ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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この世界が俺に合わねぇ 
日時: 2011/12/25 03:57
名前: アルファ・レイ・ルシヴァム・リツァー (ID: KBFVK1Mo)

 「もういいんです、俺死にますから」
 どうでもよくなった。社会も世界も自分も。
 15歳の冬、俺は内心点10で明るい未来なんて無いと、教員に言われ続けた、父と教員は俺にあらゆる手で勉強しろと言ってきた、俺の人生に必要以上に関わってきた、だから俺は利き手だった右手を使えなくした、あわてて病院へ引っ張る父の顔は笑いものだった。痛いとは思わなかった。
 「世話になりましたね、感謝してますよ」
 三者面談というやつだった、教室を出る俺を父が追ってきたのはそれから2分もたってからだった、屋上のカギは何日か前に壊しておいたから自殺予定地には父に捕まるより早く着いた。
 「フっははっ」
 笑えてきたのは、屋上の隅に立ったときだった、俺は馬鹿か?未来がないって?、ふざけんなよ、『この』世界が俺にあってねぇんだ
 「やぁーめた」
 たぶん今、めっちゃ気味悪く笑ってんな俺。
 「俺じゃなくて、アンタら死ねよ」
 内ポケットから簡易なナイフを出す、もちろん左手でブレが酷いがもうそれすらよくなった。最悪道連れにしてやるよ。

 そうして俺は、担任の教員と父親に凶器を向けた


続く

書き間違いです
ここからいきなり序章です。
どうもすみません。

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Re: この世界が俺に合わねぇ -第1章 隻手の破壊者- ( No.7 )
日時: 2011/12/25 23:03
名前: アルファ・レイ・ルシヴァム・リツァー (ID: KBFVK1Mo)

気が付けば雪に倒れていた、全身の痛みは冷たさと左肩あたりにあたった鉛弾だった。
 「おしまいってかよ」
 警官の一人が近づいて来るのが見えた。両手は動かない、立ち上がることもできず、もう反抗できない、目の前のことにも、『この』世界にも。
 「ケーカンサンよぉ、死刑かねぇ」
 近づく警官は何も言わず俺を無理に立たせようと、腕を引く、肩に激痛を感じた、動かなくなったのに痛覚は残っていてそれが俺の腕だと知った。
 そして、警官が俺を起こそうとしたときだった。俺はそれを見た。
 右手に銃を握っていた。
 感覚なんてなかった。いや、感覚なんて忘れていた。それでもその右手は俺の右腕に間違いなかった。感覚じゃない、本能。
 「悪いね」
 轟音、痛みはない。気づけば体が自由に動く。
 理由なんて考えなかった。
 「これが、俺の生きる世界ってことなんだよっ」
 人は死ぬ。俺が殺す。ただそれだけ。

Re: この世界が俺に合わねぇ -第1章 隻手の破壊者- ( No.8 )
日時: 2011/12/29 01:10
名前: アルファ・レイ・ルシヴァム・リツァー (ID: 4sfCdz72)

 右手も左手も動く。手元には銃がある。目の前に人間がいる。
 「死ね」
 冷酷な一言と轟音は同時。
・・・そして、声が聞こえた。
 『何故。そんな人間の物を使う?』
 俺だけに聞こえるぐらい近くから、それでも誰もいない。
 『お前の右手にそんな物はあわないだろう?』
 意味不明。それでも、意味は深い。
 『お前の右手はお前の殺意だ』
 そしてその瞬間、右手に持っていた銃が砕けた。
 「破壊と殺戮の魔手。」
 知らないはずなのに俺は確かにそういった。

 そしてまた声。
 『そうだ、その右手こそ破壊者の隻手だ。素で触れた全てを破壊する。さぁ、人間。存分に楽しませてくれよ。』

Re: この世界が俺に合わねぇ-第2章破壊された俺の世界-  ( No.9 )
日時: 2011/12/29 03:54
名前: アルファ・レイ・ルシヴァム・リツァー (ID: 4sfCdz72)

 それは悪魔、それは魔神、それは、死神。
 「破壊者の隻手。ッフ、ははっ、最高だなぁ。」
 この力が何かなんてどうでもいい。ただ、完璧な破壊を与えられた。
 触れただけで確実に殺す。それだけにとどまることはなかった。
 見てしまえば失明、やがて、近づくだけで殺す。
 「あ、ああ、」
 気づいたときには遅い。
 「これが、俺の世界か。」
 無。
 無。
 無。
 無。
 
 そこにはなにもなかった。
 いいや、少なくとも、俺には何もない。
 俺がいるはずの空間が破壊された。・・・・
 暗い?・・・・違う、ここには色はない
 音も、臭いも、味も、感覚も。
 すべてが『無』になった。

 「これが、俺の望んだ世界か」

Re: この世界が俺に合わねぇ-第2章破壊された俺の世界- ( No.10 )
日時: 2011/12/29 22:11
名前: アルファ・レイ・ルシヴァム・リツァー (ID: 4sfCdz72)

 「俺はこんなものを望んだのか?」
 気づけば、始めから知らなかった。自分が求めるもの。
 『そうだ、それがお前の望みだ。世界は変わっただろう?』
 声が聞こえた。
 声は言う、世界は変わったと
 『その世界はお前の望みはなんだって叶う。それはお前の世界だ。』
 声は言う、これが俺の世界だと
 「はっ、はは」
 笑うしかない。・・・それでも・・・
 「・・・、・・・」
 瞬間、音は破壊された。
 何かないかと手を伸ばす、もちろん左手を、何かに触れられる左手を伸ばす
 しかし、何もなく。・・・痛みを感じた、左手が破壊される。
 だが、鉄の臭いはしない。嗅覚は破壊された。

 そこで、ようやく、終わりが来た・・・・・

Re: この世界が俺に合わねぇ -第2章破壊された俺の世界- ( No.11 )
日時: 2011/12/29 22:19
名前: アルファ・レイ・ルシヴァム・リツァー (ID: 4sfCdz72)

 「・・っ・・・。」
 空気が破壊された、酸素が破壊された。
 人の生きていられる空間は破壊された。
 「・、、、。・・、。・・」
 なにもかも、何も残さず、消えてゆく。
 「・・・・・」
 


 『わかったか?人間、破壊者が望むものは全ての破壊、それは己をも含むものなのだよ。』



 破壊されたはずの音が、聞こえたような気がした。・・・・・ 


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