ダーク・ファンタジー小説
- Re: 世界は君の掌に ( No.15 )
- 日時: 2013/08/01 21:34
- 名前: クラウド (ID: 69bzu.rx)
【世界は君の掌に 〜番外編2〜 】
ミカエル達と別れた後、オレはしばらく悪魔を探していたが悪魔どころか悪魔らしき人物さえ見つからなかった。
「ちぇ・・・めんどくせーな」
俺はスペルを唱え始めた。スペル詠唱が終わると俺の背に生えた翼はしだいに透けてゆく。
そして、さっきまで半透明だった俺の体は実体化してゆく。
これで人間に紛れて悪魔を探すことができる。
俺は人間の人ごみに紛れて悪魔を探す。だが、悪魔の魔力は感じられない。
まぁ、それも仕方ないだろう。人間と悪魔の魔力の違いは少なく、あまり見分けがつかない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
だがそれは悪魔のタイプが人型の場合にだけ限る。
つまり今、俺達が探している悪魔は人型だということだ。
「人型・・・かぁ。厄介だな・・・」
そう、人型の悪魔は人間に似ているだけではなく、半端なく強いという特徴も持ち合わせている。
もしかしたら俺一人では歯が立たないかもしれない。
だが、見つけたらミカエル達に知らせればいいことだ。俺は見つけるだけでいいのだ。
「・・・っし。いっちょやるか!」
俺は指先に魔力を込める。すると、指先に赤く、淡い炎がつく。
人間と悪魔にはみえない、悪魔を探すための炎だ。
悪魔に近づくと炎が反応して青になり、悪魔に触れると黒い炎になるという仕組みだ。
俺はしばらくその炎を見つめながら歩く。歩きはじめてしばらくすると、炎が揺れ始めた。炎が青くなる前兆だ。
「この近くにいる・・・のか。」
炎が示す場所は暗い路地裏だ。
俺は路地裏に向かって歩き出す。路地裏の奥に進むにつれて、炎は激しく燃える。
路地裏を歩いていると、
「キャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
女性の悲鳴が聞こえた。
悲鳴が聞こえた方へ向かうと、数人の男とその男たちに取り囲まれている銀髪の女性がいた。
指先を男たちの方へ向けると、炎は激しく、大きく燃え上がる。
色は青というより紫に近くなっている。
「お前達が悪魔か・・・。一人じゃねーのかよ・・・」
俺は内心焦っていた。一人ならともかく4,5人となるとさすがに無理がある。
「おいおい、女の子助けてヒーローにでもなるつもりかよ?」
男の一人が笑いながら言う。
俺はそんな言葉は無視する。
「無視かよ?ムカつくなぁっ!!」
男たちが一斉に飛び掛かってくる。
殺られるかもしれないが殺るしかない。
俺は男の一人に思い切り蹴りを入れる。ものすごい音をたてて男は吹っ飛ぶ。
そのあと男たちは俺に襲いかかってきたが、全員あっけなく倒してしまった。
「あ、ありがとうございます・・・。本当に助かりました!」
銀髪の女性が満面の笑みで俺にお礼をする。
だが、俺はそんなことは頭に入らず、別のことを考えていた。
おかしい・・・。人型の悪魔はここまで弱くはない。
もしかして・・・・・
「もしかして、俺が強すぎるんじゃね!?」
俺は歓喜の声を上げながら、飛び上がると銀髪の女性にぶつかった。
「キャッ・・・!」
その瞬間俺の指先で燃え上がる炎は黒い漆黒の炎となった。
そして気づいた。悪魔は男たちではなく、この銀髪の女性だと。
「お前・・・・・・」
そうすると、女性は後ろに飛び退ける。
「あーあ・・・バレちゃったよ。」
みるみる内に女性の背に黒い翼が現れ、手には大きな黒い鎌が握られる。
「君の強さからして、もしやと思ったけど、天使とはねぇ・・・」
不敵に笑いながら悪魔はつぶやく。
「それにその顔・・・。見たことある。君、ルシファーだっけ」
「よく知ってるじゃないか。悪魔さんよぉ」
「私の名前は悪魔さんじゃないわよ。レネア・ダークナイトよ。」
レネア・・・。聞いたことある名前だ。確か大悪魔の名前だった。
「まぁ、そんなことは置いておいて・・・」
ニヤリとレネアが笑う。
【謝肉祭】
「始めようよ・・・!楽しい楽しいカーニバルを・・・・!!」
