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- 『異常』-『先輩』
- 日時: 2012/03/13 00:50
- 名前: 音式 (ID: HpuUcKpT)
僕には尊敬している先輩がいる。僕が通う高校の部活の先輩だ。
僕はその先輩にだけ、名前を付けずにただ『先輩』と呼んでいる。
その先輩の異常ぶりに、僕はその先輩の名前を口に出すのが恐ろしくなったからだ。
その上、先輩といると異常な出来事が次々と起こる。
いや、先輩が異常な出来事を引き寄せているのかもしれない。はたまた先輩が自ら異常生んでいるのかもしれない。
これから此処に、僕が体験した『異常』を記してみたいと思う。
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- Re: 『異常』-『先輩』 ( No.1 )
- 日時: 2012/03/13 01:14
- 名前: 音式 (ID: HpuUcKpT)
【手】
最初、僕は他の先輩と同じ様に、先輩のことを名前も付け加えて呼んでいた。
しかしこの出来事がきっかけで、僕は先輩の名前を呼ばなくなった。
つまり、先輩の異常ぶりに恐怖した最初の出来事である。
その日、先輩は部活終了後すぐに部室に戻ってパイプイスに座ると、テーブルに上半身を突っ伏して寝始めた。
僕はその日に出された英語の課題をし始めた。家にいると怠けてしまい課題が進まないため、部活終了後はいつも部室に残り課題をあらかた済ませておくのだ。
部員も帰り始め、部室に残ったのは僕と先輩の2人だけとなった。
辺りが次第に、闇に包まれていった。
しばらくして、先輩は上半身をゆっくりと起こし、大きなあくびをした。まだ眠いのか、眼があまり開いていなかった。
先輩は携帯電話を取り出した。おそらく時刻を確認したんだろう。携帯電話をしまうと、だるそうに立ち上がり帰る支度を始めた。
僕も区切りが良いところで課題を終わらせ帰る準備をしようとしたが、翻訳が難しい文章に詰まりなかなか終わりにできない。
すると支度が終わった先輩が、あっさりとその文章を訳したあと、じゃあねと素っ気なく俺に言い放ち部室を出て行った。
先輩がいなくなり、急に孤独感が増幅した僕は、先輩が翻訳した文章を急いでノートに書き込み、続けて部室から出た。
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