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滅びた太陽
日時: 2012/02/12 15:59
名前: 凛沙 (ID: nQ72gOzB)

雪よりも白き肌…。
その肌は限り無く白い。
闇の様に暗い瞳、静かに鳴り響く心臓の鼓動。
穏かに眠る顔。心弱き病に落ちた少女。
彼は少女の白き肌を照らし上げたいと思っていた。
少女は光と言う物を知らない。
少女の心は、月の光も無い。
ただ、少女には限り無く黒い絶望の闇へ、病へ。
自らナイフで胸を刺しつくした。
痛みさえもなく、悲鳴さえも上げない。
そんな少女を彼は幸せにしてあげたかった。
でも…今日は嵐で月など遠い。それでも彼は必死で少女を抱き抱えた。
少女の喘ぎ声が微かに彼には聞こえた。
呼吸をするだけでもとても苦しそうだった。
…嵐が止んだ頃、少女は闇の目を開けた。
窓の外は白い満月。
少女はその月光を目で見詰めた。
彼は抱き抱えている少女へ目を背けると、少女の白き肌は…白い月光が真っ白に、真っ白に照らしていた

彼はそんな少女に目を奪われた。
月光が照らし上げた白い肌は、少女は、とても綺麗だった。
彼は少女の肌に触れたくなった。
少女の首筋へ彼の手がかかって行く。
とてもさらさらだった。
そして少女は広い暗闇で僅かな光を見つけたのだった。

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