ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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 〜理想の世界〜
日時: 2013/10/14 11:37
名前: デニッシュ (ID: GRSwxM1g)

  ———プロローグ———

「みんな、何処にいるの?かくれてるの?
      いるんならでてきてよ…。ねぇ…ねぇってばぁ!!!!」

彼女は叫んでいた。
路地裏でただ一人たたずんで・・・
その叫びは、何処にも、誰にも届くことなく消えてゆく。

「っぅぅぅぅぅぅ… 返事してよぅ。ねぇ、みんなぁ」

いくら叫んでも無駄なことだった
彼女の叫びに答えるものは全て彼女が自らの手で

     「*******」のだから・・・

彼女は足元に無造作に転がっている「それ」見て
そして・・・
「きひっ」 
さっきまでの弱々しさは消え、笑っていた———
それもなにかに取り付かれたように、狂った嗤い方だった
「きっひひひひひひひひひひひひぁっ、あははははははははっははははっはは、きゃーはははははははははははははははははははっは!!!!」






「はっははは・・・ あっぁぁぁ、あああああぁああぁぁぁあああああああああぁああぁあああああぁあああああああ!!!!」

その嗤いはいつしか嘆きへとかわっていった・・・




彼女の嗤いとも嘆きとも分からない叫びは人気の無い寒々しい路地裏に木霊していた。
彼女はたださけんでいるのか…あるいは懺悔のつもりなのか
それは彼女以外誰も知ることは無いのだった…





———プロローグ 終———

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Re: 殺 〜理想の世界〜 ( No.9 )
日時: 2011/12/30 22:24
名前: デニッシュ (ID: pzZocD64)

「お母さん、待たせちゃってごめんね。」
千里は母に向けて微笑んだ。
「いいのよ、千里。さっ、席着いて。ほら朱里もっ」
「ありがとう。手伝えなくてごめんね、お母さん。ほら朱里席着こう。」
「うん…。」

「「いただきますっ」」
「いただきます…」
「?朱里どうしたの、元気ないわね」
「ん、ううんそんな事無いよ。大丈夫」
「そうそれならいいけど」



「おいし〜!!お母さんハンバーグ作るの上手だね」
「あら、本当?ふふふ。」
褒めるの上手だね。お姉ちゃん。
「ねっ、朱里。」
「うん。そうだね…。」
「朱里やっぱり元気ないんじゃ…」
「あっ、テストの結果良くなかったんじゃない?確か270人中152位だっけ。それは落ち込むのも仕方ないね…。」
「っ!!う、うん。」
あぁ、貶すのも上手だね。お姉ちゃん。

「そうだったのね。朱里。」
「大丈夫お母さん。私が朱里に勉強教えてあげるから。」
「えっ。」
「そうなの。良かったわね朱里。本当に朱里も千里も仲がいいわね。」
ふざけないでよ。そんなこと頼んでない。
「ねっ。朱里?」
そう言ってお姉ちゃんは私に向けて微笑んだ。
悪魔の様に頬を吊り上げてニタリ。と———

Re: 殺 〜理想の世界〜 ( No.10 )
日時: 2012/01/11 21:43
名前: デニッシュ (ID: pzZocD64)


第二章 本当の友達  IN学校

「朱里、おはっよぉ!!」
彼女は安藤由貴。
中学での私の唯一の友達と言える人。

「あ、おはよう。由貴…。」
「どうしたの朱里。そんな怖い顔して?」
「えっ!うそ!そんな顔してたっ!?」
「うん。こ〜んな顔」
そういって由貴は眉間にしわをよせてみた。
やだっそんな顔してたの?
そう思って由貴の顔をじっと見つめていると
「ぷっ。あははは!!朱里変な顔ぉ!!」
そう言って由貴は、お姉ちゃんとは正反対な純真で無垢な笑い方で笑った。
「うそっ。本当に!!」
「うっそでーす☆」
「由貴ぃ。騙したわねww」
「ごめんね〜朱里ww」
そして二人で顔を合わせて笑いあった。
楽しい。こんなの普通かもしれないけれど、私にとっては大切な至福のひと時なのだ。



小学校の頃はいじめを受けていてずっと孤独だった。
友達だった子もクラスメートだけでなく先生までいじめを見てみぬふりをしていた。両親はいち早く私がいじめられていると知ったお姉ちゃんに脅されて相談することが出来なかった。そんなどん底の世界から中学に入り抜ける事が出来たのだ。だから由貴とはずっと仲良くしていきたいと思う。

永遠なんてない事は分かっているけれど
今はその実現することの無い「永遠」にすがりついている。
そうしないと、私という存在が消えてなくなってしまいそうで———

「神宮寺さん。ちょっと良い?」
伝え忘れていたが私の苗字は神宮寺(じんぐうじ)だ。
「えっ、うん」
「今度、神宮寺さんの家行ってもいい?」
「急にどうしたの?宮野さん」
今私に話しかけてきたのは学級委員長の宮野 沙代(みやのさよ)だ。
「良かったら、お姉さんに私を紹介してくれない♪」
またか。お姉ちゃんに紹介して。と言って言い寄ってくる奴はたくさんいる。今月に入ってもう10人は超えている。
「ごめん。無理、お姉ちゃん受験で忙しいから」
「あっそう。また開いていたら教えてね」
そう言って宮野はいつもいるグループの輪に入っていった。

なんでこうなんだ。
お姉ちゃんが人気があって私はその引き立て役。
私に近づいてくる奴なんて大抵はさっきの宮野のような内容だ。
私が孤立しないのもお姉ちゃんに嫌われないように宮野が裏からいじめを止めているから。私に好意を抱いて近寄ってはこない。
だからお姉ちゃんに少しでも好いてもらおうと仲良くする気もない私に媚を売ってくる。お姉ちゃんと仲良くなれば私は用無し。捨てられる。
だから私はそんな奴と群れる気はさらさら無い。

そんな奴は友達でもなんでもないのだ。

今の私の友達は安藤 由貴 その人だけで良い—————

Re: 殺 〜理想の世界〜 ( No.11 )
日時: 2012/02/02 20:49
名前: デニッシュ (ID: rkl.YHL1)



第三章 天と地


「ただいま。」
そう言って玄関の戸を開けると、
「おかえりぃ。朱里 ふ、はははっ聞きなさいよ。」
憂鬱な私の声とは対照的な明るく小鳥が囀る様な声で私を出迎えた。
「何?お姉ちゃん。」
すると姉は瞳を輝かせて
「彼氏できたの♪」と言った。
「お姉ちゃん、彼氏いなかったっけ?」
「ん?あぁ、いるけどどうかしたの?それより今度の彼すっごくイケメンなのよ!しかも優しいの!!ほら、これ彼に買ってもらったの。」

そういって首にかけていたネックレスを外してみせた
そのネックレスはクロスの中心に日光の光を反射して淡い赤い光を放つ
レッドメノウがはめ込まれている以外にもシンプルなものだった。

「お姉ちゃんにしてはシンプルだね。」
そういうと姉はため息混じりに
「馬鹿ね、アンタは。ほんと馬鹿。派手なもの買ってもらったら私の
物静かだけど気が利いてしっかり者っていうキャラが壊れるじゃないのっ!!なんのために私は学校でめんどくさい丁寧な口調で話してると思ってんの?」
と言い放った。
「っごめん…な…さぃ……。」
「別にいいわよ。」

しばらくの沈黙———
それから姉の携帯がなった。
「はい。千里ですけど…。あっ、慎さんですか。今ですか?はい大丈夫です。 はい、はい分かりました。すぐに行きます。はい、ではまた後で。」
姉はこちらを見て
「今から慎さんとデートだから留守番しておきなさいっ!!」
そういい残して家を出て行った。

          

                   続く

Re: 殺 〜理想の世界〜 ( No.12 )
日時: 2012/02/17 22:21
名前: デニッシュ (ID: 2p/21MM7)


っはぁ・・・
ふざけんなあいつ
キャラが壊れるぅ?いっそ壊れてしまえ!!
彼氏だって何叉も掛けやがって、振られればいいんだ

「あ〜。言ったって何の解決にもならないからな。寝ちゃお」

世界はおかしい
決して平等ではない
金持ちと貧乏
美人と附子
才能がある者と才能がない者

———有能と無能———

有能のほうが幸せなのか
無能のほうが幸せなのか
有能であれば
嘆賞され尊敬され優越感に浸るだけの存在
無能であれば
何も考えることもなくすべてが幸せと考えればそれだけで幸せなのだろう

そう考えながらわたしは
深い眠りについた


第三章 天と地 終

Re: 殺 〜理想の世界〜 ( No.13 )
日時: 2012/03/02 21:42
名前: デニッシュ (ID: 2p/21MM7)




第四章 告白 IN学校

いま私は学校の中庭にいる
まずはこうなった経路を説明しよう。
今日の昼休みに私は5組の朽木 尚央(くちき なお)に
呼ばれて中庭に来た
きっとまた姉を紹介してくれといった内容だろう
よくもまぁ話したこともない私に頼むものだ
この顔ならモテなくもないだろう
肩まで伸びた黒髪で前髪が長いのかピンでとめている ルックスも悪くないそしてなんといっても二重でぱっちりしているが鋭い眼光を宿す強い意志を持った瞳が彼の独特の雰囲気を出している

「あ〜。お姉ちゃんなら今は受験あるから紹介できないよ。ごめんね」
すると尚央は驚いた顔をした
「えっ?なんでお姉さんなんですか。俺は・・・おっ俺は朱里さんがすきなのにっ!!」
「えぇっ!?」
は?何言ってんのこいつ 尚央だっけ・・・私のことが好きとかありえないし
あぁもう意味わかんなくなってきた
「えっ?どういうこと?」
「っだから俺は朱里さんが好きなんです」
「っちょ、待っていま頭がこんがらがっちゃって。」
「あっ、こっちこそなんか急にすみません」
どうしよ てかまずなんて私なの
「尚央さんは私のどこがいいんですか?」
「へっ、どこっていうか朱里さん優しいじゃないですか 誰もやりたがらない仕事を自分からやったりしてますし。この理由じゃだめですか?」
この人なら私を受け入れてくれる気がする
「ううん 駄目なんかじゃないです。十分です。ありがとう」
「いいんですか朱里さん!!ありがとうございます。」
尚央があまりに嬉しそうに言うものだから私もつられて笑ってしまった


                   第四章 告白 終





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