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　麻妃が待ち合わせのファミレスに到着してから数分後。

「麻妃ー！ お待たせー！」

　奈緒と一人の男子高校生がやって来た。

「もしかして、結構待ってた？」

「ううん。私もいま来たばかりだから」

　麻妃はそう言って迷惑がっていないように振る舞う。
　実際は五分ほど待ったが、麻妃はいつものことと思っている。

「俺も来たぜ、東雲」

　麻妃の事を苗字で呼んだ彼は、ボサボサの茶毛でヘッドホンをしているため、端から見ればチャラい人間に見える。
　
「久しぶりな気がするね、劍悟と会うなんて」

　麻妃は少し微笑みながら聖堂　劍悟に言った。

「だな。最近忙しくて会う機会が減ったからな」

「そうだったの！？ てっきり二人は何度も会ってる気がしたけど」

「ううん。ここ二週間ほど全然顔見てなかったよ」

　麻妃と奈緒、奈緒と劍悟とは良く会っていのだが、麻妃と劍悟が会ったのは二週間ぶりであった。
　原因は麻妃は塾で忙しくなり、劍悟の方も部活で忙しくなってしまい、自然と顔合わせする機会が減ってしまったからだった。

「まぁ、どっちも忙しかったからな。それより、さっさと中に入ろうぜ」

「そうだね。ここで立ち話するより、中でゆっくり話そうか」

　そう言うと、三人はファミレスの中へ入って行く。
　そしてゆっくりと勉強を教え合った。