ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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ららら、ハート。
日時: 2012/03/28 17:02
名前: 遮犬 ◆.a.RzH3ppI (ID: GHOy3kw9)

あまりに書きたい衝動が抑えきれなかったので、投稿するに至りましたっ。既に執筆途中の物語があるのは十分承知の上ですが、どうしてもこの話を書きたかったのです。
どうぞ、温かく御見守りください。出来れば、早く終わる予定の物語です。

※絶賛スランプ中です。多々ある見苦しい文章、お許しください;


【目次】
プロローグ……>>1
第1話:邂逅の転生
【♯1>>2 ♯2>>3 ♯3>>4 ♯4>>7

Page:1 2 3



Re: ららら、ハート。 ( No.1 )
日時: 2012/02/06 22:53
名前: 遮犬 ◆.a.RzH3ppI (ID: /HF7gcA2)

この世は何らかと欠落している。
それは、とても些細なことなのかもしれない。それを知る術など、人間にはありもしないだろう。
もし、知ることが出来るとしたら、その存在は——人間ではない、架空のものなのかもしれない。架空の存在は、架空を生み出す。


——それは有り得ないはずの出来事だと、世界がそう決めていたはずだったのだ。





ポタ、ポタ、と何かが少年の体から滴り落ちる。
それは否応にも、見るだけで分かってしまう、人間には必ずあるべきものだった。
真っ赤な液体は、そのまま少年の刻まれた傷痕から滴り落ちていく。ポタ、ポタ、と留まることを知らないその血液の流れは、少年の体を真っ赤に染めていく。
しかし、当の本人である少年からすると、それは"日常茶飯事"のことなのであった。

「はぁ、やられたなぁ」

少年はため息を吐いて、自身の服を破いた。ビリビリ、という音と共に出来たその布切れを、血が滴り落ちていく傷痕へと巻いていく。よく見ると、そこには弾丸が埋め込まれていた。
貫通はしておらず、骨の部分にぶち当たって止まっているようだった。血は素早く、ポタポタという限度を超えて流れ落ちてきていた。
だが、少年は苦痛の表情一つも見せず、弾丸を何の道具も使わずに手で引きずり出した。血が一気に溢れてくる。傷痕が酷い状態になっており、弾丸が今さっきまでここにあったのだということが分かるほど、風穴がしっかりと皮膚を抉り、現れていた。

血塗れの弾丸を地面へと捨てる。そして、布切れを慣れた手つきでその腕に巻く。だが、そんなものでそれほどの怪我による出血が止められるはずもなく、どんどんと溢れてくる。

「あぁ、またやっちまったな……」

ふぅ、とため息を吐くと、少年はその場で座り込んだ。
路地裏のようだった。その薄暗い空間は、太陽の日差しなどというものは一切受け付けない。ただ、暗闇が長細く、大きく、広がっているだけだった。

「早く来てくれないと、マジで死んじまうよ」

まるで独り言でないように、誰かと話す如く、少年は喋った。確かに少年は"足を普通に動かすことが出来、更には走ることも出来た"。だが、医者を呼ぶわけでもなく、人に助けを乞うことも無く、ただ何者かを待っている。それだけの為に、こうしているのだ。
やがて、上空にあったはずの青空が曇り空へと変貌し、ゆっくりと雨が落ちてくる。少年に、ポツポツと血と共に雨がそれらを流していっていた。
その雨が降ったその時、何故か少年は笑みを浮かべる。それは——"彼女が来た"ということだから。

「やっと来たかな——雨女」

少年はゆっくり目を瞑り、そして数秒後、再び目を開けた。
少年の目の前には、髪が長く、ツインテールに纏め上げられた黒髪、黒が基調のゴスロリワンピースを着こなし、そのワンピースを着るに十分な身体、そして童顔の持ち主がそこにいた。ツインテールの上には、白色のヘッドドレスも付けていた。
その少女は、真っ黒の傘を持ち、それをゆっくりと回転させながら少年を見つめていた。少女の目は、いささか冷たい様子に感じる。

「誰が雨女なんじゃ」
「あぁ、聞いてたんだ」

声もその身体や身なりに合う高い声で、どことなく喋り方が独特的な様子を醸し出していた。
少年はおどけて聞いていたのかと返して笑ってはいるが、既に少年の周りは血で染められた水溜りが出来ており、とても惨いことになっていた。先ほど巻いた布切れは、とっくに血で真っ赤に染められている。

「……情けないな」
「そんなことはわかってるさ。とは言っても、俺にはその"感じ"がわかんないんだけどねぇ」

ヘラヘラと笑う少年に対し、少女は何も変らずにただ見つめる。そして、ゆっくりと懐から何かを取り出した。
それは、重く、黒く光る——銃だった。その銃を真っ直ぐ、ゆっくりと抵抗もしない少年の顔に向けると、

「何か、最後に言いたいことは?」
「ははっ、今更何言ってんだか。俺を"何度も殺し慣れてるクセして"」
「相変わらず減らず口だな」
「そんなことはもう知ってるだろ? あんたが俺を"初めて殺した日から"」

少年が言う言葉を、静かに聞くと、少女は突然、無表情から笑みへと変わっていき、やがて笑い声を惜しみなくぶちまけた。

「ふふふ……あはははははは! ま、そうじゃの。……それじゃあ」
「あぁ——また会おう、我が姫さんよ」


パァンッ! 

乾いた銃声が一つ、どこかの世界のどこかの路地裏で鳴り響いた。
その音は、誰も知らない。




〜ららら、ハート〜

Re: ららら、ハート。 ( No.2 )
日時: 2012/02/08 21:55
名前: 遮犬 ◆.a.RzH3ppI (ID: /HF7gcA2)

白い光が黒い光と一緒になっては消えていき、そして一瞬だけ死の恐怖のどん底まで落とされる。
その恐怖感が、何度でも慣れない。しかし、それは確かに一瞬だけで、すぐにその視界は明かりを帯びていく。あぁ、きっと死ぬ時はあのどん底からこうして明かりは灯らないのだろう。そんなことを思っていると、不意に目が覚めた。

そこは確かに自分の部屋で、周りは何も変わっていない。普通の部屋、普通の空気、普通の世界だった。
俺は此処にいる。それは誰もが認めるというわけではないけれど、少なくともそう実感しているのはその俺で間違いはなかった。
まるで寝かされていたかのようにして整えられたベッドの上から起き上がる……といきたい所だが、"復活してから"何分かは身体が麻痺するので動けない。この状態を金縛り、とでも言うのかな。また違うと思うけれど。
殺風景な白い壁紙の部屋。ベッドや空っぽの本棚、無造作に置かれた机と椅子しかない部屋だった。
麻痺状態、と先ほど言ったが、一応声も出せない。やはり復活した時のリバウンドというものはあるものらしい。……というか、確か言われたような気がする。そう、誰かに。

(この変な感じは、よく分からない。復活したなっていうのは分かる。けれど、記憶なんてものは一切無いから、何が何だか……)

心の中で言葉を繰り返す。そして確認するが、記憶という無粋なものは何一つ無い。
人生は一度きりだとよく言われるが、記憶を消すということがその人生そのものだとしたら、俺は"再び人生をやり直す"ということに当てはまるのだろうか。

「全く……お、声が出るようになったか」

全身麻痺していても、目だけはしっかりと見えていることが不思議だ。声がやっと出せた、というより、生まれて初めて声が出せたような感覚がする。これは、何故か懐かしい気のする思いだ。
次第に身体も世界に馴染めてきて、だんだんと感覚を取り戻していく。やっとのことで全身が動かせるようになったことを確認すると、ゆっくりと身体を起こし、首を何度か回してコキコキ、と音を鳴らした。


「あーあ……これで何回目の"転生"だったっけかな」


転生したという事実だけは、記憶がなくとも感覚が既に覚えてしまっていた。



第1話:邂逅の転生



生まれたという記憶は、全く無い。というより、正直に言えば俺が俺であった理由を探している、と格好つけて言うとそういうことになる。
そもそも、初めて死んだ日というものが実に曖昧な出来事だった。死んでいるはずなのに、生きている感覚。あれを人は瀕死とでも言うのだろうか。既に助からないであろう、人生のほんの少しの断片、走馬灯を見る時間、死へと誘われる間の時間。
その時間の最中、俺はこの螺旋を辿ることとなってしまった。
記憶も何も無い、とは言ったが、覚えていることは勿論、ある。それは、最後に俺を殺した奴のこと。むしろ、そいつのことを忘れてしまったら、俺は此処にはいるはずがない。
何故かといわれれば答えは簡単で、俺は俺を殺した奴にトドメをさされて殺されたが、そいつのおかげで俺は今こうして転生出来ている。言い方を変えれば、生かされているというわけだった。

部屋から出ると、とりあえずどんな家かを記憶に入れておく為に見回った。かなり広い方で、二階でも部屋がいくつもある。一軒家というより、屋敷のようだった。一階へと続く階段が螺旋状になっている。その螺旋階段を下りていくと、二つに大きく分かれた廊下があった。リビングや和室や洗面所やらの生活に必要不可欠の部屋がいくつもあった。
リビングのドアノブをゆっくりと握り締めると、ドアを開いた。


「……っ、ごくん」


リビングには、あちこちにお菓子や、食べ物が散乱していた。床が見えないぐらいに。
その中心には、ゴスロリの服を着た女の子が、何故か薄汚れた感じに、肌も黒く荒んでいる。だが、ただ食物を胃袋の中に押し込めたいというかのように、少女は食べることを止めない。一体この見た目が細い体のどの部分に入るのだろうか、この量の食物が。
ドアノブを握り締めたまま、俺はその少女を見つめてしまっていた。いや、見とれてしまっていたのかもしれない。
少女は、再びごくん、と喉を鳴らすと俺を見返してきた。その瞳は、無垢な少女とは少し違う、不思議な感じ。その大きく、可愛らしい瞳よりも今は口元の方が食べ物のカスがこびり付いている方に目がいってしまう。
俺と少女が見つめ合う形で動かずにいると、少女の方からゆっくりと、皿のようなものを俺の方へと向けて——

「おかわり」

と、俺に言ったのだった。
俺はこの瞬間、何故だか笑みが零れた。あぁ、そうだ。この少女に俺はトドメを刺された。というか、殺されたんだった。
ただ、その殺される経緯、何故そんな瀕死状態に俺がいたのかということは、分からないが……少なくとも、俺はこの少女を知っていた。

「リリス、食いすぎだよ。それと、口の周りにいっぱいついてるよ」
「む……」

ムキになったのか、いそいそとリリスは口周りを手で拭った。小さな両手で夢中になりながらやる仕草はとても可愛く思える。
俺は自然な笑みを浮かべて、ため息をひとつ吐いた。
また始まる。僕の心臓は、リリスに撃ち込まれてから、この異常な日常を送ることになってしまったのだ。

朝賀 篠(あさか しの)である俺とリリスの奇妙な出会いは、とても不具合な形で出会ってしまったから——

Re: ららら、ハート。 ( No.3 )
日時: 2012/02/14 22:47
名前: 遮犬 ◆.a.RzH3ppI (ID: /HF7gcA2)

一度きりしかない人生ということでしか有り得ないというのなら、俺の存在は一体何だろうか。死んでいたはずなのに、転生し、再びこの世に存在している。俺が存在することができたのは、現在シャワーを浴びている少女、リリスのおかげだった。

人間には、死に向かう直前、命の灯というものがある。その灯は、本当に儚いものだが、その瞬間にだけしか転生は出来ない。つまり、瀕死状態でないと蘇生することは出来ないわけで、俺は毎度その時に転生されているということになる。
先ほどから転生転生と繰り返して言ってはいるが、勿論気軽に誰もが転生出来るなんてバカげたことはない。それは"リリスだから出来たこと"だからだ。
リリスはただの人間ではない。それはもう、分かるだろう。

「よっ、と」

目玉焼きをひっくり返し、半熟の頃合を確かめると火を消した。リリスからの注文で、シャワーを浴びて出てくる前に目玉焼きを乗せたトーストを用意しとけと言われた。朝の方はこのセットが好ましいらしい。
先ほどまで、食材を荒らしに荒らしまくっていたクセに、まだ腹が減るというのだから困ったものだった。

「——出来たのか?」
「あぁ、後もう少し……って、リリスっ?」

目玉焼きを丁度トーストの上に乗せようとしたその時、リリスがすぐ傍から腕を組んで俺を見ていた。その姿は——バスタオル一枚、体に巻かれただけの状態だった。
見事にその凹凸の無い幼児体型の体が分かる。その姿のクセに、態度はすごく偉そうに見えるのが不思議だ。

「うん? 何だ、その目は」
「いや……服は?」
「汚れているから、着てない。他に何も持ってないし、とりあえずはこれで——」
「待ったっ。服を探してくるから、ちょっとここで待ってろっ」

急いで俺は服を取りに行った。案外すぐに見つかったが……その服はジャージぐらいしかなかった。それも、サイズがリリスにしてはぶかぶかのサイズで、腕の長さが全然違う為に随分と裾が長くなってしまって、ぶら下がってしまっていた。

「む……動き辛いぞっ。脱いでいいか?」
「ダメだ。とりあえず、それで我慢してくれ、リリス」

不満そうな表情を浮かべつつ、リリスは渋々といった風に押し黙った。
とりあえず、飯を食おう。いろんな話はそれからでも遅くはないはずだ。俺とリリスはテーブルへと対面に座り、食べ物はリリスと僕は同じ目玉焼きトースト。飲み物は牛乳が定番だった。
一口齧り、何度か「ふむふむ」と言いながら噛むリリスの姿はそこらにいるか弱い少女のようだった。

「味、変わってないか」
「そうか?」
「うん。変わったのじゃ。手抜きか、バカ篠」

あぁ、思い出した。そういえばリリスは、俺のことをバカ篠と呼ぶんだった。そんなバカ殿ならぬバカ篠と呼ばれても、最初の内はしっくりこなかったが、今ではもう慣れた風に感じてしまっていた。

「手抜きなわけないだろ。ていうか、この料理のどこで手抜きするところがあるんだよ」
「目玉焼きに決まっておろう! 何か塩辛いのじゃ……」

といって、目玉焼きの半熟の部分をフォークでつつき、卵黄が溢れてくるのをじっと見つめていた。
こんなリリスの姿を見るのは、もうどれぐらい経ったのだろう。




俺がリリスと出会ったその日は、俺自身も意味が分からなかった。
ただ単に、気づいたら血塗れだった。記憶も何もありゃしなかった。
全てが意味不明で、全てがややこしくて、もう何が何だか分からないまま、ただ意識が朦朧として、そんな中で唯一分かったのは自分が相当ヤバい状況だということだった。

「あぁ……何で目覚めてしまったんだよ、俺。記憶も何もなかったら、どうしようも、ない、だろ……」

だんだんと息が苦しくなってきた。ここがどこだかも分からない。この場所がどこなのかも全然分からない。というか、記憶がないからそもそも分かるはずもない。
朦朧とした意識の中、すっかりと俺は地面へと倒れこんでしまっていた。血溜まりが広がっていく。水溜りのように、俺の体と触れている地面に広がっていく様が寝転がっててよく分かる。
何だ、銃弾か? 何でやられたのかも分からない。第一、目覚めた瞬間がこうだった、という感覚なんだ。記憶も何も無くて、本当に困った。

「あぁ……死ん、だな、俺」

最後の時ぐらい、家族や思い出に耽りたかった。しかし、そんな小さな願いすらも、死に際でさえ叶わない。
なんて不幸な死に方なんだろうか。自分がどんな人間で、何者かも分からないまま死ぬのはとても怖かった。そして目が、だんだんと力を失っていくのを感じる。闇が多く、視界に現れていく。

さようなら。誰に言うわけでもなかった。けれど、それしか言えなかった。

「——朝賀 篠。それがお前の名前じゃ」

誰が声をかけているのか分からなかったが、俺の耳にはちゃんと届いていた。
それは少女の声だった。ゆっくりと、視界がぼやけてはいるが、現れていく。そこにいたのは、ゴスロリの服を着た色白い少女だった。雨も降っていないのに、傘を差している。日傘というほどの規模ではなく、大きな傘だった。
その少女は、まっすぐ俺を見下ろしている。どうにも気に食わない立ち位置だったが、そんなことを言っている場合じゃなかった。

「おま、え……俺、を、知って……る、のか?」
「少ない情報だ。少なすぎる。お前の人生はそれだけのものなのじゃ」
「俺、の……人、生……?」

リリスは傘をくるりと360度回して、口を再び開いた。

「お前は、記憶を喰われている。お前の人生、存在、全てが何も無いのじゃ、朝賀 篠」
「どう、いう、こ——ぶぁっぐっぅッ」

嗚咽と共に、血が大量に口から溢れ、吐き出された。よくこれだけ大量の血を流して生きていられるのだろう。そんな疑問は死にかけの俺でも少しは思ったが、それよりもこの死に際に、謎の少女が俺のことを、少なからず名前を知っていた。

「お前の残り火の中には、名前ぐらいしかない。その他には、復讐の二文字じゃ」

もう返す言葉もなかった。いや、出なかった。声を出そうにも、ヒューヒューと空気しか吐き出すことが出来ず、まさに虫の息だった。

「朝賀 篠。お前に二つだけ選択させてやる」

少女は、突然呟いた。その時、雨が降り始め、ポツポツと傘から鳴る音と共に、俺の頭上からは無数の雨が降り注いだ。

「このまま、何も知らず、自分の存在も何もかもが掻き消されたまま死ぬのか、それとも——私のしもべとなり、己の真実と向き合うか。どっちがいい?」

選ぶも何も、声が出ないっていうことが分からないのか、こいつは。
しかし、自然とその時、俺の中で痛みというものが和らいだ気がする。いや、そもそも痛みなんてあったのだろうか、と錯覚するぐらいに。
自分の存在を掻き消されたまま、というのは誰かに俺という存在を消されたのだろうか。となれば、俺はどういう人間だったんだ。
しもべになって、己の真実に向き合う……ふざけた話だ、既に虫の息の人間に何故そんなことがいえるのだろうか。
俺はそんなことを思いながら、でも考えてみた。
このまま死んだとして、何の得になるのか。虚しいのはそのままに、俺という存在は少なからず意味のあるものだったのだろうか。
俺は俺で、俺であるはずだった。それは、誰ものにも変えられない事実のはずだった。

「——どうせなら、もう、やってやるよ」

声ではない、声が出た気がした。自分の耳にも、しっかりと自分の声が聞こえた。
それを聞いた少女は、口元をひどく歪め、嗤ったような気がした。


「いいだろう。それでは——契約成立だ」


少女はそう言い放つと、おもむろに銃を取り出し、ゆっくりと俺へと向けて、その銃口を響かせたのだった。


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