ダーク・ファンタジー小説

Re: 世界は君の掌に ( No.17 )
日時: 2013/08/07 10:43
名前: クラウド (ID: 69bzu.rx)

【世界は君の掌に 〜番外編4〜 】

「殺ったか・・・」

俺の魔力は底を尽きたらしく、イフリートの姿は消えてしまった。
イフリートがいなくなると同時に俺の体は地面に膝をつき、倒れこんだ。

「ははっ・・・俺もやべーな・・・」

正直、動くことさえ辛い・・・
俺の視界はだんだん薄暗くなっていく。
このまま、死んでしまうのだろうか・・・?
本音をいうと今はまだ死にたくない。
だが、ここで死ぬのが運命というのならば仕方がないことなんだろう・・・
きっと・・・

「天使って死ぬとどーなるんだろ・・・」

死ぬのは怖い。だがそれが運命なら俺はその運命に身を任せることにしよう・・・

俺の意識が消えかけた時——————

「ルシファーーーーー!!!」

「・・・!」

あの、声は・・・
ラファエルだ。
ラファエルが俺の方へ駆け寄ってくる。

「ルシファー!!大丈夫か!?どうしたんだよ・・・!」

「あ、れ・・・?なんでお前いる、の・・・?」

「あぁ・・・!?なんでって・・・生きてるからだよ。」

ラファエルは生きていた。少し疑問に思ったがちょっと考えればわかることだった。

「あぁ・・・。そういうことか・・・」

俺がいうと、ラファエルが首を傾げた。
だがすぐに俺の方へ手を向けた。

「そんなことは置いといて、早く治療しないとな。 

ラファエルがヒールスペルを詠唱する。
次第に俺の傷はふさがっていき、痛みも和らいでいく。
ヒールが完了すると、ラファエルはため息まじりにいった。

「しっかし、ムチャするよなぁ。そんなデカい傷作って・・・」

「うっせーよ、バカ。」

「あぁ!?バカはお前だろ!!」

「俺のほうが頭いいしー、バカじゃないしー」

「おれの方が頭いい!!」

「それはない。」

「あーあ。やっぱルシファーなんか治すんじゃなかったー」

「・・・!!」

俺は何も言えなくなってしまったので話題を変えることにした。

「そ、そういえばさぁ・・・」

「話題変えるな。」

ラファエルには俺の考えが分かってるらしく、中々話題を変えさせてくれない。

「い、いや・・・これマジな話・・・」

「んー。で、なんだよマジな話って。」

ラファエルはしかめっ面をして俺に聞く。
俺はさっきから疑問に思っていたことを口にした。

「お前、銀髪の悪魔に襲われなかったか?」

「あぁ・・・襲われたよ。」

「じゃ、じゃあ!なんで生きてんだよ・・・」

「それは・・・・・・・・・」

・・・ラファエルから聞いた話はとても妙な話だった。