ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 魔王飼い始めましたっ!!
- 日時: 2012/01/22 20:54
- 名前: うそつき狼 (ID: /bs85MAK)
現在この世界には60億を超える悪魔が存在し
その9割以上が「悪魔」として覚醒し
「捕食者」と「屑肉」に分かれる
覚醒した内の8割が「悪魔」として脱皮できず
2割は・・・
美和は昔から平和主義者で人と争う事を嫌って生きてきた
程々の学校に通い程々に恋愛をし、程々に成果を出していた
そう・・・22歳のあの日雑踏で「魔王」を拾うまでは・・・
イケブクロ・・・60階建ての雑居ビルが有名な魔都「東京」の
「巣窟」(ポイント)美和はJRの改札で友人「京子」を
「真里」と待っていた
「へぇ・・・「希少種」だね・・・」
人ごみの中でその声ははっきり聞こえた
「え?」
「どうした?美和」
辺りを見回す美和を見て真里が笑った
「いや・・・声が・・・」
「声?ヤダ電波系?」
笑う真美の声に再びその声が重なった
「その人には聞こえないよ、だって「覚醒」してるからね」
「え?え?」
「あぁ・・・そうだよね「思考的会話」はできないよね、
言いたい事を「言葉」として認識すれば俺に届くよ」
「あの・・・誰・・・ですか?」
「俺?俺は・・・うーん・・・名前ってのはないんだよね、
君達の概念で言えば「魔王」かな・・・」
「魔王?」
「そうだよ、君からだと右前方50m先に存在しているんだけど」
美和がそちらを見るとスカジャンを着た普通の男性が手を振って
いた
「あの・・・私に何の用・・・ですか?」
「陽?ないよ?珍しいから話しかけただけ」
「あの・・・」
美和が言いかけた時待ち人の京子が現れた
「ゴメン遅くなって、実はさ・・・」
「へぇ・・・これはまた成長した「悪魔」を飼っている
んだな・・・そろそろ「脱皮」だな」
「何それ・・・」
この呟きは声として漏れた
「どうした?美和」
京子が不思議そうに顔を見た
「いや・・・もうヒビが入っている・・・」
「どういう事ですか?」
『逃げろ「希少種」』
その声は頭に直接「入って来た」」
「ちょっとどうしたの美和・・・」
「京子さん最近何かあった?」
「え?」
答えたのは真里だった
「なんで美和まで知ってるの?」
『「心理的障壁」を解放した「反応」が起こるぞ』
「「美和まで」?って・・・やっぱり真里あんた・・・」
「どうしたら良いの?」
美和は男を見た
「さてな・・・あんたには「結界」を張ったから「傍観者」で
いれば良いんじゃないか?あとは二人・・・いや「二匹」の
問題だ」
「京子、拓海君の事美和に言ったの?」
「やっぱり真里、あんた拓海と・・・」
「ちょっと待ってよ・・・」
『始まる・・・『脱皮』だ・・・「希少種」にも見える
様に「眼」を貸してやる』
それは不思議な世界だった、京子という器から赤黒いドロドロ
した物体が溢れ出していた
「何・・・これ・・・」
「悪魔だよ、まだ形になってないけどね、これが器に戻ると
「悪魔」の完成だよ」
「なんとか・・・ならないの?」
「うーん・・・なるよ?でも今の君じゃあ何にもできない」
「ヤダよ・・・こんなの・・・」
「知らないよ・・・関係ないじゃん・・・」
「関係あるよ・・・友達だもん」
「そうね・・・でも関係ないよ」
「関係あるってば」
「じゃあさ・・・「契約」してみる?俺と」
男は笑った
「1秒で葬ってやるよこんな「存在」」
「契約・・・何を・・・するの?」
「ん?別に?「失ったモノ」に気付いた時「対価」は払われるよ」
美和は京子からあふれ出る「存在」を見ていた、吐き気すらするその
醜悪な「存在」は足下を赤黒く染めていた
「さぁ・・・君ならどうする?」
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