ダーク・ファンタジー小説

Re: 陽炎 ( No.48 )
日時: 2013/07/29 01:11
名前: 王様 ◆qEUaErayeY (ID: zHNOEbBz)

 やっと坂道を登り終えた時、僕は汗だくになっていた。
 「疲れたねー。」彼女は息を切らしながら言った。和也や義我は毎回ここを通っているはずだが、よくもまぁ、こんな坂道を上っていけるもんだ。

 やっと前を見ると、僕が住んでいる坂の下とは一風変わっているのがわかった。そして、ここが隣町なのだとわかった。
 僕の住んでいる所とこの隣町のどこが違うのだろう、と思ったが、それは一瞬だけだった。
 ここに引っ越してきて初めて、店というものを見たのだから。

 僕は急いでそれに駆け寄る。どうやらコンビニのようだ。だが、ロー○ンとかセブ○イレブンとかとは違っていた。
 「そんなに気になるのなら、入ってみよ。」
 いつの間にか隣にいる美華がそう言っていた。
 僕は返事より先にドアに手をかける。だがどうやら、自動ドアではないようだ。