ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 追憶のエリオル
- 日時: 2011/12/27 10:02
- 名前: 藍月 (ID: YrQV5zvB)
藍月はあいかと読みます。
前にも小説は書いていたのですが、途中で挫折したり、飽きたりしてなかなか書き上げることはできませんでした。
・・・でも、頑張ります!
第一作目「追憶のエリオル」完結目指して!!
☆character
八代 疾風〈14〉 俺。
杉原 弥生
駿河 充〈15〉 調理部の先輩。
駿河 梨江〈11〉 先輩の妹。
駿河 智香子〈42〉 先輩の母。
滝之 静佳〈76〉 先輩の祖母。
牧本 恵〈27〉 顧問。通称メグせん。
レスティ
☆guest様
現在お1人様ですよ! (*^-^)
・赤信号様 『選択。』 >>3
☆menu
プロローグ >>1
1.調理部騒動 >>2
2.婆さん騒動 >>5
3.お仕事騒動 >>6
Page:1 2
- Re: 追憶のエリオル ( No.2 )
- 日時: 2011/12/22 17:12
- 名前: 藍月♯0531 (ID: YrQV5zvB)
1.調理部騒動
「おい、シップウ。どうしたんだ?」
駿河先輩の声が上から聞こえる。
「・・・ほっといてください。それに、俺の名前はシップウじゃないです」
「大事な後輩が落ち込んでいるんだ。ほっとけるわけ、ないだろ」
顔を伏せている俺のほほを突く。ヤメテクダサイ。
「やめてくださ・・・・・・はっ」
よく見ると口元に生クリームが。
「一つ、聞いても良いですか」
「なんだ?」
「今日、調理室にはいりましたか」
「ああ。そうだけど」
「冷蔵庫を開けましたか」
「うん」
「中に入ってたスーパースペシャルエクセレントベリーナイスショートケーキを食べましたか」
「えっとそんな名前だったかは知らんけどショートケーキなら食べた」
「こるぁぁあああああ!!」
「ひぇええぃ!」
5分後、俺達の前に現れた顧問のメグせん(牧本先生)により、攻撃は中断された。
「駿河くんが悪いと思うけど、ケンカはよくありません。分かりましたね」
「俺は一方的に叩かれてただけなんだけどな」
「駿河くん?分かりましたよね?」
「は〜い」
駿河先輩は不満そうな顔で返事した。
「あら?とかなんとか言ってたらもう下校時刻じゃない」
「シップウ、今からちょっと空いてるか?」
「え、まあ空いてますけど」
「おお!じゃあ決定だな!!」
「ちょっと待ってくださいよ〜」
俺は駿河先輩に無理矢理ラーメン屋へと連れてこられた。
「はあ、なんですか。それは」
「見れば分かるだろ、沖縄旅行のチラシだよ」
「で、なんで俺に」
「俺さあ、この年だからそろそろ旅の一つでも、と思ってな。しかし一人も寂しい。お前も連れてってやる」
怪しい。かなり怪しい。こういう時には必ず裏があるってもんだ。
「旅行代金は?」
「・・・・・・もちろん自費でお願いする」
「じゃあ行きません」
「お、お願いだ、来てくれぇ〜」
「なんでですか」
「実は、沖縄にいる婆ちゃんの所に奉公に出されちまってよ」
「奉公?」
「『来月の冬休み、家でなまけてるくらいならお婆ちゃんの手伝いでもしてきなさい』って母さんが」
「別にいいじゃないですか。沖縄にいけるんですよ?」
「その婆ちゃんってのが超こええんだよ。だから俺は一人で行くのが嫌なんだ」
「わがままな。自業自得のくせに」
「なんかいったか」
「いーえ」
なんと俺は冬休み始まって一日目、成田空港に立っていた。
あの迷惑な先輩の頼みに屈して。
「おう、やっと来たか。待ってたんだぞ」
「その言い種はないでしょう。渋々来たんですよ?」
「しー!黙れだまれ。こいつも居るんだぞ」
横にはまるで人形のようにちょこんと腰掛けている先輩の妹がいた。
そういえば、先月退院したばかりの妹に頼りがいのあるところを見せたいとかいっていたな。
「おはようございます、八代さん」
「は、はあ・・・・・・」
先輩の襟をつかんで小声で言った。
「なんで妹さんがいるんですか・・・!!(怒)」
「い、いや、せがまれてな」
「俺いらないじゃないすか!」
「ま、まあ、妹は体力もないし、手伝えないだろ?そういうことで・・・」
「手伝う?まさか俺をこきつかうつもりだったんじゃ」
「ひぇっ!すまんすまん。だから今は、な、落ち着いてくれ」
裏がありすぎんだろ、この先輩。
「お兄ちゃん、八代さん、喧嘩しないでください・・・今から楽しい旅行じゃないですか」
「大丈夫、これは男の挨拶だ。ワハハ」
「・・・・・・(死ね)」
>>5
- Re: 追憶のエリオル ( No.3 )
- 日時: 2011/12/22 10:34
- 名前: 赤信号 (ID: nxCracO9)
小説の方にコメント有難うございました!
話も面白くてもっと続きが読みたい、と思いました・・・!!
自分も飽き性なので続く可能性が低いですが(笑)
これからも頑張ってください!応援してます!!
- Re: 追憶のエリオル ( No.4 )
- 日時: 2011/12/22 17:00
- 名前: 藍月 ◆e67wD8MYCo (ID: YrQV5zvB)
有り難うございます!
そんな、全然上手くないですよ(*・・*)
そうですよね、ホント、自分も続けられるのか不安です・・・
私も赤信号さんの小説とても楽しみにしてますよ!
- Re: 追憶のエリオル ( No.5 )
- 日時: 2011/12/22 17:25
- 名前: 藍月 ◆e67wD8MYCo (ID: YrQV5zvB)
2.婆さん騒動
「皆様、まもなく離陸いたします。座席ベルトを今一度お確かめください」
アナウンスの後しばらくすると機体が動き出したのが分かった。
「私、飛行機乗るのはじめて!」
「ばあーか。お前が1歳んときに乗っただろ」
「ふーん、そんなの覚えてるわけないでしょ。だからはじめてと一緒だもん。ねっ!八代さん」
「えっ・・・ごめん聞いてなかった」
「大丈夫ですか・・・?」
なんだかぼーっとしてた。俺、飛行機乗るのはじめてだから。
「ええっ、そうなんですか!?」
「まじかよ!?」
・・・聞こえてたらしい。
「じゃあ、私と一緒ですね。えへっ!」
やべっ、この子可愛いかも・・・・・・。
「なにボーッとしてんだよ」
はっ、いかんいかん。
「昨日寝不足で・・・」
「これ食べたら目が覚めますよ」
「ありがとう」
パクッ・・・・・・ゲッ。こ、これ、
「辛ぇえええええエエエエぇ!!!!」
「おい。着いたぞ」
「ムニャ・・・・・・へ?」
「沖縄だよ。お・き・な・わ」
「へ?・・・へ?・・・へ?」
「お前、梨江のクッキー食べたら、気絶しちまったんだよ」
う、嘘だろ?あんなに辛いクッキーがこの世に存在するはずがない。
「グスッ・・・・・・ごめんなさい・・・ウグッ」
「まったく、お前も肝っ玉の小さい男だな。あんぐらい、何てことないのに」
「な、泣かないで。俺が悪いんです」
俺のどこが悪いんだよ。可愛い顔してやることは恐ろしいな。
飛行機から降りた俺たちは海沿いを歩いていた。
「先輩、いつもあんなの食べさせられてたんですか」
「まあ、あいつの作るのはいつも辛いからな」
い、いつも?いつか殺されるんじゃないのか?
「梨江ー、そろそろ行かねえとバスに遅れっぞ」
「はあーい」
砂浜で星の砂を集めてた彼女に声をかけると、先輩はいそいそとマップらしきものを鞄から出した。
「えー、ごほん。では、これからここに向かいます。それにはこーやって・・・」
夕暮れ時、俺たちは先輩曰く「超こええ」婆さんの家に着いた。
「あれ、インターホンなかったっけか」
「そんなもんはいらん!」
後ろから怒鳴り声が。
「ば、婆ちゃん!?」
こ、こいつがかよ・・・。確かに怖そうだな。
「こんにちは。お婆ちゃん」
「おお、梨江ちゃんかい。いらっしゃい。充、智香子から聞いてるよ。今日からしっかり働いてもらうからね!で、そこのお前さんは・・・・・・?」
「八代疾風です。駿河先輩とは同じ部活で」
「お前もかい!調理部などやりおって。女をなめるなあっ!」
「ひええっ!」
婆さんは竹ぼうきを俺ら二人にむかって振り回した。
「ぜえ、ぜえ、年かいねぇ。すぐに疲れるようになってしまったわい。自己紹介がまだだったね。私は滝之静佳だよ。さっさとお入り」
やっと入れる・・・こりゃあ俺も疲れるわ・・・。
「すぐに休めるとは思わんように。あんたらにはまず、庭の雑草抜きでもやってもらうかね」
「え、すぐですか?」
「すぐに決まってるじゃないか」
「がんばってね。お兄ちゃんたち」
「お前、少しは手伝おうという気持ちは無いのか?」
「なにをいうか。梨江ちゃんは先月退院したばかり。無理を言うでないよ」
俺たちは夜まで働かされた。
>>6
- Re: 追憶のエリオル ( No.6 )
- 日時: 2011/12/27 10:01
- 名前: 藍月 ◆e67wD8MYCo (ID: YrQV5zvB)
3.お仕事騒動
「充、疾風、まだ寝てるんじゃ無かろうね。さっさと起きるんだ。仕事は山ほどあるんだからね」
初日から呼び捨てかよ。俺は一応客人として扱われてもいいはずなんだが。
「起きてるのか、寝てるのか、返事しないと朝食抜きだよ!」
「わわ、起きてますって!」
扉の外でわめく静婆さんに急いで返事する。
ってか寝てたら返事できねーだろ。
「グゴゴゴゴゴオォ・・・・・・」
隣で大いびきをかいているのは先輩。
「朝ですよ」
「グゴー」
「起きてください」
「グゴー」
「静婆さんの百烈拳でも浴びたいんですか」
「嫌だアア!!」
みだれた布団から先輩が飛び起きた。
「あれ、ここは・・・?はて、俺は今お前の作ったケーキを食う夢を見て、そしたら急に婆ちゃんの顔が」
「とにかく、行きますよ」
「い、痛ぇよ」
早く行かないと朝食が・・・・・・。
「おや、遅かったねえ。わたしゃ食べおわっちまったよ。自分たちの分は自分たちで片付けるんだよ。後、梨江ちゃんの分もね」
どんだけ早食いなんだ。あの婆さんは。そう考えてる間にどっかに行ってしまった。
「あの・・・おはようございます」
「おはよう、梨江ちゃん」
「『梨江ちゃん』は恥ずかしいです。梨江にしてください」
「えっと、おはよう、梨江。・・・・・・これでいい?」
「はい」
頬を赤らめて言った。やっぱ女子って分からない。
「いただきます」
くっ、こ、これは・・・
「辛いぞおォオオ!」
はっ。意識がとんでいた。
「・・・はあ、またかよ」
「きっと私のせいだよ。ひっく・・・・・・あれ?」
「おうシップウ、気がついたか。早いとこ、梨江の料理に慣れなきゃ生活していけないぞ」
さっきの朝食は、梨江と静婆さんが作ったのか。
「でも、30分で回復したんです。成果が見えましたよ!」
「・・・梨江って料理に何入れてるの?」
「えっと、唐辛子と胡椒と特製スパイスと・・・・・・」
「あ、も、もういいよ」
将来の旦那は苦労しそうだな。
「やっと目が覚めたのかい?料理食べて気絶するなんて失礼にも程があるよ。皿はもう片付けちまったからね」
「あの、俺まだ一口しか・・・」
「ぶつくさ言ってるんだったら明日の朝食も」
「大丈夫です!!!」
「あ、そうかい。じゃ、今から畑に行って、サトウキビを収穫してきてくれ。」
「サトウキビ?」
「まさかあんた知らないのかい!?」
「・・・・・・」
「そういうのをいちいち説明しているほど暇じゃないんだよ。充に教えてもらいな」
「え、じゃあ、俺も一緒に行っていいの?」
「今回だけだよ。本当はもっと他のことをしてほしいんだけどねえ」
「よっしゃあ!」
俺たちは作業着に着替えて畑に向かった。
「本当にお前、サトウキビ知らねえのかよ」
「知らなくて悪かったですね」
「お前、田舎に住んでてサトウキビ知らないのはおかしいだろ」
「先輩と違って山梨に最近越してきたばかりですから」
そう。俺は山梨にずっと住んでたワケじゃない。
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