ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 赤部屋物語
- 日時: 2012/01/24 19:01
- 名前: ななトラ (ID: rDVGHAHA)
「・・・おはよ」
姉の声で『俺』の平凡な一日が始まる。
—今日は土曜日だ。思いっきりのんびりしてやろう。
そんな考えを妨げるかのように母の声が耳に響いた。
「ちょっと真、新聞取りに行ってよ」
はいはい、と適当な返事を返す。
カタン、
郵便受けの乾いた音が鳴り渡った。
ん?
新聞のほかに何か入っている。広告だろうか。
その手紙は、黒いバックに不気味な赤い文字でこう書かれていた。
「あなたは『会』に参加することが決まりました。
熊野 真さん、今晩あなたの家の『鳥の集い場』へお越しください・・・」
熊野真—自分の名が刻まれている。単なる友の仕組んだ
いたずらに違いない。そう思いつつも、
「鳥の集い場」が気にかかっていた—
鳥?近くに鳥の集まる場所等あるのだろうか。
普通に考えれば鳥の巣を連想するだろう。
ただ、俺の家に鳥の巣などはない。違うな。
鳥・・・鶏?
そうだ。台所だ!
そう考えてみた。いや、違う。
父も母も基本肉は嫌いだ。主菜はもっぱら魚である。
そんな家族の台所に、鶏肉など置いてあるわけないだろう。
あと・・・鳥がいる場所・・・家の中に・・・?
そんな事を考えていると、辺りはもうすっかり暗くなっていた。
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- Re: 赤部屋物語 ( No.1 )
- 日時: 2012/01/24 19:39
- 名前: ななトラ (ID: rDVGHAHA)
「真、もう寝なさい。」
はっとして時計を見たらもうすでに12時を回っていた。
結局何もわからなかったうえに、
せっかくの休日を無駄にしてしまった。
やはりいたずらだろうな・・・。半分あきらめかけ、
足元のベッドに目をやった。
ん?っ!!!
そうだ。この布団は羽毛である。なぜ今までここに気がつかなかった
のだろうか。
多少の希望を胸に、布団の上に立ってみた・・・
「ん?うわっと!」
しまった。ベッドに上った瞬間に足をひねってしまった。
スローモーションのように自分の視点が低くなっていく。
ドサッ。
頭から着地してしまった。
————
目が覚めると、
本当に何もない、赤い壁紙の部屋だった。
ざっと6畳、というところだろうか。
いや、何もないというわけでもないな。貼り紙が貼ってある。
「だいたいさ、
つかれるんだヨ
しぬだロ!
ゆるさないゾ!
つかまっちまえい!」
何のメッセージだ。思わず苦笑してしまった。
この手の暗号なら得意だ。
迷わず「縦読み」した。「だっしゅつ」か。
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