ダーク・ファンタジー小説

Re: 陽炎 ( No.85 )
日時: 2014/02/13 08:09
名前: 王様 ◆qEUaErayeY (ID: Er1U4dmL)

 音楽室に着くと、僕は首をかしげた。
 そういえば、早紀がピアノを弾いていた部屋は、他でもないここだっただろう。

 早紀の部活は吹奏楽部で、美華の部活は相談部。どっちもやってみたいと思ったが、それは不可能であることに気づいた。
 僕は、絶対にどちらか一つを選ばないといけない。何があっても、僕は悪魔の二者択一をしなくてはならないということが、うっすらと、けれども具体性をもって頭に浮かんできた。

「そろそろ、チャイム鳴るね」
 音楽室に入って美華と少し話をしていると、彼女が突然時計を見ながら言った。
 あぁ、じゃあまた後で、と、僕達は別れた。座る位置は、多分教室の時と同じだろう。

 チャイムが鳴ると、皆は一斉に自分の席へと向かった。
 そして、早紀が僕の隣に座った。