ダーク・ファンタジー小説

Re: 陽炎 ( No.46 )
日時: 2013/07/27 14:57
名前: 王様 ◆qEUaErayeY (ID: zHNOEbBz)

 外に出ると、相変わらずクソ暑かった。
 「暑すぎだろ....このままじゃ死ぬぞ....。」
 隣で義我が呟いている。確かにそう思うのも無理はないほど暑かった。そういえば今日の最高気温は35度を越えるらしい。

 『そういえば、自転車一つしかないけど大丈夫なの?』
 自転車は自分のやつしかない。隣町がどこにあるのかわからないが、自転車一つで行けるのだろうか。
 「大丈夫やって。俺と義我は家まで自転車取りに行くから、憐と美華は先に隣町まで行っといて。場所ぐらいは分かるやろ?あのゲーセン。」
 美華はこくりと頷いて言った。「うん、多分分かるよ。一回行ったことあるから。」
 和也や義我は何度も隣町に行ったことがありそうだが、美華はあまり行かないらしい。

 「じゃあ、先に行っといてな。よろしく!」
 和也はそう言って、義我と走ってこの場を去って行ってしまった。

 「じ、じゃあ、私後ろ乗るから、憐君は自転車こいでね。」
 美華にそう言われて、僕ははっと気がついた。これから、二人乗りするんだ、と。
 彼女は自転車の後ろの荷物を乗せる所に横向きに座った。そして、僕に自転車をこぐよう促した。

 ____僕にとって、生まれて初めての二人乗りだった。