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- 命の鍵-Ⅰ-
- 日時: 2011/12/10 11:29
- 名前: てとら (ID: SCMOcoS4)
始めに
*この小説にはほんの一部R-15混ざってるような感じなんですが、
多分心臓弱くても大丈夫です。*
さて、本題です。
あなたは、死んだ後、何処に行くと思います?
あの世?それとも灰になる?
どちらとも正解です。きっと。
あなたが思っているあの世に行く。
それは必然なのですから。
さて、今から話すのはある少女の物語。
死んでからも生きた、少女の物語・・・。
プロローグ
嫌だった。
人を見下して、人に媚を売ることが。
大人になると、自分が自分じゃなくなる。
怖い。
何十人の視線が、自分に突き刺さる中、
今、私は、
電車が迫る線路の真ん中に立っている。
激しい衝突音が響く。
やだ、怖い。死にたくない。
そう思う頃には自分は宙を舞っていた。
空がよく見えるなぁ。
我ながら、死ぬ寸前にこんな事考えるなんて
馬鹿だと思ったけど、
今だからこそ考えられるんだ。
人々の叫び、眼差しが私を包む。
嗚呼、さよなら。
掴んでいた鍵が手から離れた。
鍵を持って死ぬ、なんておかしいけれど、
これは立派な行為。
お母さんが死んだあの日。
鍵を持って死んでいたお母さん。
私が学校から帰ってきたら、静かに死んでいた。
私は泣いた。お父さんは唇をかみ締めていた。
お母さんだけは笑ってた。
傍らの遺書には、
「この鍵でいつか帰ってきます」と一言書いてあった。
あ、これが走馬灯?
周りの動きがゆっくりに見える。
目の前が暗く、暗くなってきた。
まって、まっ・・・て・・・
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- Re: 命の鍵-Ⅰ- ( No.1 )
- 日時: 2011/12/10 11:28
- 名前: てとら (ID: SCMOcoS4)
一話
「・・・様、起きてください。」
そんな声で目を覚ます。
「あ・・・れ・・・」
上半身だけ起き上がると、白いズボンとYシャツを着た男の子
が私の隣にいた。
「やっと起きましたか。」
その子は言った。
凛とした声。雪のような淡い白の髪。
この子、どこかで見たような・・・
ここは、どこだろう。
周りはただただ暗い。
私が寝ていた場所だけスポットライトが付いていた。
「あなたの名前は、聖音美亜。15才。
都宝市の電車に引かれ自殺。」
男の子は隣で正座しながら一言そうつぶやいた。
「すいません、君?
私、死んだってことですか・・・?」
男の子は私の眼を見つめる。
「はい。あなたは死にました。
ですが、少し手違いが起こり、ここに居ます。」
男の子は手短に言うと、立ち上がる。
私も一緒に立ち上がる。
「じゃあ、ここって何処なの・・・?」
男の子はまた私を見つめる。
オッドアイの瞳。青と白。
すると、急に男の子は私に突進してきた。
「ええッ」
最初は、抱かれたのかと思った。
だけど本当は違かった。
私の腹部に刃物が刺さっていた。
男の子はゆっくり刃物をぬく。
ゆるやかに血が下っていく・・・
と、思いきや傷口は見当たらない。
「あなたはもう死にました。
痛くないし、傷も出来ない。」
男の子は一言つぶやいた。
「ですが、まだあなた死んでない。
ここは不思議の国。地獄ではありません。」
「不思議の国・・・なんで私は不思議の国に居るの?」
「その前に・・・」
男の子は私に刺した刃物を弄ぶ。
「僕はオルネ。不思議の国に住む番人のような者・・・。」
男の子-オルネは言った。
「あなたは今から、七つの物語にチャレンジしてもらいます。」
「物語・・・」
オルネは少し笑う。
「物語。それは人生。神の定めた物語。
それを小説や本にたとえると、小説家です。
それを読んでいる者には、その物語の終末を定める資格は無いのです。」
なんだか難しいことを言うオルネに、私は尋ねる。
「それが終わったらどうなるの?」
「死ぬか、ここをさまよい続けます。」
恐ろしいなオイ。
「では、最初の物語を試してもらいますね・・・」
オルネは唐突にもそういうと、私に向けて何か言い出した。
すると、私は闇に堕ちた。
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