ダーク・ファンタジー小説

Re: 世界は君の掌に ( No.18 )
日時: 2013/08/09 21:51
名前: クラウド (ID: 69bzu.rx)

【 世界は君の掌に 〜番外編5〜 】

ラファエルから聞いた話は実に妙な話だった。

「俺は確かにあの銀髪の悪魔に襲われた。だが・・・・途中で悪魔の様子がおかしくなったんだ。」

「おかしく・・・?」

「ああ、いきなり頭を抱え込んで苦しみだし始めたんだ」

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〜Raphaelside〜


「うう・・・ぐぅっ!う・・うああああああああああああ!!!!!」

「・・・!?な、なんだ・・・!?」

「ううう・・・また・・・私の邪魔を・・・する・・のかぁ・・・!」

「なに言ってんだコイツ・・・・」

「ぐうああああああああああああああ!!!!!!!」

悪魔はすごい断末魔をあげたんだ。

「はぁっ・・・はぁっ・・・」

そしたらいきなり悪魔の態度が変わっちゃってさぁー

「に、逃げて・・・」

「・・・は?」

「もう一人のアタシがまた出てこないうちに・・・」

「何?罠にはめようってワケ?」

「いいから逃げてっ!!!!!!!」

「・・・!」

それで俺はその場を離れたってワケ。

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「そんなことがあったのか・・・」

「もしかしてルシファーの傷って銀髪の悪魔にやられたの?」

「まぁ・・・な・・・」

ニヤニヤと俺を見つめる視線から俺は必死に逃げる。
だがラファエルも今回はしつこく俺の表情をうかがおうとしている。
ラファエルは俺の情けない表情を見ようと俺の顔を覗き込む。
俺は自分の情けない表情を見せる気はないので必死に顔を逸らす。

「・・・しつこい」

「お前の悔しそーな顔なんてそうそう見れるもんじゃないしなぁ?」

「タチ悪ぃな。」

だがいいタイミングで必死の攻防戦に割って入るやつがいた。

「おい、なにをしている?」

「「げっ・・・ミカエル・・・!」」

「「今頃来てんじゃねぇよ・・・」」ボソッ

「・・・何か言ったか?」

「「何も言ってません。断じて言ってません。」」

「でさぁー、なーにしにきたワケ?ミカエル。せっかくルシファーの面白い顔が見れたのに・・・」

「面白い顔・・・?あぁさっきの悔し顔の事か?」

「・・・!なんで知って・・・」

「飛んでくるときみえた。」

最悪だ。よりによってミカエルに見られるとは・・・

「えぇっ!!いーなぁ!!どんな顔してた!?」

「涙目になっててすっごい情けない表情だった。」

ミカエル・・・・
後でちょっと説教が必要だな・・・・!

「ぶっははははははははははははははは!!!!!!」

ラファエルは大笑いしている。

「な、涙目とかwwwちょっとwwからかっただけなのにwww」

「ルシファーはデリケートなんだ。きっと」

ミカエル、(きっと)は要らない・・・

「あー!!腹痛てぇww」

そんなときだった。
瓦礫の山がガラガラと崩れ落ちた。

「「「・・・・!」」」

瓦礫の山から何かが飛び出した。

「お前・・・生きて・・・」

瓦礫の山から飛び出したのは銀髪の黒い翼が生えた少女だった。

「よくも・・・やってくれたわね・・・!!」

「マズイな・・・・」

「許さない・・・!殺してやるっ!!」

殺気立った眼でこちらを睨み、レネアは飛びかかってきた。
仕方がないとこのとき俺たちは戦闘態勢に入った。

だが後々、この戦いが俺の運命を変えてしまうとはこのとき俺は知る由もなかった。