ダーク・ファンタジー小説

Re: 陽炎 ( No.51 )
日時: 2013/07/31 16:48
名前: 王様 ◆qEUaErayeY (ID: osQJhSZL)

 その時、後ろでドアの音がした。
 ガチャとドアの開く音がして、それに続いて和也の声が聞こえた。「あー、遅れてゴメン。」
 僕と美華はすぐさま後ろを振り返る。すると、和也の隣には義我もいることが分かった。

 『んまぁ、遅れてきたのは良いとして、とりあえず何かして遊ぼうよ。』
 僕がそう言うと、店長は「そうだな。」と言って笑った。



 「チッ...コイツ....強い....!!!!!!」
 「フハハハハ!!!格ゲーの帝王と言われたこの和也様に勝てると思ったか!!!!!!!」

 確かにその手つきはプロそのものだった。
 和也は昔、勉強がダメダメになった時、勉強の他に活路を見出したのがこの格ゲーだったらしいのだ。
 それからというもの、このゲーセンの格ゲー大会ではあらゆる強豪を押し退けて優勝し、現在はこの大会を13連覇中だ。勉強の他に格ゲーで活路を見出すというのが少し引っかかるが、何より和也のそれはとてつもなく上手だった。

 結局、一回もこちらの攻撃を当てることができずに負けた。