ダーク・ファンタジー小説

Re: 吸血鬼と暁月【200越え感謝!!】【オリキャラ募集中!】 ( No.27 )
日時: 2012/07/30 18:15
名前: 枝垂桜 (ID: gZQUfduA)



その視線に恐怖を覚える。

 あの優しくて、人をからかう事が好きな半兵衛が、人にこんな視線を向けれると思っていなかった。

 氷のような視線は、朱音の視線を半兵衛に釘づけにしてしまった。


「……なんですか?」

 ついに半兵衛は朱音に声をかける。朱音はびくり、として一歩引いた。



「朱音、おいで」


 沙雨に手を引かれて、半兵衛を無視し、道を進む。
 半兵衛はなぜあんな目をしていたのか、不思議で頭から離れなかった。


「朱音、今から半兵衛に話しかけられても、無視して。約束だよ」


「どうして?」


「君を守りたいから」


「…………?」


 言っている意味が分からなかった。

 なぜ自分を守るために、半兵衛に近づいてはいけないのか。


「───────」


 沙雨が声を出さず、口だけ動かして何かを言った。


「なに?」


「いや、なんでもない」


『御意』


 実は朱音に気付かれないよう、天孤に朱音の保護を頼んでいた。



『このような場所は慣れませんね』


 その言葉に沙雨はフッ、と微笑んだ。