PR
ダーク・ファンタジー小説
- Re: 陽炎 ( No.74 )
- 日時: 2013/08/27 08:07
- 名前: 王様 ◆qEUaErayeY (ID: 0JVwtz5e)
「よし、着いたよ。」
運転しながら、母さんは言った。見てみると、右手に学校が見えた。一気に緊張感が高まる。
まだ7時ということもあって、ここからじゃ人は誰一人として見えなかったが、おそらく学校内には部活の生徒達がいるのだろう。あまり多くの人に見られたくはないが、しょうがなかった。
母さんは、車で学校内に入り、適当な所で車を止めた。そして、車から出た。
母さんはゆっくりと歩いて、僕はゆっくりとそれを追っていく。
さらに進むと、生徒達が部活をしている風景が見えてきた。....多分、サッカー部とテニス部だろうか。
まあまあ多人数だったので、その内の何人かに僕の姿を見られてしまうと思ったが、皆部活に集中していて、全くこちらを向かなかった。
やっと学校玄関らしき所が見えたので、僕達はそこに入っていった。
すると、どこからかピアノの音が聞こえてきた。不思議と、そのピアノは心を打つ何かがあった。
『母さん、先に職員室に行っといて。俺トイレ行ってくるよ。』
勿論、トイレというのは嘘だ。「分かったけど、一人で職員室行ける?」
『行けるに決まってるよ。』
僕は、そう言って走って行った。ピアノの音がする方へと。途中でピアノの音が途切れてしまわないように、本気で、走って、走って、とにかく走って行った。
そして、走り抜いた先に、とある教室が見えた。
すぐさまそのドアに駆け寄り、ドアを開けた。すると、目の前には一人の女子が立っていた。
PR