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- 暴力—これは本当の幸せ
- 日時: 2012/03/10 17:28
- 名前: ringo ◆0UYtC6THMk (ID: JT0cxu6k)
「あんたを…あんたを好きにならなければ良かった…!!」
私は殴られた頬を擦りながら、
…嘆く一樹の言葉をぼうっと聞いていた。
私の名は、宮島ほのか。
高校1年。
よくみんなにおっちょこちょいと言われる、明るい性格。
…だったらしい。
もう今は、学校さえ行かず、…彼のそばにいた。
彼の名は水野一樹。
私の幼馴染。
小さい頃からずっと一緒。
でも、数年前に彼から告白されたときは、…さすがにちょっと驚いた。
一樹は人懐っこい性格で、はっきり言って女子から人気があった。
そんな一樹が、私を選んだのだ。
私は嬉しくて嬉しくて、…涙が出た。
それから付き合いはじめ、…10回目を数える、デートの日。
運命が、狂いはじめたのだ。
それは、私が一樹と待ち合わせをしていた時のこと。
いつものように、1時に噴水がある公園の噴水の前で私は彼を待っていた。
時間に多少遅れることがある彼は今日も待ち合わせ時間に来なくて、…なんだか寂しい気持ちになった。
そこへ、人影が走って来るのが見えた。
…一樹の実の兄、ヤツメだ。
この人は一樹の2つ上で、私もよく知る人だった。
実は一樹とヤツメは、小さい頃に両親を失っていた。
だから一樹とヤツメは家族の大切さを知ってるし、お互いの絆も深い。
ヤツメはこう言った。
「ごめん。一樹、少し遅れるみたいでさ。時間がかかるみたいだから俺を話し相手にしろってさ。」
「…一樹は、今家にいるんですか?」
何に時間がかかるのかは知らないが、私は一刻も早く一樹に会いたかった。
「ああ、うん。そうだよ。」
ヤツメの短い返事を聞いて、私は走って一樹の家に向かった。
私と一樹は幼馴染だが、それは幼稚園から一緒、というもの。
家は反対方向だった。
「あ、ちょっと!」
ヤツメが叫んでいたが、まるで聞こえなかった。
走る。
走って、走って、…そして2つ目の信号で、横断歩道の向こうに一樹が信号待ちしているのに気付いた。
「一樹ー!!」
私は嬉しくなって、一樹を呼んだ。
「…あ、…ほのか…!!」
彼が笑いかけてくれた。
私は嬉しくて嬉しくて、…赤信号を走った。
「ほのか!?———!!!!ほのか、危ない!!!!」
彼が叫んだ。
私はそんな叫びさえ、聞き流した。
それが、間違いだった。
私は自分の瞳に映る物体が、車だと気付くのに0,1秒遅かった。
「ほのか——————!!!!」
キキ————————————————!!
バアン!!
私の体は、どこかへ弾き飛ばされた。
…そっと目を開けた。
…無傷、だった。
私は驚いて、辺りを見回した。
車は止まっていた。
私が倒れていた場所は、明らかに車にぶつかって来たような場所ではなかった。
そして私は、車の側に横たわる、血まみれの人間を見た。
ヤツメ、だった。
じゃあ、ヤツメは、私を、かばって。
頭が真っ白になった。
その後ヤツメは、病院に搬送されたが、———死亡が確定した。
それから、私の毎日は一変した。
クラスのみんなは私を「人殺し」とし、誰一人私と口を利かなかった。
一樹はその悲劇から立ち直れず、学校に来ることは二度となかった。
…唯一の肉親を、失ったのだ。
精神も相当参ってるはず。
だから、私は一樹の家に来た。
一樹は普段の笑顔を絶やさず、私を暖かく迎えてくれた。
そして案内されたリビングも。
…なにひとつ、変わっていなかった。
私達は他愛ない会話を交わしていた。
そして私がトイレを借りて、再び一樹のもとに戻った時。
唐突に、本当に唐突に。
私の腹に。
一樹の足が入った。
私は、一瞬なにが起こったのか、全く解らなかった。
今度は、頭を殴られた。
私は倒れた。
————————————————もう、
——————————————ここから
—————————————————出られない。
それから毎日、私は暴力を受けていた。
私は、それを当然の報いだと思っていた。
一樹のたった1人の肉親を、…私が殺した。
私が。
…だから、これは当然の報いなんだ。
お母さんには、もう連絡している。
…しばらく、一樹の家にいると。
一樹を慰める時間が欲しい、と。
お母さんは、始めは反対していたが、
…結局は折れてくれた。
一樹は、毎日、毎日、私に暴力をふるった。
でも、私を痛めつけたあと、
必ず。
—————————————謝ってくれるのだ。
ヤツメの死と、私のことが板挟みになった結果だと思った。
だから、だから、
私は、暴力を受ける度に、
——————————————————幸せを、感じていた。
そしてある日のこと。
暴力を受け続けることが日常だと感じ始めた私は、…一樹のある一言を聞いた。
「あんたを…あんたを、好きにならなければ良かった…!!」
ついに吐き出された、
彼の本音。
「もし、…もし、俺があんたを好きにならなかったら、俺はこんな妙な感情を持たなくて済んだのに!!…あんたを憎むだけで充分だったのに…!!……くそ……!!」
私は、そんな言葉を、また聞き流し、
そして、———————————————————彼の肩に、手をそっとのせた。
彼は、泣いていた。
彼は、私にこれからも暴力をふるうだろう。
でも、私はそれでよかった。
それこそが、
—————————————————本当の、幸せ。
end
始めまして!ringoと申します。
前から小説を書くのが好きで、パソコンで投稿サイトをしらべた結果、このサイトと出会いまsita!!
よろしくお願いします。
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- Re: 暴力—これは本当の幸せ ( No.1 )
- 日時: 2012/03/12 17:37
- 名前: 叶果 ◆6AyDJVBwf2 (ID: gJy/GGb4)
- 参照: あー眠っ(>_<)
>ringo様
やっほー★
叶果(かなか)ですっ!!
誰かわかる?!…フフッ(●^o^●)
部長だよっ♪
いやーringoの書く小説は面白いね、うん。w
投稿するの楽しみにしてるぜ★
お気に入り追加っと!!w
。・。叶果。・。
- Re: 暴力—これは本当の幸せ ( No.2 )
- 日時: 2012/03/12 20:32
- 名前: ringo ◆0UYtC6THMk (ID: P4ybYhOB)
おー部長!!
お気に入りの追加サンキュ☆
うちはまだやり慣れてないから…
色々とよろしくでーす♡
(*^_^*)
ringo
- Re: 暴力—これは本当の幸せ ( No.3 )
- 日時: 2012/03/13 13:05
- 名前: 叶果 ◆6AyDJVBwf2 (ID: gJy/GGb4)
うん☆
ガンバッ!!w
。・。叶果。・。
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