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この世の果てで愛ましょう −殺人鬼が人を愛したらこうなったー
日時: 2011/12/31 21:31
名前: 零 (ID: Jc47MYOM)

簡単な事なんですよ。なんてことはない。
俺がしたことは誰にでもできることです。



第一話  「愛死てください」



私は、ただ生きたかった。だた、それだけだった。
どんなに悲しい事があっても生きていればいつかは忘れられるし、
どんなに辛い事があっても生きていればいつかは笑えるし、
どんなに苦しい事があっても生きていればいつかは報われるって
そう思って、私は今まで生きてきた・・・・のに
「やっぱり、ダメなんですかねぇ」
彼女、篠原詩織は自分の靴箱を見て溜息と同時に言葉を発する
彼女の靴箱はひどい状態だった。
マーカーペンや彫刻刀などで書かれた文字。「死ね」「学校くるな」
「帰れ」など、その他の暴言が隙間なく書かれている。
「はぁ、えーっと上履きは・・あぁまた隠されたか」
そういうと、彼女は靴を脱ぎ靴下のまま廊下の突き当たりにある階段を
上った。
3階の文字が見えると彼女は毎日恒例の会話をしなければならない。
「やっほー、また来たんだー」「いい加減死んだら?」
「皆迷惑してんだよね、なんで生きてんの?」
3人のいわゆるいじめの主犯格達との会話を
「うわ、あんた何で上履き履いてない訳」「考えられないー」
「学校が汚れるよー」
軽い、本当に軽い挑発を繰り返す3人に対して詩織は
「どいて」
と言うしかなかった、どうせ文句をいっても面倒な事になるだけだから
彼女は3人の間を通り教室に入る。クラスメイトの視線が痛い
クラス全体を見るが彼女の席は存在しない。
その時、さっきの女子達が入って来て詩織に言う。
「あ、言い忘れてたぁ。あんたの席ないから」
「ごっめーん、ゴミだと思ってたから捨てちゃった」
詩織はまた、廊下に出た。机を探そうと思ったからだ。
走って、捨てられてそうなところを探す。
「馬鹿らしい。」
詩織は明るい廊下で一人立ち止まってそう言った。その時
「ん?篠原?どうした、今はホームルームの時間じゃないのか?」
そこには保険医の夏目先生がいた。
「あ、夏目先生。ちょっと家に忘れ物してしまって、とりに帰ろうか
と思って」
「何忘れたんだ?」
「教科書です」
「となりの席の人に見せてもらえばいいじゃないか」
「いや、私に貸してくれる人いないですよ」
「何でだ?友達ぐらいいるだろう」
「あれ?言ってなかったですか?苛められてるんです」
驚愕する夏目に対し「じゃ、急ぐんで」と言って詩織はその場を去った
家に帰る道を全力疾走する。帰ったら怒られるだろうと詩織は思った。
詩織は親との関係がうまくいっておらず。殴られるなど日常茶飯事だった。
詩織の住むマンションが見えた。階段を駆け上がる。
ドアの前に立って鍵を差し込む。もしかしたら、母はまだ寝ているかも
しれない。父はもう仕事に出かけたかもしれない。そうだったら、いや
そうであってほしいと願ってドアを開ける。
だが詩織は知っている。そんなに簡単にいかないということを
そんなに簡単に願いは叶わないと言う事を。
リビングに入る。男がいた。知らない人が。知らない男が
平然と当たり前のように、その場でご飯を食べ野球観戦をしていた。
「え?」
それを見て呆然と詩織は言葉を発した。
「ん?あ、あぁどうも。」
男は普通に答える。
「え、いやいや、え。えっと、まず何をしているんですか?」
詩織が男に問う。
「見ればわかるだろう。ご飯を食べながら野球観戦しているんだよ」
「違います!そういう意味じゃなくて、なんで居るんですか!あなた誰ですか!どうやって入ったんですか!私の家族はどこですか!」
「まぁ、落ちつけよ。」
「質問に答えてください!」
「怖ぇよ。はぁ、わかったよ。答えてやるから。落ちつけ」
「まず、俺がなんでいるのか、簡単だ。のどが渇いたから水を飲もうと思って。次に俺は誰なのか、簡単だ。俺の名前は憑神様助。ちなみに職業は殺人鬼。」
「は?今なんて「そしてどうやって入ったのか、簡単だ。ナイフを使ってこじ開けた。最後に君の家族はどこか、簡単だ。あの世。詳しくは隣の部屋。でも生きてはないから今となりの部屋には死体があるが正しい」
詩織の言葉を遮って男は平然とすべての質問に答えた
「冗談はやめてくださいよ・・・」
「ははっ面白い事いうな。俺は生まれてから嘘なんて一度もついたことないぜ。その証拠は隣の部屋にある。」
私は震える手で隣の部屋へのドアを開いた。

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