ダーク・ファンタジー小説

Re: 陽炎 ( No.52 )
日時: 2013/08/01 07:55
名前: 王様 ◆qEUaErayeY (ID: sSv6cHIH)

 『チッ....!!お前、次はこうはいかないからな!!!!首洗って待ってろ!!!!!!』
 それだけを吐き捨て、僕は大声の出し過ぎでかれそうな声を治すためにお茶を飲んだ。
 美華は僕を見て笑っている。その姿は、純粋に可愛かった。

 「フッ....、お前の立ち回りは全然なっていないな。これじゃここでは最弱クラスだな....。」
 和也は俺を指さして言った。おいおい....まだそれ続けるのかよ....。このキャラももう飽きたんでやめにしたい所だけど。

 『うるせぇな!!!!!初心者なんだから弱くて当然だろ!!!!!!何が悪い!!!!!!!!!』
 つられて僕もその口調になる。美華の方を見ると、さっきよりさらに笑っていた。
 ____彼女には、ずっとこの笑顔でいてほしいと思った。



 「いやー、疲れたなー。」
 ゲーセンを出た頃、和也が空を仰いで言った。さっきのキャラから急に元に戻ったので、別人みたいだった。
 さっきの格ゲーが終わった後、店長と軽く自己紹介をした。俺は、店長は42か3歳くらいかな、と思っていたが、店長の「よく40歳以上に見られるけど、実は俺、38なんだよね☆」という言葉によりそれはかき消された。
 まぁ、38と40とかそこまで大差ない上に、そんなことどうだっていいんだけどね。

 「そうだ!確か憐君と一緒に海に行くんだった!!」
 僕の後ろに乗っている美華が突然声を上げて言った。
 「何?二人っきりで行きたいなら俺等帰ろうか?」義我は少し笑って言った。