ダーク・ファンタジー小説
- Re: 吸血鬼と暁月【オリキャラ 執事&メイド募集中】 ( No.76 )
- 日時: 2012/09/10 22:44
- 名前: 枝垂桜 (ID: tDpHMXZT)
床に白い布が音もなく落ちる。現れたマーチの右目は灼眼に燃えあがっていた。
「───ご命令を。……我が主」
「……魔導書をここへ。マーチ」
「Yes,your majesty(イエス・ユア・マジェスティ).」
静かに返事をする。
「〝臨〟」
ガッ、と音を立てて大鎌が床に立てられる。そこから白くまばゆい光が広がり、魔法陣を編み出した。
「〝禁書庫に収められし 知恵の書よ 守護の元を離れ 我が手中に現れたまえ〟」
再び光を放つと、魔法陣は幾数もの光の鎖を吐きだした。それらが混じり合い、絡み合う。また魔法陣から出てきた光は、その中心へと収まった。
光が消え、その正体が見える。
それは一人の少年だった。脇に漆黒の色をした分厚い本を抱えている。
青に染められた髪はぼさぼさで、それと正反対の紅蓮の目を持ち、黄金色をした眼鏡を付けていた。
青のカッターシャツにリボン。黒い短パンに黒い靴。青と黒の縞々靴下という、黒と青を主とした装束の中では、その紅蓮の瞳はかなり目立つものであった。
すやすやと眠っている少年の所まで歩み寄ったマーチは、突然その少年を踏みつけた。
「いたっ」
少年が短い悲鳴をあげる。そしてすぐに起き上がると、えへへと笑って見せた。
「あ、こんにちは。初めての人だー。初めまして。僕は魔導書。霧亜ロアっていうんだ。よろしくね」
マーチとは面識があるようで、マーチを見て「久しぶりー」と笑いながら手を振っていた。
───────────
slica 様、ご応募ありがとうございます。いつもありがとうございます。
コメはバンバンしちゃって結構なので、どうぞ遠慮せずに書き込んで下さい。
一言! 欄のコメントとても嬉しかったです。slica 様に限らず、皆さまの一言! には毎回とても励まされています。
あと参照500越えいたしました! ありがとうございます。
どうぞこれからもよろしくお願いします。
10章はまだまだ続きます。ですが今は一旦切らせて頂きます。