ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 失恋、私は独り
- 日時: 2011/12/14 22:36
- 名前: 咲羅 (ID: a8bifGsH)
—私には、好きな人が居た。
◎登場人物
未兎華音
金森鈴 (かなもりりん)
廻野琴音
斎藤徹 (さいとうとおる)
Page:1
- 友達だって、好きな人だって居たの。 ( No.1 )
- 日時: 2011/12/18 17:17
- 名前: 咲羅 (ID: a8bifGsH)
—あの時私はとても幸せだった。
「あはははっ、ちょ。なにそれ!」
「それがさあ、その男子? すっげー釣り目で—、」
授業の時も休み時間も、笑い声は教室中に響いて。
「未兎さん。未兎さん。」
「なんですか?」
先生にも気に入られていた。
「おいみんと!」
み と (かの) ん
"と"と"ん"を入れ替えるとみんと。
「なにー?? いさるっ」
もう説明めんどいから適当に並び変えてみて。
「あんさぁ〜っ」
—好きな人もいたし。
全部うまく言ってたのに。
たった一人、たったひとつの出来事で全てがひっくり返った。
「金森凛です!よろしくお願いします!!」
それは転校生だった。
- 過去と現在 ( No.2 )
- 日時: 2011/12/18 17:50
- 名前: 咲羅 (ID: a8bifGsH)
前に戻りたい。
何度そう思ったことか。何度そう思い涙を流したことだろう。
だが願いは叶わない。
あれは何カ月前になるだろう??
【
あっという間に転校生鈴は人気者になった。
かなも"りりん" なのでりりんというあだ名をつけられたり。
「りんちゃん髪さらさらっ!!」
「だよねぇ〜っ、りりん美人さんだし! 告白されたことない?」
「へっ………、そ、それはあ……っ」
「きゃぁああっ! 顔赤くなってる! か わ い い」
「このライトブラウンの髪いいなあ〜っ」
「瞳碧い〜!!」
「というか声もまじ綺麗じゃない!? いいなあ!! 羨ましい!」
「ねえ〜」
わいわいがやがやと、女子たちに机を囲まれて。
彼女・鈴は嬉しそうな顔をして、皆と楽しくおしゃべりしてた。
「見た目完璧すぎ! あ。りんって呼んでいい?」
「いいよ〜」
「やったあっ、ねえねえりんって、運動得意?」
「うん。走るのは得意だけど……体弱くて最近鈍っちゃった。」
「きゃあ〜っ、か弱いお姫様っ?」
「勉強は勉強は?」
「記憶力は自信あるけど、国語の文章題とか、理科の実験とか苦手……。それに、歌とか音痴だし。料理とか駄目ダメだし…運悪いし……。」
「「「可愛い〜〜〜っ!!」」」
ちはほやされて。
正直言うと妬ましかった。
それから数週間経ってもずっとずっとずっと彼女は皆の人気者で、転校生ではほぼなくなって、—私の友達は少なくなった。
「ねえねえ優子。今日一緒に遊ばない? 」
「ごめんっ、今日用事あるんだ〜」
そんなこと言って、優子は鈴と遊んだ。
「一緒に音楽室行こうよ〜」
「え?…う、うん。」
かろうじて誘って断れなくても、女子はずっと鈴の方を見てうずうずしていた。そして音楽室についた瞬間鈴のところへ走っていった。
「……っっ」
ぎり、と私は歯ぎしりした。
むかつくむかつくむかつく!!!
あんなののどこがいいの!? あたしのほうがアイツより背が高くてすらっとしているし運動とか得意だし明るいしあんなのよりウジウジした感じじゃなくててきぱきとか!元気な感じで……。
「ねえねえ、聞いた聞いた? 斎藤、姫に告ったらしいよ。」
「え〜っ、まじで? りりん姫とかまじ天使(`・ω・´)」
「んで? どうなったの?」
「そんでね〜顔あからめて逃げちゃったって! 姫可愛ぇ〜」
「答えどうするんだろね? とおっくんイケメンだよ?」
「さあ? 王子様っぽいしお似合いじゃない?」
—遂に好きな人までとられてしまったのだ。
「うわああああああ!! 」
「きゃ…。」
気づいたら私は、放課後叫んでいた。
するとちょうど忘れ物を取りに来た鈴がおびえて影に隠れた。
「あっれー? お姫様がいる……。ねえあんたに話があるの…あんたさ、調子乗ってない? ねえ—こっちに来なさいよこのぶりっこ!!!」
私は思い切り鈴に向かって椅子を投げた。
「きゃぁあっ!!」
椅子は彼女の腹部に当たって、彼女は尻もちをつく。
「……あんたのせいであたしの人生狂ったの。ねえ、どうしてくれんの?」
「っ………」
ばしっ、と顔を叩いたら彼女は声も出さずに気絶した。
その日、私は親にこっぴどく叱られ、ぶたれた。
鈴の親は穏便に済ませたらしく、鈴もあざで済んだようだった。
うちの親と私は、鈴と鈴の親のところへ頭を下げに行った。
—事件があった翌々日の朝。
「大丈夫姫?」
「未兎とかまじうぜー。しねよ」
「サイテー」
「私、死ぬかとおもちゃった……。あの子、椅子を何度も振り下ろしてくるの、何度も何度も……その後首まで締めて…苦しかった…!!」
待ってよ…私首も締めてないし、椅子も振り下ろしてなんかない…。
「その後私の顔を殴ってきたの、5、6回くらい、それで私気絶しちゃって、ほら、これ—」
彼女は頬っぺたを見せた。
「うわあ…青。」
「せっかく真っ白で綺麗な肌なのに—未兎許せないね。」
「そうそう、姫が可愛いからってさ、ねたみ?」
「みんなでいじめよー!」
「賛成」
「あたしも賛成ー!」
「はーい!」 】
—嘘だと信じたかった。
- 自業自得なのかな? 虐め、 ( No.3 )
- 日時: 2011/12/18 20:56
- 名前: 咲羅 (ID: a8bifGsH)
「きゃははははは!!」
「この不細工! ぶーすぶーす。見てると不愉快になるからどっかいってくんなああーい?? 」
「あははっ、そーそ。前さァ、超調子乗ってなかった? どーせあんとき皆の人気者だと思ってたんでしょ? あたしいっておくけどーしょっぱなからアンタのこと大っ嫌いだったんだから!!」
「あたしもあたしもーっ! ばーかばーかっ、名に驚いた顔しちゃってんの? うけるんですけどぉ〜」
ばしゃあっ、
バケツの水を私にぶっかけてくる女子。
「ぅえぇ〜、それって金曜日から置きっぱの雑巾汁ぅ〜っ、きも、…なんか臭ってきたしっおぇ。」
「ああ〜っ、なんか智雑巾汁残しといてとか金曜日いってたねー」
「そうそう、このために頼んどいたの! 思いのほかいっぱいあったあ〜」
「あ。でもさあー未兎に悪いからみんなで未兎掃除しない? 」
「? ……あ。いいよ〜っ」
「おっけーおっけー。」
何か嫌な予感がして、私は立ちあがって方向転換する。一歩踏み出したところで—。
ガンッ、
「きゃぁっ」
モップが頭に思い切りあたる。
「ぃったあ……ッ」
頭を抱えて私はうずくまる。
「こいつ髪の毛長くね?」
「なんか似合わないね」
「うん。じゃあ"掃除"として切ろっかあ。」
「そうだね、ほうきの毛先をきりましょー」
「はさみある?」
「ん、あるあるー。」
私はがんがん痛む頭を右手で押さえながら足をばたばたさせる。
「さとこー。両足持って。」
「おっけー」
「優はまあ体おさえといてー。」
「いいけど後でやらせてよ?」
「わかってるってw」
じゃき……。
髪を切る音がする。
「えぇ〜毛先だけ切るの?根元だけきっちゃおーよ!」
「ちょ。」
じゃき……じゃき……。
「ゃ、ゃめ…ッ!」
首を必死に振る。
「動くなよ。」
がし。と首を押さえつけられる。
がぶ。と私は女子の腕を噛む。
「ぃたあぁっ!!」
「優どうしたの!?」
「こいつ……っ、」
ぎゅぅぅ……、首を締め付けられる。
「ちょっ、やめなよ……死んだらどうすんの。」
「………」
女子は黙って手を離す。
「—ちょっと、鋏貸して。」
「ん」
「押さえててよね。」
がし。女子二人が私の腕をそれぞれ押さえつける。
ばたばたばたっ……私は足をばたつかせる。
女子は鋏を手に持って私の手首に傷をいれる。
「ぃやぁぁぁああああああ!!!」
ぎっ
「きゃぁっぁあああぁぁああぁあ!!」
深く切り込まれる傷。
たくさんの血。
「あんたは自分のやったことが許せなくなってリスカした……!! そういうことにしなさいよね…わかった?」
「………」
涙目でにらむ私。
「返事をしなさいよ!!!」
「っ、」
私は意地を張って返事をしない。
「このッ……!!」
ぎっ、……
「ぃやぁぁぁあああ!!」
足まで鋏で切りつけられる。
「はやくっ、返事は……ねえ?」
ぎりっ、
「ぅわあああああ!!」
「返事を言わないと今度は……」
カッターを出す女子。
「わ、わかった…」
Page:1
この掲示板は過去ログ化されています。