ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 虹色ナイフ
- 日時: 2011/12/29 21:33
- 名前: ??? (ID: Jc47MYOM)
「人が生きる為には、必ず必要な事が3つあるんだよ。知ってたかい?」
とある片田舎で走る電車の中で一人の男が口を開いた。
「え?それ、俺に言ってます?」
初対面、というか。対面すらしていない人間に質問されるとは思っていなかったようで、少年は疑問形で話す。
「そうそう、君だよ、この電車内に他に誰がいると言うんだい」
確かにこの電車には、二人の人間しかいなかった。
一人は、黒いスーツを着てメガネをつけた成人男性。
もう一人は、赤い髪をして、耳や腕にじゃらじゃらとした針金細工をした、いかにも不良と言う感じの少年だった。
「いや、独り言かと思って」
「君は、そんな見た目でかなり礼儀の正しい子なんだね」
「あぁ、まぁ。あんたみたいな人には、敬語とか使わないとヤバそうだがら」
「それじゃあ、僕が怖い人みたいじゃないか」
「いや、怖いというか、変な人。」
「傷つくな、せっかくこんなにも普通の恰好をしてるというのに、いや、こんな会話はどうでもいいんだ。最初の質問の話しをしたいんだよ」
「え?最初?あぁ、必ず必要な事っすか。うーん、友情・努力・勝利じゃないっすか?」
「はは、君は面白い事を言うんだね」
「いや、全然笑ってないじゃないですか」
「僕はね、こう思うんだよ」
少年のツッコミを完全無視し、男は語る
「一つは、仲間とか、友達とか、そういうものさ、誰でもいいから、見てくれでも、数合わせでも、なんでもいいからとにかく自分を知ってくれる、自分の意見を、自分の思いをわかってくれる。賛同してくれる、賛成してくれる。同意してくれる。同情してくれる。そういう仲間がいないと不安になるだろう?多数決みたいに自分と同じ奴がいると喜ぶんだよ。人間は、だからね、きみの言った、友情。は間違ってないんだ」
「はあ、そうっすか。そりゃあ、どうも」
「そして二つ目、二つ目は・・ん?おっと、悪いね話の途中だが、僕はこの駅で降りなければいけないんだ。」
男はそういうと席を立った。
「あぁ、これは言っておくよ。君は見た目以上にいい子だから。次の駅で電車を降りて、反対車線に乗り換えて。街に帰り、散髪屋さんで髪を黒に染めるといいよ。そうすれば君はには、サンタクロースが毎年やってくるだろう」
「だったらこの駅でいいじゃないですか」
少年が男に言う
「あぁ、まぁ確かに。この駅でもいいよ。」
男はにこにこと笑いながら少年に言う。少年は気味が悪くなって、
「いや、やっぱ次の駅でいいや、景色をもうすこし見ていたいし」
と言った。
「うん、そうするといい。じゃあ、これで」
男が扉の前に立つ
「あ、あぁ、ちょっと待って」
少年が彼を呼び止める。
「ん?何だい?、やっぱりこの駅で降りるのかい?」
「いや、その。あんたの名前聞いてないんだけど」
「僕の名前?」
男の目の前でドアは開き、男は最後にこう言った
「今度会えたら、教えるよ」
「じゃあ、縁があったらまた会おうぜ」
二人の間でドアは閉まった。
第一話 了
ここまで読んでくれてありがとうございます。 二話も読んでくれるとうれしいです。
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- Re: 虹色ナイフ ( No.1 )
- 日時: 2011/12/29 23:11
- 名前: 風猫(元:風 ◆Z1iQc90X/A (ID: Me0ud1Kf)
初めまして、風猫と申します。
手違いでクリックしたらなにやら面白そうな内容で見入ってしまいました!
男の言う必要な三つの事とは何か?
再び彼と出会うとき何が有るのか……
期待です!
- Re: 虹色ナイフ ( No.2 )
- 日時: 2011/12/30 14:30
- 名前: ??? (ID: Jc47MYOM)
「ん?あれ?あれれ?これは、あれかな、迷ったというやつかな?」
とある田舎で一人立ち尽くしている男がいた。
「駅からまっすぐ歩いてきたはずなんだがね。あぁなるほど、こういう時につかう言葉か、困ったという言葉は。」
迷ってしまったにも関わらず、呑気に独り言を言う
「うーん、降りる駅を間違え」
最後の一言を言い終える前に男は、ある少女と片がぶつかった
「おっと、これは悪いことをした。ごめんね」
男が誤ると
「あ、いえ、ぼーっとしてた私も悪いので、すいませんでした」
「・・・・・・」
男は無言、少女は戸惑う
「え、えっと、怒ってますか?あの、本当にすいませんっ。ごめんなさいっ、お金なら何千円か持ってるんで、許してくださいっ」
ヤクザか、なにかと勘違いしているのだろうか、少女は精一杯謝る。
「ふむ、あぁ、なるほど、今日はいろいろ勉強になる日だな」
「え?あ、あの。やっぱり許してくれませんか?」
男が奇妙な事を言いだしたのに驚いたのか、少女は涙目になってきている
「これが一目惚れ、というやつか」
「え?」
少女は本日何回目だろうか「え?」というしかなかった。
あまりに場違いな会話をする男に対して怖くなったのか、今までの男との距離から3歩ほど、少女は引いた。
「うん?なんで引くんだい。それじゃあまるで、僕が変態みたいじゃないか」
「自覚しましょうよ」
「君は、そんな見た目で中身は結構エグい子なのかな?」
少女の纏っていた衣服は制服だった。紺色のベスト、白いシャツ、黒いスカート。容姿も整っている。優等生の一言が似合う少女だった。
「いや、じゃあ、貴方はカッコいい見た目に反して変態なんだな」
少女の態度が変わる
「あれれ?君は多重人格かい?僕が好きなのは最初の子何だけどね」
「はぁ、さっきの一目惚れってマジかよ」
「ん、記憶は引き継いでるのか、じゃあ、多重人格ではないかもしれないね、あ!そういえば」
男が何かを思い出したように言う
「今度はなんだよ・・・しょっちゅうキャラの変わる人だな。貴方のほうが多重人格みたいだぜ」
「もう少女の要素が欠片もないね、君は将来女優になれるよ。いやいや、違う違う、こういう話をしたかったんじゃないんだ。えっとそうそう、僕は今、迷っているんだ。助けてくれ」
「・・何処に行きたいんだ?」
「もう一度駅にいきたいんだけれど」
「わかった、道教えるから」
「いや、それはダメだ。僕はこう見えて天性の方向音痴でね。一緒に来てくれ」
「はぁ、面倒くせぇなぁ、今思うと貴方とぶつからなければよかったぜ」
「ありがとう、とても助かるよ。じゃあ、行こうか」
男のその言葉が発せられたと同時に、二人は駅に向かって歩き始めた。
第二話 了 ここまで読んでくれた方、ありがとうございます
コメントをくれた方ありがとうございます。励みになります。できれば三話も見てくれるとうれしいです。
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