PR
ダーク・ファンタジー小説
- Re: 陽炎 ( No.50 )
- 日時: 2013/07/31 16:10
- 名前: 王様 ◆qEUaErayeY (ID: osQJhSZL)
僕等は急いでそのゲーセンに向かった。
もちろん、二人乗りで。
「あっ、ここだよここ!」
美華はびっくりしたように大きな声をあげた。やはり、あまりここに来たことが無いのだなと思った。
僕はすぐに駐輪場に自転車を止め、そのいかにもゲーセンって感じの建物に入っていった。
ドアを開けると、涼しい風が僕等を迎えてくれると同時に、皆の目線も僕等のもとに察中した。
店内はなかなか明るい雰囲気で、小学生ぐらいの子達がちらほらいる。見た所、僕等より年上はいないようだった。店内にいる人達の平均年齢は、僕らあわせて大体10か11ぐらいだろうか。
「お、珍しいのが来てるな。」
やたら人目をひく出で立ちの人が、美華を見て言った。多分店長だろうか。
歳は大体40過ぎぐらいだろうか。この人のせいで、平均年齢が僕等より年上になった。
「久しぶりです。」そんな事を考えている僕の隣で、美華が店長らしき人に挨拶をした。
『こんにちは。』僕もつられて挨拶をする。
そういえば、まだあの二人は来ていなかったようだ。急いで損した気分だ。
「二人ともこの店にあまり来なさそうだけど、誰か待ってるのかね?」
何で分かったんだろう、と思った。『はい。和也と義我って人達です。』
そう言うと、店長は大笑いした。「あの二人と知り合いなのか、あいつらといると結構苦労するだろ。」
店長の笑い声の中で、ひたすら僕は、その通りだ、と思った。
PR