ダーク・ファンタジー小説

Re: 陽炎 ( No.16 )
日時: 2013/07/02 17:48
名前: 王様 ◆qEUaErayeY (ID: Ej01LbUa)

 真っ暗闇の中、木と木の向こうに、何か光っている物を見つけた。
 何かと思って歩いて近づいていくと、それは自販機だということに気がついた。急いでそれに向かうと、自販機の横には人が立っている事が分かった。こんなに暗いのに、何の用なんだろうか。

 「お?見ない顔やな。」近づいて早々に、その人は言った。髪が茶髪だった。『今日越してきました。』
 「あぁ、そんな話、聞いたような気がするな。」さっきとは違う声が言った。声の方を向いてみても、自販機の光から離れていて顔が見えなかった。
 ....つか、こんな暗くて何もない所で、一体何してるんだろうか。

 話が一通り終わったようなので、僕は目の前の自販機でお茶を買いまくっていた。彼は、それを不思議そうに見つめていた。おい....まさか、ジュース買ってとか言うんじゃないだろうな!?

 「ジュース買ってよ。喉渇いてるからさ。」
 『ぎゃあああああぁ!!』
 思わず叫んでしまった。いや、どんだけ図々しいんだよ、この人達は。

 「駄目か?アンタ金持ちそうだしさ。俺ら今、金欠なんだよね。」
 少し考えた後、僕は言った。『しょうがないな、一人一本だよ。』
 「やった!」

 そう言って三人は僕の前に姿を表した。
 というのも、二人が話していたもんで、ここにいるのは二人だけかと思ったが、どうやらもう一人居たようだ。それも、女子だった。結構可愛い部類に入るぐらいの。