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—Φnly hΦlly stΦry—
日時: 2012/01/06 09:25
名前: 鴨のフラージュ (ID: vgnz77PS)



〜Φnly hΦlly stΦry〜
 それは直訳すると
  『たった一つの
   聖なる物語』
    
    そうだといいですね
     
     参照ありがとうございます
      更新は1週間に一度で、がんばります
       コメント、アドヴァイス、文句などなど
        感想でも、「見ました」だけでも
         自分は喜びます
          題名、見づらくてすいません…
           
           なぜ『O』が『Φ』になっているかというと
            なんか、いい感じだからです
             とくに意味はありません
              本当に意味はありません
              
               そうだといいですね
               
                現代社会に疲れた皆さまへ
                 鴨のフラージュです

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Re: —Φnly hΦlly stΦry— ( No.1 )
日時: 2012/01/06 10:11
名前: 鴨のフラージュ (ID: vgnz77PS)




失うはずが無いと信じていたから、
失った時の悲しみがすさまじいのだ。

得るはずがないと諦めていたから、
得た時の喜びはすさまじいのだ。

「それ、誰の言葉??」
「今、思いついたの」

天気のいい、澄みきった青色をした空だ。
鳥が、電線にとまって寄り添い、さえずっている。
冬まっ盛りの通学路。
隣にいて、偉人の名言のような言葉を発したのはシオリという女子高生。
僕はここ高校3年間、幼馴染のシオリと登校していた。

入学式のとき—小学校は一緒だったが、中学校は家の位置の関係上、別々だった—シオリが生徒代表挨拶をしていて、式の後声をかけたら、主席入学なの、とニコニコしていた。
それから幼馴染だし、降りる駅が一緒だし、一緒に登校しようということになった。

「『アメリカ大陸』の『アメリカ』の名前の由来知ってる??。」
「ううん、知らない。」

シオリはウンチクを1個、通学しながら披露する。
僕はそれが朝の楽しみだった。
特に『名前の由来シリーズ』は、ただ、へぇ〜っとなるだけではなく、教養として、常識として、僕の知識のビンに貯蓄されていくのだ。

「アメリゴ=ヴェスプッチてゆう探検家がね、名前を付けたの。」
「コロンブスじゃ…。」
「コロンブスは新大陸のことをずっとインド、ユーラシア大陸のインドだと信じ切っていたから、新大陸じゃないって彼は言い張ったの。その噂を聞きつけたアメリゴさんは、コロンブスと同じ航路で西に向かってこう言ったの、『これは完全な新大陸だ』って。」

またひとつ、知識と僕とシオリとの思い出が貯金された。
別に付き合ってるとかではなくて、素直に、僕とシオリとの思い出だったのだ、この通学路でのウンチクが。

シオリは3年間学校トップの学力の持ち主で、スタイル、外見も上の中で、なかなか人気があった。
シオリも僕も、推薦で12月上旬には進路が決まっていた。
シオリはもちろん超有名国立大学で、理学部数学科で、
僕は成績などは悪くは無かったので、有名ではあるが、シオリの大学ほどでもない国立大学の工学部建築学科。

「今度、勉強教えてくれないか。」

普通の言葉を発するだけで心拍数が上がる。
手汗が、推薦の面接の時並みにジンワリと。

「うん、いいよ」

すんなり了承してくれたということに少し疑問を感じていた。
もちろん、了承してくれることは嬉しい、でも、そのいいよという言葉の裏には絶対何かがある、そう思っていた。
やましいことでも何でも来てみろ、そのときはそう思っていた。


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