ダーク・ファンタジー小説

Re: 真夜中の始業チャイム ( No.4 )
日時: 2013/07/11 22:24
名前: 鈴凛* (ID: jmwU8QL1)

<二限目>

「それで……、どういうことだと思う?」

今はここにいる全員で円型に並んで座っている。
すると、俺の斜め前にいた乃木下が言った。

みんなは顔を俯かせていたり、冷や汗をかいたりしている。
俺も今、若干だが冷や汗を感じている。
どうしようもない恐怖が、冷や汗をかかせているのだ。

俺は乃木下の質問に答えようと思う。
そして、口を開いた。

「俺は……」

『ジリリリリリリリリリィッ』

俺が口を開いたとき、アナウンスからベルの音がした(ホラ、火災のヤツみたいな)。
音と共に、俺たちはアナウンスの方向を見た。

声がした。

先ほどの少女の声に違いなかった。
彼女が、口を開く気配がした。

『時間です。皆様、今から私が転送いたします。なのでこの体育館からは出ないように。どこに転送するのか私にもわかりません。あ、もちろん学校の中……校内で、ですよ? もうすぐ鬼がここに現れますので……皆様が生き残るのを、祈っています』

? ……どういうことだ? 生き残る? そんなこと……。

「……——ッ」

誰かが口を開こうとした。だけど——口を次ぐんだ。

でも、それが誰か、すぐに分かった。

「こんなのウソだ!! 俺は、ここから出る!」

そう言ってのけたのが、——翔裏だった。
翔裏が体育館のドアに手をかける。

「おいっ、翔裏ッ」
「ちょっと砂中ッ?」

幸野と俺は叫んだ。そのあとに続いてみんなも口を開いた。

「待てよッ。体育館の外に出ちゃいけないって、さっき……」

俺の代わりに叫んだのが、俺の親友の大牙だった。
大牙が注意をしたにもかかわらず、翔裏は体育館のドアを……




























開けてしまった。
——刹那。

「う"っ。う"あ"あぁぁぁぁああ」

翔裏の叫び声と共に、血が鮮やかに飛び散った。
そう、〝鬼〟が来てしまったのだ。
〝鬼〟は、翔裏の身体を抉った。翔裏の身体は引きちぎられて〝肉の塊〟と化していた。