ダーク・ファンタジー小説
- Re: 【夢幻を喰らう者】※ネタ不足(´;ω;`) ( No.16 )
- 日時: 2013/02/27 19:20
- 名前: だいこん大魔法 (ID: g5yX4cMd)
そういい、笑い合う。
最初はどうするもんかと悩んだが、神樹と仲良くなれて、よかったなと俺は思う。
実際、チームワークが大切だとして、友達というのが大切だとして、素の状態で最初から話し合えるかといえばそうではない。
だけど、神樹にたいしては不快感もなく、違和感もなく、むしろ好感しかもてない。だからだろうか、俺は、会って間もないというのに、神樹には素の状態で話すことができる。
「なんか、織塚くんと話してると、楽しいね」
そんなことを、サラッと神樹がいってくる。
・・・かゆい、それを言葉にされると、むずむずする。たしかに、俺も今それと同じようなことを思っていた。だけど、それを口にするのはちょっと・・・
「かゆいなっ」
思ったことをそのまま口にすると、神樹が若干傷ついたような顔になり
「ひどいよぉっ」
といいながら、俺に弱々しく拳を振り下ろしてくる。
教室にはまだまばらにしか集まっていない。それぞれが訓練場を見ているのか、それとも、「キメラ」がでてくるあの場所の奥を少しでも見ようとしているのか、なかなか来る気配がな
い。
時間割が決まっているとは言え、時間に余裕はあるらしく、おっさんは機材をいじりながら、画面の調整をしている。
「にしても・・・」
といいながら、教室ではしなかった、この場所に集まっている限りの新人を、俺は見回す。
さきほど、おっさんにたいして質問をした茶髪はいない。さっきも訓練場の方で女の子三人ぐらいにかこまれながらなんか楽しそうにしてたし・・・別に羨ましくなんかないが、うん、別に羨ましくなんかないが・・・そんなことはどうでもいい。
今集まっているメンバーは、三十人程度のメンバー中、十人弱だ。前方のほうに二人、真ん中あたりに三人、俺たちとは反対側の端に三人、そして、俺たち二人。
前方に座っている二人は、どちらも眼鏡をかけているようで、いかにも真面目っぽい格好をしているため、印象に残りづらかったが・・・
「なあ、神樹はさ、ここにいるやつらの名前だけでも覚えてるか?」
と、聞く、すると、神樹も俺のように集まっている限りのメンバーを見渡しながら、んー、と唸って
「名前と顔が一致しない?」
といって、笑う。
それを聞いた俺も若干笑いそうになったが、実は俺もそうだったりするのであまり神樹を笑える話ではなかった。
正直、あの茶髪、西岡以外覚えてないと言っても過言ではない。神樹はべつとして・・・うん、これから一緒に、とは言わないが、おんなじ場所で働く仲間たちだ、少しでも覚えときたいと思うのは普通だよな?
「おっそくなりましたーっと」
そんなことを思っていると、茶髪がモニタールームに入ってくる。
それに、前方に座っている男二人が迷惑そうな顔をむけるが、意に介さず、ぞろぞろと四人で入室して、真ん中の席を陣取り、また話始める。なにがそんなに楽しいのかは知らないが、声を大きくして笑っているあたり、迷惑極まりない。
神樹もそう思っているのだろうか、若干迷惑そうな顔をしている。そんな神樹に俺は
「あいつだけは覚えてたりするか?」
と少しふざけた感じで言う。それに神樹は肯定したように肯き
「緊張感がない人だね、やっぱり」
と言う。
・・・今のはまずいな。
神樹の声のボリュームが、今までよりも大きかったから、俺は直感的にまずいな、と思った。
それは神樹もわかったのだろう、慌てて口を塞ぐが・・・どうにも、やはり聞かれていたみたいで、茶髪・・・もとい、西岡流地が周りのやつらとの会話をやめて、こっちを見ていた。
前の席に座っていた二人は、こっちにぐっ親指を立てて、ナイスっといったふうにしているが・・・と突然、西岡が、立ち上がる。