思いついたのは女だった。
昔から自分は人と付き合うのは上手いほうだったので整形して…それで女を騙して金を搾り出す。
頭の中はそれでいっぱいになり足が自然と動いた。
整形を済ませじっくりじっくり仕事を頑張り、過去を偽り、名前も偽り、性格も偽り、全てを偽った。
偽った自分が生まれた。
偽装をした挙句、大金が手に入った。
大金が手に入ったので遊んで遊んで堕落しようかと思ったが、女を騙しこみ遊んでやろう…という粗悪な心が芽生えた。
罪を犯した人に罪を償うことは出来ない。
まさに正志はその通りの状態だった。
全てを偽った上で女と付き合い、別れ、付き合い、別れの循環。
その上に女の財布から「札」を奪いコツコツと金をためていた。
そう、金。
世の中金。
哀れで奇麗事ばっか言ってる奴は「罪人」に食い殺されろ。
正志はいつもそれをモットーにして生きていた。
心は風が吹き荒れ、水が無く乾燥をして生きてるここちのしない世界と変わっていた…。
ある日、秩父の家実家を出てアパートで1人暮らししている女に出会った。
そいつはなかなかの顔面をしていて頭の冴える女だった。
化粧品店で働いているらしいが、美人のくせに肌あれが凄かった。
・・・生活に追われている証拠だった。
やがて、恋に落ちた…ふりをした。
女選びは頭が良いかであって、金ではない。
たとえ大金のある女と付き合って金を盗むことに成功しても大金を持つ女ほど金には敏感で事件になってしまう。
なのでじっくり盗む…。
正志はそういう男だった。
- Re: 偽装失態 ( No.6 )
- 日時: 2011/12/09 21:54
- 名前: 緋紗 ◆svMdfnlanc (ID: X9/tG6Az)
<序章4>
そう、正志と夜絵は付き合い始め交際を考えた。
もちろん正志は金のことしか頭に無い。夜絵はそんな中恋に溺れ正志を溺愛する。
一方的な恋愛ごっこ、一方的な溺愛だった。
(馬鹿な奴。俺は金目のことしか頭に無いのだから。)
心の中で嘲笑いをしていた、自分は真っ黒に染め上がった人間であると確信した。
黒い部分をむき出しにしたら自分が犯罪者だとばれてしまうからだ。
偽って偽る。偽りだらけの恋愛生活が始まった。
2,3年たち、2人とも経済的に余裕が出来た。
金が入ってくると2人の金使いも粗くなって来る。
そうして意見の食い違いにより2人は別れてしまった。
だがしかし別れた後に問題が起きたのだ
ある日夜絵は急いで正志に電話をした。
電話に出た正志はいかにも寝起きで不機嫌な声の調子だった。
「なんだよ?」
「私…妊娠してるの、ねぇどうにかして!」
「しらねえよ」
乱暴に正志ははき捨てて電話を切ってしまった。
それ以来夜絵と正志は会うことは無くなった。
夜絵は心底正志を憎んだ。
よく冷静に考えると正志と一緒にいてからお金が減っている。
通帳をみればすぐわかった、騙されていたのだと…。冷たい針のような現実が一気に夜絵の胸を貫いた。
そしておなかの中に赤ちゃんがいるというのに…。
夜絵は職場の人々の助けもあり何とか無事妊娠できたが心の傷はいえなかった。
- Re: 偽装失態 ( No.7 )
- 日時: 2011/12/10 17:49
- 名前: 緋紗 ◆svMdfnlanc (ID: X9/tG6Az)
*
窓の外は純白の雪でいっぱいいっぱいだ。
すぐに皮膚が凍りそうなくらい外は冷え切っていたが部屋は暖房が機能していたので凍死だけはないだろう。
暖かい部屋の中で冷たい氷のような目をした少女がいた。
その少女は母1人だけと一緒に生活してきた子で母と同じような顔立ち、髪の毛の長さ…そして目力を持っていた。
その少女の名前は「野山 麻奈」。
適当に目の下くらいまである前髪をかき分け、腰まである長い髪の毛を束ねもせずいつもおろして生活。
洋服もワイシャツのような形をした膝上6,7センチのオフホワイトのワンピースを着て、黒いニーハイソックスを履いていた。
寒さは感じていないようにいつも無表情、人間のあたたかみが感じられないときが多かった。
その少女は自分の父親が「夏目 正志」…埼玉連続殺人犯ということを知らない。
ただ、母親、「野山 夜絵」に育てられただけで父親に興味関心は全く無かった。
§
12月14日、麻奈は学校に行く気もせずにだるそうに朝ごはんを済ませた。
母親は学校に行こうとしない麻奈に細則せずに放置している。
ふと麻奈は母親が自分に冷たい、もしくは放置状態…ということを考えた。普通の親なら最初くらいなら「学校へ行け」と言うだろう、しかし母親、夜絵はそれを言わない。
それどころか家の中でも口数が極めて少ない。
話すときと言ったら、勉強、呼びかけくらいしかない。
母は机の上にある車の鍵をとるとクローゼットの中のコートを取りながら麻奈に言った。
「麻奈、お母さんは仕事に行って来るね 多分夜の8時まで戻れないから来客が来たら必ず出るのよ 何かあったら電話してよね」
「うん」
「そういえば昨日も麻奈の友達来てなかった?」
「ああ…みのりのことか」
「みのりちゃんって言うんだ…へえ」
「……」
「何かしゃべりなさいよ…。」
そう母親は不機嫌そうに言って外へ出た。
母親は行動が早い。コートを取り出すときだっていつもどこかあわてている感じがする。
人生に急いでいるか定かではないがいつも私には不機嫌だ。
さっきの話の中で出てきた「みのり」という名前は私が唯一信用できる少女のことだ。
『月田 みのり』…学校に行かない私を心から心配してくれる温もりのある優しい心の持ち主だ。
みのりにはいつも迷惑をかけていると思っている。
学校で配布されたプリントや手紙などを毎日私のところに届けてくれる。そういう子だ。
- Re: 偽装失態 ( No.8 )
- 日時: 2011/12/10 17:54
- 名前: 緋紗 ◆svMdfnlanc (ID: X9/tG6Az)
<あらすじ>
父親が埼玉連続殺人犯、裏の闇情報に関わっていた「夏目 正志」
母親が正志に騙され心底憎むなか、妊娠して子どもを産んだ「野山 夜絵」
望まれない中生まれた少女「野山 麻奈」は父と母の過去を知り、母親に憎悪の思いをぶつけられ愚弄された。
心に深く、二度と癒えない傷を負わされた麻奈は悲しみのあまり「黒い魔力」を手に入れた。
そこで麻奈は愛情を知り友情を知るのだが、膨大な魔力と身体能力のかわりに自分の心を捨ててしまった。
麻奈は今までの学校への不満や父母への恨みが心の中に満ち溢れ世界を破滅させる…。
- Re: 偽装失態 ( No.9 )
- 日時: 2011/12/11 19:40
- 名前: 緋紗 ◆svMdfnlanc (ID: X9/tG6Az)
*
学校ほど恨むべきものはなし…と時々麻奈は考える。
苛められていたわけでは無いが先生と麻奈の関係が拗れて学校へ行くのが億劫になったのだ。
説明はしたくない。
面倒臭い、というより腹の奥底に隠した煮えたぎるような怒りが爆発してしまいそうだからだ。
その先生が移転したと聞いてから何となく学校が嫌では無くなったが今度は大嫌いでトラウマのある小学校の先生が来たので余計嫌になってしまった。
なんという偶然で運の悪いことだろうか。
麻奈は冷蔵庫の中の炭酸飲料の2リットルペットボトルを直接飲み、一口でその4分の1を飲みほした。
そして乱暴に机の上に置き腰まである長い髪を振り払った。
人を恨むことはとても簡単だが体のエネルギーをかなり消耗する。自分の精力を削っていくようなものだ。
でもそれを犠牲にしつつ人間は人を恨む。
悪循環と連鎖の世界に何を求めているんだろうか。
あほらしいではないか。
孔子は人徳を持つものは孤立しない、共鳴する人が来る…というがそんなの綺麗事、自分を飾りつけているものに過ぎないではないか!?
私にも人徳があったなら……毎日が楽しい、いわゆる『リア充』になっていただろうに。
(何故こんなに毎日がつまらないんだ? 友達がいないわけでもないのにどうして孤独が私を襲うんだ?)
わけもなく怒りの感情が芽生える自分をどうにかしたかった。
でも…私が退屈している理由を探ったら今の生活が戻ってこないような気がして触れたくなかった。
——私は、幼い頃から直感が冴える方だった。
だから探らない、もう母親は私に愛情を注ぐつもりは無いだろう。
それも悟っていた。
だから腐った気がする。
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