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- ナイタラ マケ
- 日時: 2012/02/19 20:53
- 名前: FALL (ID: 8cTIMUus)
世の中には……現実的って言葉と非現実的って言葉がある
現実的っていうのは、僕や皆が生きているこの現世みたいな事さ ほら、今僕たちが生きている世界に
「僕は夢の国から来た妖精さ、君を夢の国へ招待するよ」
なんて事は起こらない まぁ、そんな架空の話はあるかよって考えが
”現実的”
逆に、そういう夢の国への招待チケットが貰える事が”非現実的”
じゃあ「僕たちは現実的か非現実的か?」って問われたらどうする?
…ま、そんな質問は相当痛い子じゃないと言わないだろうけどね、僕は違うけど
僕は訳あって非現実的な能力を手に入れた それこそ、君たちの思う現実とは正反対の様な能力さ
僕が考えた事は何でも”思うがまま”になる
漫画みたいな話だろ?
でも
「本当なんだぜ?」
君も覗いてみるかい?不思議な不思議な世界のほんの端っこを…
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- Re: ナイタラ マケ ( No.1 )
- 日時: 2012/02/19 21:05
- 名前: FALL (ID: 8cTIMUus)
序章「能力」
僕がこの能力を身に着けたのは、ほんの数百年前かな
え?今から数百年前?君たちの世界とは時間軸が少し違うんだ、まぁ500年程だし 気にすることは無いよ
今は2500年くらいだね、じゃあ話すよ——
——死ねよ、お前
僕に浴びせられたその言葉は、深く心に突き刺さった
当時の僕は深い虐めにあっていてねぇ…
彼らの浅ましく何処か虚しい目は周りの人間より僕を下に見ていたのを覚えているよ
「天国って…あるのかなぁ……」
そう呟いた時、僕の体は屋上へ向かって…金網を掴んでいて…そして、飛び降りる寸前まで来たんだ
「楽になれる…」
僕は金網を放した そして…体を前に倒した
僕は…金網をまた掴んだ 本能ってやつだろうか
怖かった、飛ぶ勇気が無いのは自分でも分かっていたんだ
でも、そんな狭い足場でバランスが安定するわけでも無い
僕の体は…不自由な安定感に”マケ”て宙に投げ出された
恐怖が心臓の鼓動を速め、目から涙が出てきた
奇声を上げたかったが、声が出ない
僕の意識は…そのまま遠のいていった
- Re: ナイタラ マケ ( No.2 )
- 日時: 2012/02/20 20:41
- 名前: FALL (ID: 8cTIMUus)
神様っているんだね
僕はその時そう思ったよ、僕の体は激しく地面に叩きつけられたんだ
頭への衝撃は防げたけど、背中を強打した
想像以上の痛みが、僕の全身を駆け巡る これ程までに痛いとは思わなかった、それくらいにとてつもない痛みだった
涙が止まらない、心が落ち着かない
それからすぐ、口が鉄の味に染まっていった
激しい嘔吐感に襲われ、口から吐き出したのは 大量の血
僕は怖くなって、途端に助けを求めた
声が出ない コエガデナイ
助けて タスケテ
死にたくない シニタクナイ
生きたい イキタイ
うっ——
『おーい、起きろ』
目の前に広がっていたのは、無限の闇
そして目の前には人が立っていた
「!?」
『えーと…お前の名前はXXXXXっていうんだな?』
僕の名前は独断で伏せさせてもらうよ…まぁ、続きを見たら僕の呼び名が分かるから 続きを見せようか
「あぁ…はい…あの、此処は病院ですか…?」
『はぁ?お前死んだくせに何言ってんの?』
「…え?」
『午後4時44分44秒にぴったし死去、何とも不吉な時間だなおい(笑)』
「いや…あの、そういうのはいいんで…お母さんとか呼んでもらえますか?」
『……ハァ』
相手の男は呆れながら何処からか取り出したリモコンを近くに向け、ボタンを押した
そこには、僕の死体と、泣き崩れる親がいた
この時から 僕の人生は大きく変わる事になった
- Re: ナイタラ マケ ( No.3 )
- 日時: 2012/02/21 19:59
- 名前: FALL (ID: 8cTIMUus)
『若いのに可哀想にねぇ……イジメってのはいつの時代になっても変わらねぇなぁ
それで…現実を受け止められたか?』
受け止められるわけが無いじゃないか
こんなの…これは夢なのか?多分起きたら病院のベッドの上かなぁ…
『違ぇよ、此処は生と死の間にあるちょっとした空間で、お前が目覚める事は無い』
嘘だ こんなのあるはずが無い、きっと夢だ
『お前さぁ、夢の国とか超能力とか怪獣とか正義のヒーローとか信じないクチだろ?まるで「非現実的だよ!」みたいに思ってんじゃねぇの?
これは事実だ お前は死んだ』
『放心状態だな、無理も無いだろうけど…さて、急な展開で悪いがそろそろ本題に入るとするぜ』
男はポケットから鍵を取り出すと、辺り一面真っ暗な闇に鍵を突き出し、回す
すると、ドアが開き 男はこちらを振り向いて言う
『此処から先に行くと…三途の川だ 向こうに行けば命は無い』
嫌だ
『そして、お前は一世紀ほど地獄で過ごし また新たな命として来世で生まれ変わる』
嫌ダ
『親より先に死ぬ以上の親不孝があるか?お前は自分の事しか考えず、親や親族を無視して勝手に命を絶ったクソ野郎だ、地獄で後悔するんだな』
イヤダ
『じゃあな』
イヤダァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!
あの世への扉は開いた そして、彼もまた 地獄へと連れて行かれるのだ
——彼の”能力”は まだ眠っている
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