ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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crown of thorns
日時: 2011/12/29 18:06
名前: てとら (ID: SCMOcoS4)



こんつわー

小説うpしました

小説家希望の厨二病患者です

プロローグ-春樹-

『糸がなければ針は要らない。
針がなければ糸は要らない。
それと同じように、
人は人が必要なのよ。
私は人を銃に変えただけよ。』

彼女は呟いた。

体育館に響いた声は、甘ったるいチョコレートのように、
心のどこかに残った。

やめてくれ。やめてくれ。



俺は関係ない。お前の恨みを買ったことは無い。

だが彼女は、ポーカーフェイスを脱いだまま、残酷な一言を呟いた。


『つまり、この銃を使わなかったら私は必要なくなるのよ。』

その瞬間、彼女は大きな声で笑った。

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Re: crown of thorns ( No.1 )
日時: 2011/12/29 17:55
名前: てとら ◆54tFNEg66g (ID: SCMOcoS4)

一話-春樹-

目を開ける。
・・・なんだ、今の夢。
冬なのに、嫌な冷や汗が背中を伝う。
今は朝の六時半。
ベッドを抜け出して、イスに座る。

俺は、pcの起動スイッチを押す。

ここは俺の部屋。
何事も無い朝。

俺は、聖田春樹ひじりだしゅんき。小6だ。

何事も無く育ってきて、何の変哲も無い小学校生活を送ってきた。
運動もできるが、頭は悪く、暗い性格で、あまり友達もいない。

回りからはそう思われている。

俺は、pcがちゃんと起動したのを確認すると、
マウスを持ってネットに繋ぐ。

お気に入りを確認する。

そこには、たくさんのネットゲームの中のひとつに
「平良小 裏」というものがある。

そこを躊躇い無くクリックする。

平良小というのは、俺の学校の名前だ。

要するに、俗に言う「裏サイト」。

俺は、ここの常連だ。
ここを使っているのは学年の半分ほどだ。
俺はいつもの悪口を書き込む。
俺のハンドルネームは「志木」。
春樹の「し」と「き」を取ったのだ。

スレがたくさん並ぶ中、

俺は「依頼受付中-雑談おk-」をクリックする。

俺は、少しレスを眺める。

「茨」というハンドルネームの奴が、レスを流している。

この裏サイトを切り盛りしているのは「茨」。

もちろん、平良学校の児童だ。

誰なのかはわからない。噂は流れているものの、
真偽は確かめようも無い。

少し下にスクロールすると、ある書き込みが見えた。

唄音「始めまして唄音です。」
茨「あ、新人さん?私は茨ですー」
唄音「実は、書き込みたいことがありまして」
茨「私しかいないけどどうぞー」
唄音「茨さんにしか聞かれたくないんです」
茨「じゃあ内緒チャットしましょうか」
茨「というわけで、一回ノシ」

それ以降は、何の書き込みもなくなっていた。

俺は、書き込むために下のほうにある「本文」と書かれた空白のところに、書き込み始める。

志木「おはよう!新人さん始めまして!!ん?はじめましてかな・・・?」

そう書き終えて、「返信」を押す。

「返信しました」とpcに表示される。

この時だった。

まだ引き返せる魔境に、足を踏み入れてしまったのは。

Re: crown of thorns ( No.2 )
日時: 2011/12/31 09:19
名前: てとら ◆54tFNEg66g (ID: SCMOcoS4)

二話-春樹-

今は、教室にいる。

俺は、机に突っ伏していた。

ていうか、毎日突っ伏している。

友達という友達もいない俺は
一人で何か考えるだけだ。

でも、別に嫌われてたり、虐められてるわけではない。

ただ、心を開けないのだ。

すると、チャイムが鳴った。

教室にいた者は次々と自分の席に戻っていく。

俺の席は前から二番目の一番右の席。

俺の席は、窓に近く、外の景色がよく見えた。

教室の外にいた者は次々と教室に流れ込んでくる。

いつもの光景。

いつもの光景は、俺にとってかけがえの無いもの。

苦労して、苦労して、築き上げたもの。

すると、俺を呼ぶ声が聞こえた。



危ない、またぼうっとしていた。

後ろの席にいる男子が俺のことを呼んでいたのだ。

「あ、ゴメン、何?」

俺は聞くと、その男子は俺の座っているイスの下のほうを指差した。

「消しゴムとって」

俺は手を伸ばしてつかむ。

「はい。」

「ありがとう。」

これだけの会話。

すると、後ろの席の男子は隣の席の男子と遊び始めた。

・・・「男子」と書いてるのはわざとではなく、名前が思い出せないのだ。

また頬杖をつく。

外の景色を眺める。

今は冬。

雪が積もった景色は、三階から見るととても光って見えた。

すると、先生が教室に入ってきた。

先生は、静かにというと、周りはとたんに静かになった。

俺は、新しい朝を眺めながら、

いつもの日常を噛み締めていた。

Re: crown of thorns ( No.3 )
日時: 2011/12/31 14:55
名前: てとら ◆54tFNEg66g (ID: SCMOcoS4)

三話

相変わらず、俺は昼休みにも机に突っ伏していた。

そのとき、ちらりと横を見る。

三人の女子が戯れていた。

確か、あの三人はオタクという部類に入る女子だったはずだ。

趣味は人間観察、好きなことは「深夜アニメを見る」「二次元に行く」
「フィギュアを眺める」。とんだ変人の集まりだ。

彼女たちはあまり「かわいい」の部類には入らない。

俺は、少し思い出す。

確か、名前は・・・

三人の名札をちらりと見る。

「大西 心」「北乃 春」「繭田 美月」。

彼女たちは俺に気づいたのか、どこかに走っていってしまった。

俺は外を見る。

そこに鳥が飛んできた。雀だ。

雀は小さな口をあけて鳴いている。

・・・鳥は良いな。

こんな狭い箱の中にいなくて良い。

俺は、ここにいると息が詰まる。

「飛べることなら、飛びたいよ」

呟いていた。

俺は、何をしているんだろう?

なぁ、教えてくれ、誰か。

何で俺は、青春を無駄に過ごすんだ?


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