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ダーク・ファンタジー小説
- Re: 陽炎 ( No.66 )
- 日時: 2013/08/13 06:46
- 名前: 王様 ◆qEUaErayeY (ID: VmcrDO2v)
「そう。それなら良かったです。今から家に遊びに来ませんか?」
彼女は笑って言った。そんなことを初対面の人に言うなんて、恥ずかしくないのだろうか、と思った。
『いいですよ。』
ちょうどその時、彼女の持っている買い物カゴの存在に気づいた。カゴには野菜や肉などが入っていた。おつかいでここのスーパーに来たのかな、と思った。
「ありがとうございます!ちょっと待ってて下さいね。」
彼女はそう言い目の前のレジに向かった。買うものを精算するようだ。
それが終わると、彼女はこちらに向かってきた。「よし、じゃ行きましょうか。」
そして、二人一緒にスーパーを出た。
彼女はとても真面目そうで、僕は残念ながら頭はあまりよろしくない。彼女は、僕なら恥ずかしくてとてもできないようなことを平然とやってのける。色んな意味で、この二人は違っていると思う。
スーパーを出ると、彼女は僕の家の方角に向かった。どうやら、家の方角は同じなようだ。
さらに進むと、彼女は先導して右に曲がった。僕の家が左手に見えてきた。
「あの家ですね。」彼女は僕の家を指差して言った。『はい。』相変わらずそういう所は気味が悪かった。
僕の家の前を通り、ずっと進んでいった。ここは美華の家や海がある方角だ。
「ここです。」
彼女はとある家を指差して言った。それを見て、僕は驚いた。
なんとその家は、ピアノの音が聞こえてきた家だったのだ。
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