ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 逃亡王子の物語〜Story〜
- 日時: 2012/01/09 16:42
- 名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode=view&no=17990
初めましての方が多いとおもいます。
シリアス・ダークで2作書かせて頂いています、鈴音(すずね)という
ものです。今回もやはりRPGになりそうです(笑
一作品目は↑のURLからいって下さいね!
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・紅 琥珀様
ではでは、始まります。
>>01 >>02
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- Re: 逃亡王子の物語〜Story〜 ( No.1 )
- 日時: 2012/01/09 16:37
- 名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)
此処は、魔獣と魔物、そして人間が共存する、異様な世界……ストロンジ・ワールド。
魔獣と魔物は人間を殺すことなく、人間は魔獣と魔物を殺すことなく、世界のバランスが綺麗に保っていた。
しかし最近、そのバランスが崩れつつある。その異変のせいで、魔獣と魔物は人間を殺し、人間は魔獣と魔物を殺し、最悪な世界のバランスになりつつある。
そんな世界の中で、一人退屈そうにしている少年がいた。
彼の名は、メラルイン。メラルイン=ヴェルン。ストロンジ・ワールドの大陸にある、リヴァエイン国の次期王。現段階では王子である。
朝。
王宮内は、何時も以上に騒がしい。どうやらまた、魔獣に人間が殺されたらしい。しかしメラルインは退屈そうに部屋のベッドから出る。
「おぉ、メラ。起きたか。」
メラルインのことを"メラ"と呼ぶのは、リヴァエイン国の王、メラルインの父でもあるゴドーだ。
「お父様………一体何の騒ぎですか。」
王宮が騒がしいことを、耳障りでしかないような言い方でいうメラルイン。眉間にしわを寄せながら嫌そうに言う。
「城下町の工具屋、あるだろう。」
城下町の工具屋、と言うものは、王宮内のいろいろなものを整備する、王宮御用達のお店である。
「………そこがどうかしたのですか?」
「そこの主人が魔獣に殺されたらしいんだ。」
神妙な顔をしてメラルインに言うゴドーは、珍しく冷や汗をかいていた。彼は国の王として、一番最適な人間であり、何時も冷静にしているのだが、今回は冷や汗をかくほど、不味い事態になっているということ
だ。
「………ふぅん。まあ、僕には関係の無いことです。いちいち息子に、国のことを報告しなくとも良いでしょう。国の王というお方が、国民に弱音を見せてはいけません。自分の力で何とかしてください。」
まるで王子ではなく執事である。メラルインは物事を客観的にしか見ることが出来ず、たとえ肉親であろうとも、接し方は変わらない。
- Re: 逃亡王子の物語〜Story〜 ( No.2 )
- 日時: 2012/01/09 16:41
- 名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)
「…………相変わらずお前は変わらないな。」
「変わらないも何も、貴方が育てたのです。もし僕が貴方の思うような人間にならなくとも、それは貴方の育て方が悪いということになりますから。…では僕は外へ行きますので。」
旗から見れば生意気な子供である———が、彼が言っていることは正しいので、ゴドーは返す言葉がない。まだ何か言いたそうなゴドーを後ろに、王宮から出て行くメラルイン。
「………………ナエリアよ…何故、私はメラと対等に接してあげることが出来んのだ………」
ゴドーは、胸にかけてある十字架のネックレスを握り、メラルインの母、ゴドーの妻であるナエリアの名前を呼ぶ。
ナエリアは、もうこの世には存在しない。……死んだのだ、魔物に殺られて。
彼女が死んだのはメラルインがまだ物心ついていない幼少時代の頃。
彼女はリヴァエインでも評判の娘で、天使のような美しさ、そして仕事熱心な女性だった。
王妃になった後も、使用人の仕事を手伝ったり、メラルインと一緒に遊んだりと、やはり熱心だった。
何時もどおり、メラルインと遊び、帰ろうとしたとき、急に雨が降り出してしまった。
彼女は息子が濡れ、風邪をひいてしまうのを恐れ自分のコートをメラルインにかぶせ、小走りで王宮への道を急ぐ。
その時だった。上空から黒い影が降り立ち、その黒い影は小さなメラルインをナエリアから引き剥がそうとした。ナエリアは、黒い影の正体が魔物だと分かりメラルインを守るため、魔物の腕を叩きその場を走っ
て逃げる。
しかし、魔物もしつこくナエリアの後を追ってくる。人間と魔物では、明らかに魔物の方が早い。ついには魔物がナエリアに追いつかれてしまった。
魔物がメラルインを殺そうと自前の爪で引き裂こうとしたとき、ナエリアがメラルインを庇い、ナエリアはメラルインを抱えながら地面に倒れる。
その時、リヴァエインの兵士が魔物を追い払う。ナエリアたちの帰りが遅いため、ゴドーが護衛するようにと言ったのだ。
「ナエリア様!大丈夫で御座いますか!?」
兵士は脂汗を額に流している。兵士の眼中には、魔物に受けた傷から血を流し倒れているナエリアだった。彼女の傷は兵士が思っていた以上に深く、兵士はすぐさまナエリアを医療室へと運んでいった。
…………あの後、母さんが死んでしまった。と、僕は父から聞いた。しかし、僕自身、母のことを覚えてもいない…だからそんなに気にしなかった。
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