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- ラ ビ リ ン ス
- 日時: 2012/01/29 11:29
- 名前: ドリーム・チェイサー (ID: HhjtY6GF)
冷酷無慙な殺し屋さん、あなたは本当は優しい人。
私は知ってる。あなたの本当の姿を。
あなたは無理して他人を殺し、自分の精神を痛めつけている。
私は、それが理解できない─────。
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- Re: ▼ ラ ビ リ ン ス ▼ ( No.1 )
- 日時: 2012/01/29 12:02
- 名前: ドリーム・チェイサー (ID: HhjtY6GF)
- 登場人物 -
@アル・リドワン(Alu Ridooen)
本名不明、経歴不明、全てが謎の殺し屋。推定年齢20歳代。
黒コートに黒ニット帽を常に身につけている。殺し道具は日本刀。
冷酷無慙な殺し屋だが、その本性は心優しい青年。
@鐘管雨緒(カネクダ アメオ)
テレビ俳優。数々のドラマやCMに出演しており、またその裏の顔はトップの殺し屋。年齢は40歳。
殺し道具はスタンガンアーム。右手に装着して、指先から500万ボルトの電撃を放つ。
@イズラ(Izura)
故人(37歳)。アル・リドワンの師匠。
9年前に起きた「渋谷連続殺人事件」の犯人、クリアキラーからアルを庇い死亡。
@クリアキラー(Clearkiller)
9年前に起きた「渋谷連続殺人事件」の犯人。白いマスクにギターを背負い、9年経った現在も正体は不明。
イズラを殺害するも、駆けつけたガブリエルにより右手を奪われ、それ以来、事件は止まった。
@ガブリエル・ジョー(Gaburiel Jor)
殺し屋の集い場「ダウンタウン」総責任者。アルの命恩人。30歳。
- Re: ラ ビ リ ン ス ( No.2 )
- 日時: 2012/01/29 12:03
- 名前: ドリーム・チェイサー (ID: HhjtY6GF)
『本日のゲストは、ドラマやCMに多数出演中のこの方、鐘管雨緒さんです!!』
テレビに映る、スーツを着こなした40歳代の有名芸能人。
こいつ、俺と同じ殺し屋である。
しかし、そんな真実を知る者は数知れている。
テレビの電源を切り、青年はジャージの上からコートを着込む。
ルービックキューブの形をしたピンバッジが付いたニット帽を被り、壁に掛かる日本刀を手にする。
「師匠、行って参ります。」
青年、殺し屋アル・リドワンは、今夜も殺しの依頼を遂行しに行く───────。
依頼人が指定した、人気の少ないホテル街の路地裏。
アルが指定場所に着くと、そこにはスーツ姿で熊のような巨体の中年男性が立っていた。
男性は吸っていたタバコを地面に捨て、跡形もなく大きな足で踏み潰す。
「よぉ、どうだ仕事の方は?」
「依頼はなんだ?」
男性の問いかけに耳を貸さないアルに対し、男性は微笑すると一枚の写真を渡した。
「世田谷に住んでいる。その子を殺して欲しい。」
男性の職業は、現役警察官。東京県警に務める刑事である。
「・・・中学3年生。」
「今年で高校1年生だ。頼むぜ。」
警察の人間が、殺し屋に殺しを頼むことは滅多にないことではない。
依頼の目的は主に、より高い地位を目指すためである。
おそらく、この子は男性の上司の娘だろう。
アルは写真をコートのポケットに直し、頷いた。
「あ!あとよ、できたら父親も殺しておいてくれ。報酬はそれなりに奮発する。」
「了解した。ところで、例の事件は解決したのか?」
アルが質問してきたことがよっぽど珍しいことだったのか、男性は一度、驚いた顔をした。
「渋谷連続殺人事件のことか?
犯人はギターを背負っていた、ってことぐらいしか分かってない。
男なのか女なのか、右利きなのか左利きなのか。
そんなことも分かっていない。進展があったら、報告してやるよ。」
男性はアルの肩をポンと叩き、そのまま路地裏から賑やかな商店街の方へ消えていった。
アルは刀を握り締め、ターゲットの住む世田谷へと足を運んだ。
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