ダーク・ファンタジー小説
- Re: 真夜中の始業チャイム(???side) ( No.8 )
- 日時: 2013/08/15 01:42
- 名前: 露西亜 ◆ZwUtbaILG. (ID: d3Qv8qHc)
こんにちは(こんばんはですね)、お久しぶりです。
深夜のテンションで書き上げてみました。
随分と遅れてしまいましたが……すみません、不都合です(←ぇ)。
そして何回目かの筆名変更。
今回の名前は露西亜(ろしあ)と言います。なんか魅力を感じ、魅了されてしまったので引用。
今度ともよろしくお願いいたします。
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〈特別授業〉−01
薄暗い部屋の中。
少女は本を読んでいた。
本のページを捲る音が響く中——テレビのモニターには、色々な角度から撮影された犠牲者(学校に閉じ込められし者)が映し出されている。
中には死んだ者も、今から死のうと——殺されようとする者も居る。
そんな物騒な映像がモニターから流されていく中、少女は本を閉じて瞳をモニターに向ける。
そして——。
「 残っていられるのは、あと何人でしょうね……? 」
少女の顔は、ひどく歪んで——尚も嘲笑っていた。
◆
「(ここにいる“眼”を惹く者は十人くらいね。——さて、私はどこで登場しようかしら?)」
少女、埼永紫乃(さきながしの)は薄暗い廊下を歩いて、図書室という場所に向かっていた。
——ガラッ。
“図書室”と書かれたプレートの文字。
紫乃は中に入っていき、そこにいる人を見つめた。
「……生き残りね。アナタ達、いい隠れ場所を見つけたわね」
彼女はそう言うと床に座っている光と大牙、本棚の本と睨めっこしている憂斗を見る。
その目は何かを伝えているようだった。
「お、まえ……。まさかっ!?」
「勘違いしないで欲しいわね。私は鬼の陛下でも支配者でもなんでもないわ。アナタ達と同じ、“偶然”ここにいたってだけのことよ? それに、あなた……私と同じクラスじゃないの。失礼ね」
これらのことを早口で言い終えると、大牙は「あっ」と声を上げた。
彼女は大牙が不思議に思っていた女子だ。
馬鹿にされても、からかわれていても、まっすぐ人の目を見て冷たく言い放ち……微動だにしない。
「……大牙。この子は?」
傍にいた光が、紫乃を見て大牙に尋ねる。
無論、光は彼女を見たことないのだろう。同じクラスでもなければクラスも離れている。
彼女と光が出会う確率はまず無いだろう。
「あぁ、コイツは——。」
「私は埼永紫乃。話から分かるように、この人と同じクラスよ。……あまりいい印象はないでしょうけれど」
そう冷たく言い放つと彼女は踵を返してドアの方へと進んでいく。——何をしにきたのかも忘れて。
「待てよ」
今まで静かにやり取りを見ていた憂斗が紫乃を引き止める。
「何かしら」
手短に、冷たく言い放つ彼女は、先ほどの“大牙のクラスメート”ではない。
もう一つの人格の——想乃(その)だった。
「お前、なにしに来た? 俺たちに助言するかのようにも見えたが、普通の人ならこんな状態で冷静に、ましてや人に助言を与える余裕なんてないはずだ。……そして何故、お前は体育館へ来なかった?」
そう、それは皆が疑問に持っていただろう。幾らクラスが離れていたって、年が離れていたって、体育館で一度は顔を合わせる筈だ。
それなのに光も憂斗も彼女のことを知らなかった。
—— 彼女 は 体育館 には 来て いない ——