ダーク・ファンタジー小説

Re: 吸血鬼と暁月【参照1300越え大感謝 オリキャラ募集中】 ( No.132 )
日時: 2013/01/31 22:55
名前: 枝垂桜 (ID: hVaFVRO5)





 ───頭が痛い。


 目が覚めて一番最初に思ったことはそれだった。上半身を起こした瞬間、殴られた後のようにグワンと視界が揺れて、再び床に手をつく。

 額に手を当てるとひんやりとした手の温度が、熱い額を少しだけ冷ましていく。視界のぼやけが治まると改めて辺りを見回した。
 ミラルはいない。驚いたのはイヴさえいなかったことだった。

 全く見覚えながない部屋だ。どうして自分はこんなところにいるのか今思い出した。



 隠れ家に吸血鬼界の使者が来て、ミラルが気絶させられた。そしてミラルの前にしゃがみ込んだ瞬間、自分の首にも衝撃が走って、そこから記憶がない。




「イヴ! イヴ、返事をして」

『なにかしら』

「イヴ」




 返事は返って来たが姿は未だ見えない。



「どこにいるの?」

『精霊さんと一緒よ。何かよく分からないけれど、私たちと朱璃は別の部屋に案内されたの』

「ここはどこ? 吸血鬼界?」

『違うわ。ここは───ナイトメアの本拠地よ』

「ナイトメアの? じゃあここに母さんが……?」

『いるわね、確実に』





 朱璃はその言葉を聞いた瞬間すばやく立ち上がった。歩き出そうとして、足に異常な重さを感じた。

 足元を見ると、そこには重々しい鎖が足に取り付けられていた。




「イヴ、鎖が」

















「あらぁ、だめよ〜。逃げようとしちゃあ〜」








一旦切ります。



追伸・前回の久遠の話しは短編です。気分転換にかきたくなりましたww