ダーク・ファンタジー小説

Re: 【チートコードラジオ更新ー】チートコード【第6話更新〜】 ( No.55 )
日時: 2013/05/12 19:37
名前: ダイ ◆AEYoiw.IxM (ID: 9Mm1ZbHh)

第7話 「悠の決心」

ピー ピー

不快な電子音で目覚めた。
周りには冬夜、徹平、凛、桃、優里の5人が心配そうに俺を見ていた。

「もっちー、やっと起きた!」

「悠、大丈夫かよ。」

「心配させないでよ……。」

「もっちーさん、急に倒れてビックリしましたよー……。」

「全く、世話が焼けるんだから。」

「とかいって、一番心配してたの優里のくせにー」

笑ってそういう凛に、照れているのか分からないが、変な顔をしていた。

「そんな事ないわよ。」

そんな風にみんなで話していた。
そして、2、3分後に、仕事のはずの父親と、コンサートに行ってたはずの母親、そして家でゴロゴロしてたはずの姉貴が入ってきた。

「悠、大丈夫か。」

「もう、お友達にも心配かけて!」

「頭が痛いとか無いの?」

俺は、言われた事全部にちゃんと答えた。
何て偉いんだろう、俺は。

家族が来てから更に5分後くらいに、院長らしき人が来た。

「えー、お父さんとお母さん、少し来てくれますか?」

「あぁ、はい。」

といって父親と母親は別の部屋に向かった。
すると姉貴が

「悠もアタシいない方が友達と話したい事話せるでしょ。アタシ外出てるね。」

何て優しい姉貴なんだ。
いつもは何てウザい姉貴なんだと思っていたが
今日からは姉貴様と呼ぶ事にしよう。

姉貴様が部屋を出てすぐ、優里の話があった。

「悠、闇色GAMEに本当に来れる?」

「ああ。もちろん。で、いつ行くんだ?」

「今日から1週間後の午後8時の予定だわ。主催者に挑むのはまだまだ後になると思うけど。」

あぁ、それまでに家族にも報告しなければならないのか。
大丈夫かな。

「俺はさっき悠が倒れる前に家族にメールしたら、絶対帰ってこいよって返ってきたよ。止めると思ったのに」

「じゃあ、あとは悠、徹平、凛、桃だけね。」

「優里は?」

「私には、親も兄弟もいないから。」

「あ、ごめん…………」

「気にしないで。そんな事気にしてるぐらいちっぽけな人間だったの?」

優里の毒舌がわざとらしかった。
本当はそんな事思ってないだろう。
そんな感じで闇色GAMEの話をしている時に、親と姉貴が戻ってきた。

「悠、院長さんの話によるとな。」

「お前は異常な程のストレスで頭がいっぱいいっぱいになったそうだ。心当たりはあるか?」

心当たり? いくらでもある。
姉貴とのケンカ、朝に無理やり起こされたり。
でも、そんな事じゃないだろう。

1つは闇色GAMEで間違いないだろう。
そしてもう1つ。

あの謎の映像。
あれを見てすぐに倒れたのだからあれしか無い。
と思ったが、余り言いたくなかったので。

「特にないけど。」

と言った。
父はそうか。と言ってくれたけど、母と姉貴は黙ったままだ。

「悠、もう調子はどうだ? もう帰っていいそうだぞ。」


そんなに軽いものだったのか。
しかし1つ言わなければならない事があったのを忘れていた。
闇色GAMEの事だ。
どう伝えようと思ったが、今しかないだろう。
俺は、決心した。

「父さん、母さん、姉貴……」

「何だ?」

「俺、闇色GAMEに参加したいんだ。」


第7話 END