ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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闇から
日時: 2011/12/09 22:20
名前: ふふふ (ID: vWi0Ksv5)

なんなんだよ、さっきから。 後ろから自分が追いかけてくる。ああ、鬱陶しい。そしてなにより怖い。これってドッペルゲンガーてやつか?おれって死ぬのか?分からないことを自分に問いながらも俺は全速力で逃げている。そう、自分から。 回想/あれはつい数時間前、仕事も終わり、家に帰ろうとしていたときのことだった。 いきなりやつは現れたんだ。何も言わずにただただこちらを見据えてくる目を見て、背筋が凍った。それからはどこかも分からない道をただひたすら走り続け、今に至るという訳だ。ほんとになんなんだよ? 

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Re: 闇から ( No.1 )
日時: 2011/12/09 23:26
名前: ふふふ (ID: vWi0Ksv5)

第1夜  はあ、はあ、はあ、ヤット巻けた。もう1人の俺を視界から消し、ほっと1行きつく。さて、状況セーリ。今家に帰ったら<1戸建ての3LDKだぜ>アウトだろうな。 ホテルはどうだろうか?などと考えていると、後ろから首根っこをつかまれた。 やべえ、油断した。『おい、お前、こんなところで何やっている?』 形はクエスチョンマークだが、いわなきゃ滅多メタにしてやる、という感情のこもった声。この声は! 榊だった。同期で入社し、ともに現役の下働きである良い友だ。 様々な声色を使い分けるが俺は全て聞き分けれる。この前こいつくびをひねっていたな。 『もう1度いうわ、あなたなにをしてるの?』 きもっ、という感想を飲み込み助けを求めた。 実は自分に追われてて***、という訳の分からない文頭にもうなずきながら聞いてくれた。こいつは良いやつだ、改めて思った。そしてさらに、今夜留めてくれるといってくれた。

Re: 闇から ( No.2 )
日時: 2011/12/10 17:27
名前: ふふふ (ID: vWi0Ksv5)

ちゅんちゅんちゅん。 雀の鳴き声が響く朝。ここは榊の家。やつは今晩も留めてくれるといってくれたが、迷惑がかかるので辞退した。 さて、これからどうしよう?1戸建ての家からいきなりホームレスか、現実は厳しいぜ。 昨晩、家に電話してみたが、なぜかかからなかった。 警察にいおうとも考えたが、馬鹿にされるだけだろう、とあきらめた。 いったいどうすりゃ良いんだ? 空に叫んでみたが、当然答えは帰ってこない。 闇が心を浸食していく。処刑前の罪人のような感覚だろうか? 早く逃げ出したい、抜け出したいと考えるほどはまっていく底なしヌマが、俺の足下に広がっているようだ。 ふと考えてみる。 これは現実なのか? おれは嫌な夢にうなされながら、温かいベッドで眠っているんじゃないのか? 無意味な思想だ。 だが人間とは、いつでも逃げたくなる。 嫌な現実から、こわい夢から、死の恐怖から。人間とはそういう者なんだ。

Re: 闇から ( No.3 )
日時: 2011/12/11 11:05
名前: ふふふ (ID: vWi0Ksv5)

今日1日歩いて、気づいたことがある。 影<奴をそう呼ぶことにした>は、昼間は襲ってこない、ということだ。 家無し、金無しとなった俺にとってはあまり関係ないことだが。 今は食料を探している。 勇気を出して家に帰ろう、とも試みたが、なぜか見つからない。 電話も通じないしどうなってるんだ?まったく。 と愚痴っていても始まらない。 幸い目の前にスーパーがある。 レッツゴー、試食の旅へ。 はあ、食った食った。 スーパーの試食を片っ端から食いつくしまた道をさまよう。ただいま午後4時。 早く今日のねぐらを探さないとやべーぞ。 公園は昨日使ったし、駐車場はいたいし寒い。 よし、今日は野宿をしよう。枯れ葉を集めりゃ少しはあったかいだろう。 そうこうしているうち、いつの間にか8時に。 今日も無事にすみますよーに。とお願いした直後、     やつがあらわれた。 逃げろ。 俺だってこの数日、遊び回っていた訳じゃない。 陰へのたいさくを必死になって考えたさ。その結果出来たのがこの武器、ただのライトだ。 光を当てれば影は消えるんじゃないのか、と考えたのさ。 発射、***。 効果無し。 なぜかこちらがダメージを食らっているようにさえ思える。 ええい、やめだ、逃走。 『まってよ』 影はいった。 驚くほど高くきれいな声だったが、今はかまっている場合じゃない。 待てといわれて自ら死ににいくほど、俺は馬鹿じゃねーよ。 今夜は眠れなさそーだ。


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